二次創作
【コメ・リクください】短編集!
長編で出す予定でした((
最後の結末は考えたんだけど、ちょっと無理そうだったので。
今回長編です。(短編集にしては)3000字超えです。
これは空の向こうにある世界。
あなたのすぐ隣にある世界。
私の学校に転校生が来た。
高校1年の夏休み明け。
転校生がよく来る季節かもしれない。
セミの鳴き声が鳴りやまず、先生が声を張って話す。
「転校生が来ます!さぁどうぞ、入って!」
視線が前扉に集中。ドアが細く開くと、theイケメン男子が入ってきた。
風邪でもなさそうなのに不織布マスクを付けている。
映画みたいな既視感のある光景。
私もイケメンだ…と思ったことに気づき、こっそりと顔を赤らめる。
何やってんだ私…。
もう既に教室は沸き立っていて、大声で質問が飛び交っている。即席質問コーナー。
「名前教えて下さーい!」
「白木優(しらきゆう)です」
「誕生日―!!」
「5月14日です」
「好きなこととか、食べ物は!?」
「好きなことはバレー、食べ物は…たこ焼き。」
「どこから来ましたか!」
「大阪です、関西。」
「じゃあ関西弁喋って!!」
「え…よろしくやで~…」
ぽんぽん会話が飛び交って一瞬で置いて行かれた。
あーまた出遅れちゃった…。
チャイムが鳴ると、先生が笑顔で私を指さす。
え…?私なんかしたっけ…((
「白木、お前は一谷。一谷奏楽の隣だ!」
「はーい…」
あ、何かやらかしたわけではなかったみたい…でも!
「一谷さん?だっけ、…よろしくお願いします。」
これ、本当に[漢字]現実[/漢字][ふりがな]ほんとう[/ふりがな]ですか…?
#1
転校生が来てから数日がたった。
白木君はすごく丁寧な優しい人で、私がイメージしていた関西人とは全く逆のタイプの人間だった。
白木優「一谷さん、教科書何ページだっけ…?」
一谷奏楽「あ、187ページ…のはず」
白木優「助かる!ありがとね~」
同級生や後輩に羨ましがられつつ、平凡に日々が過ぎていく。
唯一つ、不可解な点があるとするのならば…
白木君はマスクを「絶対に」外さないことだ。
白木優Side
セミの鳴き声も静まり、夕陽に背を押されながら家に帰る。
部活動をしていたからもあるだろうが、汗がずっと額から流れ落ちて来る。
マスク…この不織布が折り重なったモノ。これのせいで…。
周囲に誰もいないのを確認し、マスクを外す。
外気に触れると、暑さは幾分かましになった様に感じた。
夕方の涼しい風が頬を通り抜けていく。
ほんの少し立ち止まると、汗に濡れたマスクを取り換える。
「ふ~…」
困ったもんだよ、[太字]年中無休で[/太字]マスクとか…。
#2
一谷奏楽Side
私は美術部に入っている。
部、とは言っても顧問はいないようなもので、ゆるゆるの部活だ。
しかも周りは先輩が多い。1年は私を含めて3人しかいないのだ。
「先輩…!ここのデッサンのコツ、教えて下さい!」
先輩は優しいから教えてくれるけど…。
邪魔なのが雰囲気から伝わってきてやだなぁ。
今日はたまたま帰るのが遅くなった。
絵具を片付けるのに手間取ったせいだ。
「最悪…宿題やらないといけないのに…!」
独り言をぶつぶつ呟きながら歩いていた時だった。
「ん…?あれ、白木君…?」
そこには恐らく部活帰りであろう白木君が立っていた。
どうやら私には気づいていないようだ。
しかも
「あっつ…勘弁してほしいわ…」
「マスク…外してる…」
ずっとマスクの顔しか見てこなかったけど、マスク外すとよりイケメン…((
すると彼は、マスクのひもを耳にかけたまま言った。
[太字]「もっと涼しくなればいいのに」[/太字]
その瞬間、風が強く吹き始めた。
たまたまかもしれない。偶然のはず…。
[太字]「雨とか、降ったらちょうどいいんだけどね」[/太字]
サァァァァ
霧みたいな雨が優しく降り注ぐ。
…偶然なのだろうか。はたまた、故意に吹かせて、降らせているのか…。
そんなわけないよね。
科学で説明できないことは世の中にほぼ存在しないものだから。
曲がり角を1つ飛ばして、遠回りして帰る。
白木君がいたからだけじゃない。
そうしたい、と思ったから。
夕陽に背を押されつつ、家路をゆっくりと辿って行った。
白木優Side
…。
は~…。
大きなためいきが漏れる。
普段、マスクを付けてしゃべって、一人の時はマスクを外しても喋らないのに。
なんだか声を出したくなって…。
「もっと涼しくなればいいのに。」
先程の声が蘇る。やってしまった…。
わかってたのに。自分がやったらいけないことだと。
また気づかれたら。
また迷惑をかけたら。
僕はどうやって生きていけば…。
一谷奏楽Side
白木君が転校してきて、3カ月がたったころだと思う。
12月で、辺りは寒かった。
白い息が出ていた。
夜だった。
一谷奏楽「ふぁっ~…寒い~」
私はコンクールに出す絵を仕上げるために遅くまで残っていた。
ギリギリまでノルマをため込んだからだ。
一谷奏楽「自業自得とはいえ、苦しいなぁ…」
夏みたいな夕日はなく、セミの鳴き声もなく、辺りはシーンと静まっていた。
昼の間に雪がぱらついたらしく、新雪を踏みしめて歩く。
キュッキュッカサッ…
???「さっむ…」
そんな声が聞こえてきた。同じクラスなら絶対に分かる。
白木君。
私の家の方向にいたし、声をかける。
一谷奏楽「白木君、遅くまで…」
白木優「来ないでっ」
短く、鋭く声がかかる。
私は走っていたから__ちょっと一人が怖かったのもある。
一歩を出すところ…だったのに。
足が引っ込んだ。
反射じゃない。理屈で説明できないナニカ。
夏のあの日の光景がフラッシュバックする。
パチッバチバチ
目の前が白飛びする。あの日…
「涼しくなればいいのに。」
「雨とか、降ればちょうどいいんだけどね。」
白木君は。
年中マスク
雨
風
一人でご飯食べてる
寝てるときは
喋ったら。本当に。
一谷奏楽「ッえ…」
視界がぼやける…立っていられない…。
白木優「一谷さんっ!」
一谷奏楽Side
外を歩いていた体はありえないくらい寒いはずなのに、温かさに包まれる。
誰かの声がする…。誰?
「だから、手が…かもしれ…まう…」
「わし…もない…らは…ちから…か?…」
一谷奏楽「ん…。」
少し目を開けて周りを見渡す。
季節外れなほどに緑に囲まれた部屋のような場所。
中央にある切り株の上にたくさんの実験道具が転がっている。
そしてその奥に白木君。と…
見知らぬおじいさん。
白木「あ、起きた?大丈夫?怪我はない?」
矢継ぎ早に尋ねられて固まってしまう。
???「ほら、困ってらっしゃる。少し状況を把握させてあげないと。」
横からあの優しそうなおじいさんが話しかけてくれる。
白木優「そっか、そうだよね。」
少し顔を伏せて笑う白木君。私が知らない一面な気がする…。
一谷奏楽「うん…正直、何が起こってるかわかんないんだ。」
白木優「…どこから話したらいいのか、わかんないけど。」
白木優「僕の言葉で世界が終わるんだよ。」
最後になるにつれ、明らかに落ち込んでいく声。
内容も衝撃的だった。
一谷奏楽「…それって、言ったことがほんとになる、って意識でいい?」
そう言うとおじいさんが驚いた顔になる。
おじいさん「優…マスク外して喋っただろう…。」
咎めると苦笑いしてこの話題を避けるように早口で喋りだした。
この世の中には、力(マハト)を持つ人がいる。
その能力は様々だし、持ってるかどうかはほとんど判別がつかない。
この場合だと、僕とこの横のシャンドは力を持ってる。
能力名とか、この場合ではどうでもいいんだ。
問題は、君が能力を持っているのかないのか。
あと…僕の能力は声を発したら人を従えさせたり、なんでもできる。
シャンドが開発してくれたこのマスクをつけた状態なら大丈夫なんだけど…。
シャンド「わしの能力は…」
『ソーダライト-創造』
自分がイメージしたものを実際に作り出せる。
その精度は力が高いほど高くなる。
白木優「僕は白木優じゃなくて、ジェンティーレって名前。」
能力は『ブランチコーラル-征服』
すごいところで切りますね((というかネタがなくなったっていうのが正しい。
最後に出てきた能力名は今書いてる長編に使いまわしますw
待っててね~!
最後の結末は考えたんだけど、ちょっと無理そうだったので。
今回長編です。(短編集にしては)3000字超えです。
これは空の向こうにある世界。
あなたのすぐ隣にある世界。
私の学校に転校生が来た。
高校1年の夏休み明け。
転校生がよく来る季節かもしれない。
セミの鳴き声が鳴りやまず、先生が声を張って話す。
「転校生が来ます!さぁどうぞ、入って!」
視線が前扉に集中。ドアが細く開くと、theイケメン男子が入ってきた。
風邪でもなさそうなのに不織布マスクを付けている。
映画みたいな既視感のある光景。
私もイケメンだ…と思ったことに気づき、こっそりと顔を赤らめる。
何やってんだ私…。
もう既に教室は沸き立っていて、大声で質問が飛び交っている。即席質問コーナー。
「名前教えて下さーい!」
「白木優(しらきゆう)です」
「誕生日―!!」
「5月14日です」
「好きなこととか、食べ物は!?」
「好きなことはバレー、食べ物は…たこ焼き。」
「どこから来ましたか!」
「大阪です、関西。」
「じゃあ関西弁喋って!!」
「え…よろしくやで~…」
ぽんぽん会話が飛び交って一瞬で置いて行かれた。
あーまた出遅れちゃった…。
チャイムが鳴ると、先生が笑顔で私を指さす。
え…?私なんかしたっけ…((
「白木、お前は一谷。一谷奏楽の隣だ!」
「はーい…」
あ、何かやらかしたわけではなかったみたい…でも!
「一谷さん?だっけ、…よろしくお願いします。」
これ、本当に[漢字]現実[/漢字][ふりがな]ほんとう[/ふりがな]ですか…?
#1
転校生が来てから数日がたった。
白木君はすごく丁寧な優しい人で、私がイメージしていた関西人とは全く逆のタイプの人間だった。
白木優「一谷さん、教科書何ページだっけ…?」
一谷奏楽「あ、187ページ…のはず」
白木優「助かる!ありがとね~」
同級生や後輩に羨ましがられつつ、平凡に日々が過ぎていく。
唯一つ、不可解な点があるとするのならば…
白木君はマスクを「絶対に」外さないことだ。
白木優Side
セミの鳴き声も静まり、夕陽に背を押されながら家に帰る。
部活動をしていたからもあるだろうが、汗がずっと額から流れ落ちて来る。
マスク…この不織布が折り重なったモノ。これのせいで…。
周囲に誰もいないのを確認し、マスクを外す。
外気に触れると、暑さは幾分かましになった様に感じた。
夕方の涼しい風が頬を通り抜けていく。
ほんの少し立ち止まると、汗に濡れたマスクを取り換える。
「ふ~…」
困ったもんだよ、[太字]年中無休で[/太字]マスクとか…。
#2
一谷奏楽Side
私は美術部に入っている。
部、とは言っても顧問はいないようなもので、ゆるゆるの部活だ。
しかも周りは先輩が多い。1年は私を含めて3人しかいないのだ。
「先輩…!ここのデッサンのコツ、教えて下さい!」
先輩は優しいから教えてくれるけど…。
邪魔なのが雰囲気から伝わってきてやだなぁ。
今日はたまたま帰るのが遅くなった。
絵具を片付けるのに手間取ったせいだ。
「最悪…宿題やらないといけないのに…!」
独り言をぶつぶつ呟きながら歩いていた時だった。
「ん…?あれ、白木君…?」
そこには恐らく部活帰りであろう白木君が立っていた。
どうやら私には気づいていないようだ。
しかも
「あっつ…勘弁してほしいわ…」
「マスク…外してる…」
ずっとマスクの顔しか見てこなかったけど、マスク外すとよりイケメン…((
すると彼は、マスクのひもを耳にかけたまま言った。
[太字]「もっと涼しくなればいいのに」[/太字]
その瞬間、風が強く吹き始めた。
たまたまかもしれない。偶然のはず…。
[太字]「雨とか、降ったらちょうどいいんだけどね」[/太字]
サァァァァ
霧みたいな雨が優しく降り注ぐ。
…偶然なのだろうか。はたまた、故意に吹かせて、降らせているのか…。
そんなわけないよね。
科学で説明できないことは世の中にほぼ存在しないものだから。
曲がり角を1つ飛ばして、遠回りして帰る。
白木君がいたからだけじゃない。
そうしたい、と思ったから。
夕陽に背を押されつつ、家路をゆっくりと辿って行った。
白木優Side
…。
は~…。
大きなためいきが漏れる。
普段、マスクを付けてしゃべって、一人の時はマスクを外しても喋らないのに。
なんだか声を出したくなって…。
「もっと涼しくなればいいのに。」
先程の声が蘇る。やってしまった…。
わかってたのに。自分がやったらいけないことだと。
また気づかれたら。
また迷惑をかけたら。
僕はどうやって生きていけば…。
一谷奏楽Side
白木君が転校してきて、3カ月がたったころだと思う。
12月で、辺りは寒かった。
白い息が出ていた。
夜だった。
一谷奏楽「ふぁっ~…寒い~」
私はコンクールに出す絵を仕上げるために遅くまで残っていた。
ギリギリまでノルマをため込んだからだ。
一谷奏楽「自業自得とはいえ、苦しいなぁ…」
夏みたいな夕日はなく、セミの鳴き声もなく、辺りはシーンと静まっていた。
昼の間に雪がぱらついたらしく、新雪を踏みしめて歩く。
キュッキュッカサッ…
???「さっむ…」
そんな声が聞こえてきた。同じクラスなら絶対に分かる。
白木君。
私の家の方向にいたし、声をかける。
一谷奏楽「白木君、遅くまで…」
白木優「来ないでっ」
短く、鋭く声がかかる。
私は走っていたから__ちょっと一人が怖かったのもある。
一歩を出すところ…だったのに。
足が引っ込んだ。
反射じゃない。理屈で説明できないナニカ。
夏のあの日の光景がフラッシュバックする。
パチッバチバチ
目の前が白飛びする。あの日…
「涼しくなればいいのに。」
「雨とか、降ればちょうどいいんだけどね。」
白木君は。
年中マスク
雨
風
一人でご飯食べてる
寝てるときは
喋ったら。本当に。
一谷奏楽「ッえ…」
視界がぼやける…立っていられない…。
白木優「一谷さんっ!」
一谷奏楽Side
外を歩いていた体はありえないくらい寒いはずなのに、温かさに包まれる。
誰かの声がする…。誰?
「だから、手が…かもしれ…まう…」
「わし…もない…らは…ちから…か?…」
一谷奏楽「ん…。」
少し目を開けて周りを見渡す。
季節外れなほどに緑に囲まれた部屋のような場所。
中央にある切り株の上にたくさんの実験道具が転がっている。
そしてその奥に白木君。と…
見知らぬおじいさん。
白木「あ、起きた?大丈夫?怪我はない?」
矢継ぎ早に尋ねられて固まってしまう。
???「ほら、困ってらっしゃる。少し状況を把握させてあげないと。」
横からあの優しそうなおじいさんが話しかけてくれる。
白木優「そっか、そうだよね。」
少し顔を伏せて笑う白木君。私が知らない一面な気がする…。
一谷奏楽「うん…正直、何が起こってるかわかんないんだ。」
白木優「…どこから話したらいいのか、わかんないけど。」
白木優「僕の言葉で世界が終わるんだよ。」
最後になるにつれ、明らかに落ち込んでいく声。
内容も衝撃的だった。
一谷奏楽「…それって、言ったことがほんとになる、って意識でいい?」
そう言うとおじいさんが驚いた顔になる。
おじいさん「優…マスク外して喋っただろう…。」
咎めると苦笑いしてこの話題を避けるように早口で喋りだした。
この世の中には、力(マハト)を持つ人がいる。
その能力は様々だし、持ってるかどうかはほとんど判別がつかない。
この場合だと、僕とこの横のシャンドは力を持ってる。
能力名とか、この場合ではどうでもいいんだ。
問題は、君が能力を持っているのかないのか。
あと…僕の能力は声を発したら人を従えさせたり、なんでもできる。
シャンドが開発してくれたこのマスクをつけた状態なら大丈夫なんだけど…。
シャンド「わしの能力は…」
『ソーダライト-創造』
自分がイメージしたものを実際に作り出せる。
その精度は力が高いほど高くなる。
白木優「僕は白木優じゃなくて、ジェンティーレって名前。」
能力は『ブランチコーラル-征服』
すごいところで切りますね((というかネタがなくなったっていうのが正しい。
最後に出てきた能力名は今書いてる長編に使いまわしますw
待っててね~!