【オリキャラ短編集】閉ざしたココロの扉
#1
生階 朱肉 編
自分の両親は幼い頃に離婚している。
自分はお母さんの元にいった。
女手ひとつで育ててくれた、とても優しいお母さん。
[太字]一緒に暮らしていたけど、ある時急に、フッと消えていなくなってしまった。[/太字]
今思えば、あのお母さんは夢だったんじゃないかと思うほど、あっさりいなくなってしまった。
その後はしばらく施設で日々を過ごしていた。
施設に入って3年くらい。
大体10歳の頃、ついに里親になってくれるという人が現れた。
男の人だったらしく、
「はい、新しいお父さんに挨拶してね。」
と言われた。
目を見開いた。
目の前の光景に驚かずにはいられなかった。
声が出ない。
[太字]その人が、今では無縁だったはずの前の父だったのだ。[/太字]
もちろん、その後の生活は地獄でしかなかった。
もはや「地獄」しかあの日々を呼ぶに相応しい言葉はなかったくらいに。
ストレス発散の"道具"として扱われ、叩かれ蹴られた。
そのためだけにここまで自分を探していたと考えるだけで、今でもゾッとする。
本当にトラウマだったこと。
成長し高校生ほどになると、自分は父の性処理の道具として無理やり犯されたんだ。
怖くて誰にも話せなかった。
それがずっとトラウマなのだ。
だから、
そこから二度とそうならないように、
[太字]性転換の手術を受けた。[/太字]
[太字]「自分は女でいたい、可愛くありたい」という本音を捨てて。[/太字]
[太字]誰も望まない性転換をした。[/太字]
その後の父に言われた言葉。
「そんなんだからお前は誰からも必要とされてねェんだよ。女なら女らしく俺の道具になってろよ。」
「そんなんだから普通になれねェんだよ。」
この言葉は今も重くのしかかっている。
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