無個性物語
『個性把握テスト』
これが今からする体力テストの名前らしい。
なんだよ、みんな個性個性...
「○○、中学ん時ボール投げ何mだった」
え。
あ、もしかして僕が入試1位だから、かな?
...ここは正直に言うべきか...
「あの、サバ読みとかじゃないし、僕の中学が個性ありの体力テストだったわけでもないんですけど...」
「どうした、さっさと言ってみろ」
「1364kmです」
「は?」
その場にいた全員から間の抜けた声が漏れる。
「ですから、1364kmです」
「...まあとりあえず個性使って投げてみろ」
「無理です。僕無個性なんで...あ、でも一応投げましょうか?筋トレ続けてるんで」
無個性という言葉に周りがざわつくのがわかる。ま、とりあえず投げとけ。
「どっせい!」
掛け声と共にボールを投げる。
「どうでした?」
「1873kmだ」
「っしゃ伸びてた!筋肉は裏切らな―――い?」
え、なんか...注目されてる?
...やっぱり、どこでも無個性は差別されるんだ。
ここも、駄目なんだ。
でもその後僕がみんなにかけられた言葉は予想と違っていた。
「無個性でこれ!?すっげーじゃん!」
「個性を消されても戦えますね!」
「とにかくすごい努力してた事だけは伝わった」
「すげえんだな、お前」
「な、なんで、みんな、そんなに―――」
なんで、みんな、そんなに、こんな無個性で出来損ないの僕を、褒めてくれるの?
なんでこんなに優しいんだろう。
中学では筋力があっても無個性ってだけで差別されたのに。
ここでなら、上手くやっていけるかもしれない。
そんなことを思いつつ僕はみんなの元へと戻って行った。
ちなみに個性把握テスト●●の記録
50m走:1秒44
握力:測定器破壊
立ち幅跳び:全て飛び越した
反復横跳び:1706回
ボール投げ:1873km
持久走:1分52秒
上体起こし:1100回
長座体前屈:78.2m
これが今からする体力テストの名前らしい。
なんだよ、みんな個性個性...
「○○、中学ん時ボール投げ何mだった」
え。
あ、もしかして僕が入試1位だから、かな?
...ここは正直に言うべきか...
「あの、サバ読みとかじゃないし、僕の中学が個性ありの体力テストだったわけでもないんですけど...」
「どうした、さっさと言ってみろ」
「1364kmです」
「は?」
その場にいた全員から間の抜けた声が漏れる。
「ですから、1364kmです」
「...まあとりあえず個性使って投げてみろ」
「無理です。僕無個性なんで...あ、でも一応投げましょうか?筋トレ続けてるんで」
無個性という言葉に周りがざわつくのがわかる。ま、とりあえず投げとけ。
「どっせい!」
掛け声と共にボールを投げる。
「どうでした?」
「1873kmだ」
「っしゃ伸びてた!筋肉は裏切らな―――い?」
え、なんか...注目されてる?
...やっぱり、どこでも無個性は差別されるんだ。
ここも、駄目なんだ。
でもその後僕がみんなにかけられた言葉は予想と違っていた。
「無個性でこれ!?すっげーじゃん!」
「個性を消されても戦えますね!」
「とにかくすごい努力してた事だけは伝わった」
「すげえんだな、お前」
「な、なんで、みんな、そんなに―――」
なんで、みんな、そんなに、こんな無個性で出来損ないの僕を、褒めてくれるの?
なんでこんなに優しいんだろう。
中学では筋力があっても無個性ってだけで差別されたのに。
ここでなら、上手くやっていけるかもしれない。
そんなことを思いつつ僕はみんなの元へと戻って行った。
ちなみに個性把握テスト●●の記録
50m走:1秒44
握力:測定器破壊
立ち幅跳び:全て飛び越した
反復横跳び:1706回
ボール投げ:1873km
持久走:1分52秒
上体起こし:1100回
長座体前屈:78.2m
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