無個性物語
「ここ、は―――」
「保健室だよ。ペッツお食べ」
「あ、はい」
僕が、お婆さ...リカバリーガールから貰ったペッツを噛み砕いた頃には、やっと視界がはっきりしてきた。
「みんな...」
保健室には、既に1‐A組が勢揃いしていた。もちろん怪我でベッドに寝ている人もいたけど。たしか...デクとか呼ばれてた縮れ髪の...
「○○...目、覚めてよかった」
「‘尾白’くん。まあ僕無個性でバカだけど頑丈さと筋力だけが取り柄だからさ!」
「あ、その話だけどな...お前、敵の死柄木って奴に個性因子打ち込まれて...‘超音波’の個性が発現したんだよ!」
「あー、ごめん、君、誰?」
見たことはあるけど話したことも名前聞いたこともないんだよなー、と思いながら僕は黄色い髪の毛を見つめた。
「俺?上鳴電気!」
カミナリくんか...いや、待てよ。今、‘個性’って―――
「...!それから今何時間経ってる!?」
「何時間?1時間くらいだと思うぜ」
今度は赤髪の人が答えた。1時間...よかった。
「薬!」
僕は粒薬をおもむろにポケットから取り出すと、一気に飲んだ。
「ふう...」
「えっと...色々聞きたいことはあるんやけど、なんなんその薬?」
「レイニチさん...だっけ?これは個性因子を消滅させる薬だよ」
そう告げるとみんなが驚いたような声を出す。あれ?もしやレイニチさんじゃなくてレイジツさんだった?
それともこんな薬が存在することが怖い...とか?
「大丈夫、出回ってるわけじゃないよ。これ僕の母さんの個性で作―――」
「個性消滅って...なんで?」
あ、そこか。
「僕は無個性でもヒーローになれるってのを、なんか...やりたいから!」
「...ずいぶんふわふわしてるね☆」
...違う。
本当は、僕と母さんを捨てた父さんを見返したいからだ。それが母さんの望みなら、僕は絶対無個性でヒーローになってやる。
まあ、まだ個性に憧れはあるんだけど。
ちなみにポジロくんは今度は燃えていたらしい。1人で頑張ってたんだなぁ。
「保健室だよ。ペッツお食べ」
「あ、はい」
僕が、お婆さ...リカバリーガールから貰ったペッツを噛み砕いた頃には、やっと視界がはっきりしてきた。
「みんな...」
保健室には、既に1‐A組が勢揃いしていた。もちろん怪我でベッドに寝ている人もいたけど。たしか...デクとか呼ばれてた縮れ髪の...
「○○...目、覚めてよかった」
「‘尾白’くん。まあ僕無個性でバカだけど頑丈さと筋力だけが取り柄だからさ!」
「あ、その話だけどな...お前、敵の死柄木って奴に個性因子打ち込まれて...‘超音波’の個性が発現したんだよ!」
「あー、ごめん、君、誰?」
見たことはあるけど話したことも名前聞いたこともないんだよなー、と思いながら僕は黄色い髪の毛を見つめた。
「俺?上鳴電気!」
カミナリくんか...いや、待てよ。今、‘個性’って―――
「...!それから今何時間経ってる!?」
「何時間?1時間くらいだと思うぜ」
今度は赤髪の人が答えた。1時間...よかった。
「薬!」
僕は粒薬をおもむろにポケットから取り出すと、一気に飲んだ。
「ふう...」
「えっと...色々聞きたいことはあるんやけど、なんなんその薬?」
「レイニチさん...だっけ?これは個性因子を消滅させる薬だよ」
そう告げるとみんなが驚いたような声を出す。あれ?もしやレイニチさんじゃなくてレイジツさんだった?
それともこんな薬が存在することが怖い...とか?
「大丈夫、出回ってるわけじゃないよ。これ僕の母さんの個性で作―――」
「個性消滅って...なんで?」
あ、そこか。
「僕は無個性でもヒーローになれるってのを、なんか...やりたいから!」
「...ずいぶんふわふわしてるね☆」
...違う。
本当は、僕と母さんを捨てた父さんを見返したいからだ。それが母さんの望みなら、僕は絶対無個性でヒーローになってやる。
まあ、まだ個性に憧れはあるんだけど。
ちなみにポジロくんは今度は燃えていたらしい。1人で頑張ってたんだなぁ。
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