二次創作
転生したら愛された件について【sha受け】
〈シャオロンside〉
「ほんまに?」
不機嫌そうに顔をしかめるロボロを「ほんと」と笑って返す。
恐怖心は、見ないふりをして。
俺が高校生だった頃の、未熟な心。
それは、ツギハギだらけで、血だらけで。
黒く光る、怒りと恨みが混じった血。
忘れることができていたのに、アリアのせいで全部全部思い出してしまった。
見ないふりをしても、しっかりと存在感を残した感情は、どこに捨てればいいんだろう。
足取りがおぼつかなくて、倒れかける。
ふらりとした感覚だけが唯一わかったことで、鈍い頭はなにが起きたのかさえ理解できない。
隣にいたロボロに受け止められた。
「ほら、大丈夫やないやん」
耳のすぐ近くで、透き通った綺麗な声。
息が耳にかかって、びくっとする。
「! …っ」
そのせいで余計脱力してしまって、ずる、としゃがみこむ。
ロボロもしゃがんでくれて、頭を優しく撫でられる。
「ぅ、あ……ふ…っ」
訳もなく涙が滲む。
なぜか、ずっとむかしの親友たちに、その姿が重なって。
あのときも、俺が辛いときにあいつが撫でてくれた…。
もう、あの日になくしたはずのぬくもり。
撫で方も、本当にどこまでもあいつに似ている。
「え!? シャオロン…?」
ゾムは慌てたように俺のことを見ている。
そりゃそうよな。
急に隣にいたやつが泣き始めたら。
けど、今はそれに対応することもできない。
「大丈夫だから」
ふわりと抱きしめられる。
さらに涙が止まらなくなって、ロボロの肩に顔を埋める。
この情けない顔を見られないように。
なんだか、眠くなってきた。
「寝てええで」
それを見透かしたみたいにピンポイントでロボロがいう。
撫でられるのがとても心地よくて、意識がどんどん薄れていく。
温かい体温に甘えながら。
〈ロボロside〉
シャオロンが俺の肩に身を埋めて寝た。
なんで泣いてしまったのだろう。
それさえもわからないけど、なんだかその気持ちがわかる気がした。
「さみしい思いさせて、ごめん」
なぜか口をついて出た言葉。
強く抱きしめると、シャオロンの身体がぴくりと震えた。
その無防備な顔がどうしようもなく愛おしくて、思わずキスをする。
「ん…っ」
シャオロンが小さく喘ぎ声を漏らすので、襲われたいん? と思う。
ゾムを一瞥すると、予想通り慌てている。
「ろ、ロボロ、シャオロンどないしよ…?」
おろおろとしているゾムに思わず笑ってしまう。
「なに笑ってんねん!」とぽかぽか殴られたのは仕方ないのかもしれない。
「いったん、部屋に運ぼうか」
ゾムに運んでもらっているシャオロンはまだ時折涙をこぼしている。
痛ましい姿に顔をしかめながら、目尻の涙を拭い取った。
「もしもし」
とんとん、と軽くドアをノックすると、猛スピードでドアが開いた。
ごんっと額にドアがぶつかる。
「いっっっった!」
「あ、ごめんなさい…って、シャオさん…?」
中から出てきたのは、ショッピくんだった。
喧嘩をしたとは言っていたけど、やはり心配だったらしい。
ゾムに横抱きにされたまま寝ているシャオさんに、すぐに駆け寄った。
「これ…」
敵意を示し始めた彼に、ゾムは全力で首を横に振った。
「ちゃうちゃうっ」
「なにがですか? さっさと説明しやがれください」
さっき運んでるときにゾムがシャオロンの首にこっそりキスマ残してたのは言わんほうがええな…。
「あの…一旦部屋はいらん…? シャオロン寝かせな」
気まずいのは承知で声をかけると、ショッピくんは意外にも秒速で頷いた。
「当然です」
このシャオロン至上主義者が。
「ほんまに?」
不機嫌そうに顔をしかめるロボロを「ほんと」と笑って返す。
恐怖心は、見ないふりをして。
俺が高校生だった頃の、未熟な心。
それは、ツギハギだらけで、血だらけで。
黒く光る、怒りと恨みが混じった血。
忘れることができていたのに、アリアのせいで全部全部思い出してしまった。
見ないふりをしても、しっかりと存在感を残した感情は、どこに捨てればいいんだろう。
足取りがおぼつかなくて、倒れかける。
ふらりとした感覚だけが唯一わかったことで、鈍い頭はなにが起きたのかさえ理解できない。
隣にいたロボロに受け止められた。
「ほら、大丈夫やないやん」
耳のすぐ近くで、透き通った綺麗な声。
息が耳にかかって、びくっとする。
「! …っ」
そのせいで余計脱力してしまって、ずる、としゃがみこむ。
ロボロもしゃがんでくれて、頭を優しく撫でられる。
「ぅ、あ……ふ…っ」
訳もなく涙が滲む。
なぜか、ずっとむかしの親友たちに、その姿が重なって。
あのときも、俺が辛いときにあいつが撫でてくれた…。
もう、あの日になくしたはずのぬくもり。
撫で方も、本当にどこまでもあいつに似ている。
「え!? シャオロン…?」
ゾムは慌てたように俺のことを見ている。
そりゃそうよな。
急に隣にいたやつが泣き始めたら。
けど、今はそれに対応することもできない。
「大丈夫だから」
ふわりと抱きしめられる。
さらに涙が止まらなくなって、ロボロの肩に顔を埋める。
この情けない顔を見られないように。
なんだか、眠くなってきた。
「寝てええで」
それを見透かしたみたいにピンポイントでロボロがいう。
撫でられるのがとても心地よくて、意識がどんどん薄れていく。
温かい体温に甘えながら。
〈ロボロside〉
シャオロンが俺の肩に身を埋めて寝た。
なんで泣いてしまったのだろう。
それさえもわからないけど、なんだかその気持ちがわかる気がした。
「さみしい思いさせて、ごめん」
なぜか口をついて出た言葉。
強く抱きしめると、シャオロンの身体がぴくりと震えた。
その無防備な顔がどうしようもなく愛おしくて、思わずキスをする。
「ん…っ」
シャオロンが小さく喘ぎ声を漏らすので、襲われたいん? と思う。
ゾムを一瞥すると、予想通り慌てている。
「ろ、ロボロ、シャオロンどないしよ…?」
おろおろとしているゾムに思わず笑ってしまう。
「なに笑ってんねん!」とぽかぽか殴られたのは仕方ないのかもしれない。
「いったん、部屋に運ぼうか」
ゾムに運んでもらっているシャオロンはまだ時折涙をこぼしている。
痛ましい姿に顔をしかめながら、目尻の涙を拭い取った。
「もしもし」
とんとん、と軽くドアをノックすると、猛スピードでドアが開いた。
ごんっと額にドアがぶつかる。
「いっっっった!」
「あ、ごめんなさい…って、シャオさん…?」
中から出てきたのは、ショッピくんだった。
喧嘩をしたとは言っていたけど、やはり心配だったらしい。
ゾムに横抱きにされたまま寝ているシャオさんに、すぐに駆け寄った。
「これ…」
敵意を示し始めた彼に、ゾムは全力で首を横に振った。
「ちゃうちゃうっ」
「なにがですか? さっさと説明しやがれください」
さっき運んでるときにゾムがシャオロンの首にこっそりキスマ残してたのは言わんほうがええな…。
「あの…一旦部屋はいらん…? シャオロン寝かせな」
気まずいのは承知で声をかけると、ショッピくんは意外にも秒速で頷いた。
「当然です」
このシャオロン至上主義者が。