二次創作
転生したら愛された件について【sha】
〈[太字]シャオロンside[/太字]〉
もう、頭が痛いです。
目の前でニコニコと笑うショッピくんに苛つきさえ覚える。
なんなんや、こいつは…!!
「そろそろ準備します? おふたり来ますよ」
さっきあんなことをしておいて、よぉそんなこといえんな、おい!!
憎しみを込めて睨むも効果はない。
ああ、もう!!
「今日はショッピくんとは遊ばへんからな」
すねたように言ってやると、目に見えて焦るショッピくん。
「え、あ、ごめんなさい…」
素直に謝られても、許す気はない。
今日はふたりとずっと一緒にいるからな。
妙にスッキリした。
今日はなにをして遊ぼうか。
ルンルン気分に戻って、考えていると、ノックの音が聞こえた。
「はーい」
「ロボロです」
「ゾムでーす」
きた!
急いでドアに駆け寄って、開ける。
「やっほぉ」
「どうも〜」
ふたりは慣れた様子で部屋の中に入ってくる。
ソファに座らせて紅茶を出す。
ふたりに合わせてつくっておいた。
「どしたん、ショッピくん静かやん」
いつもなら敵意むき出しで睨んでくるショッピくんが謎に静かなので不思議がっている。
…事の経緯を話すと、ちょっと言えないことがあるので、
「喧嘩中」
と返しておく。
「へえ、喧嘩…?」
にやあ、と布を横にずらしたロボロが笑う。
何企んでんの。
「ふたりじめできるやん」
「ええ? いっつも一緒に居るやん」
面白そうに笑っているゾムに言ってやると
「ショッピくんが妨害してくるから独占できないねん」
と不機嫌に返された。
「なに、妬いてるん?」
「「当然やん」」
いたずら心で言ってやったのに、真剣な顔で返されて固まる。
「、ぇ//」
「今日は俺らに付き合ってな?」
「うん…?//」
なんか距離近くない…?
ぴったり横にくっついて立たせられてびっくりする。
「散歩しよーや」
ふわ、と形のいい顔で微笑まれる。
お前らほんと、そういうとこやで。
ということで、庭園に向かう。
ここの庭園はバラが咲き誇っていて、生け垣のようになっている。
始めてくる人はたぶん迷う。
迷路だから、まじで。(実体験)
何回かここに来ているロボロとゾムは迷いなく歩けるだろうけど、俺はただでさえ方向音痴だから、未だに迷う。
城の中でさえ迷うから!!
ショッピくんについてきてもらってなんとか…。
そう考えて、ショッピくんのことを考えた自分に困惑する。
喧嘩中だったんだっけ。
「シャオロン?」
「! なんでもないで」
ちょっとだけ上の空だったのをごまかす。
「そお?」
まだ訝しげなゾムを笑って返す。
「…あれ?」
生け垣を曲がったとき。
「え、あ」
心臓が、どくん、となる。
思わずこぼれた困惑の言葉。
「ごめんなさい、あの」
高いソプラノの声。
「迷ってしまって。助けてもらえませんか…」
ヒロインだった。
名前はアリア・グリフィン。
金髪の髪に、青い目。
グリフィン家のご令嬢。
世の男どもはみんな一瞬で惚れてしまうんだろうな。
整った可愛らしい顔。
あの漫画は大好きだったけど、この主人公だけはどうしても好きになりきれなかった。
なぜだろう。
たぶんそれは、攻略対象のほうが魅力的だったから。
そう思っていたけど。
今やっと理解した。
[下線][太字]アイツ[/太字][/下線]に、似ていたからだ。
ザザッとノイズが走るように蘇ってくる、あの忌々しい記憶。
===============================
高校生の時だったと思う。
「はじめまして、梅園アリスといいます」
外国人のハーフだろうな、と他人事のように思う。
腰辺りまである金髪に、蒼い瞳。
きれいな顔立ち。
にこりと笑うと愛嬌のある雰囲気。
でも俺は可愛いな、とか好きだな、という感情は一切わかない。
転校生に対して冷めすぎてはいないかなと他人事のように考えていた。
かかわらないことが一番。
なんとなく、この子とは合う気がしなくて、ほっておこうと思う。
でも。
鋭く光った眼を、俺は見逃していた。
「は?」
机の上に書かれた罵詈雑言。
クラス中の軽蔑の目。
その中心で女子たちに慰めてもらっている、アリス。
「なん、は?」
「最低!」
女子の一人が発した甲高い声。
「シャオちゃん、さすがに女の子泣かすのは笑えないわ」
「シャオさん、そんなやつやったんやな」
「今まで付き合ってたん、馬鹿らしいわ」
「話しかけてこないでくださいね」
「え…?」
昨日まで楽しく笑い合っていた親友たち。
どうやら、俺がアリスを殴ったり切ったりしていた、という旨をアリスが言いふらしていたらしい。
眼の前が真っ暗になった。
そんなこと、一度たりともしていない。
俺がお前に、なにをした?
なんで、お前は俺から奪うんだ?
外は、雨だった。
===============================
それから、人付き合いがめんどくさくなって、「明るくていいやつ」を偽り続けて数十年。
大人になってもそのくせは抜けなくて、逃げるように求めたのは死だった。
死にたくても死にきれなくて、ぼんやりしていたところを車にはねられたんだっけ。
走馬灯のように思い出して、眼の前のアリアを見つめる。
こいつは悪くない。
でも。
こっちのシャオロンも、アリアになにかをされていて、本当はシャオロンは何もしていないのに、噂と捏造ばかりが広がっていて。
アリアの手のひらで踊らされていたとしたら。
[大文字]本当に、吐き気がする。[/大文字]
そうなったらきっと俺は自殺を選ぶ。
せっかく転生したんだ、前世でやりきれなかったこと、やってしまおう。
そうおもうだろうな。
コイツラが、ロボロたちが。
手のひらを返したら、そのときは本物の悪役になってやるよ。
じわり、手が汗ばむ。
「アリアよな…?」
「はいっ、ゾムさんですよね?」
よかった、とアリアは笑う。
親戚なんだ、会っていて、顔を知っていてもおかしくはない。
ゾムがすでにアリアを好きでも、それは同じ。
「えっと、ろぼろさんですよね…? 案内してもらえませんか」
アリアはにこりとロボロに微笑む。
知っていたのか。アリアはロボロのこと。
仕組んでいたってこと?
やっぱり、そうなの…?
こっちも、あっちの俺の世界も。
ロボロから発された言葉。
「[太字]使用人呼ぶから、そいつについていってください[/太字]」
[太字][大文字]え。[/大文字][/太字]
原作では、ロボロとアリアがここで出会ったとき、『じゃあ、エスコートしますよ』と微笑むのに。
なんで、それを発さなかった?
「え。あ、はい、ありがとうございます…」
アリアは困惑した顔でゾムを見上げる。
「じゃーな、アリア」
ゾムもどこか冷えた目で手を振る。
「いこ、シャオロン」
ロボロが、手を引っ張る。
「え、ちょっ」
「アリアなら、俺の執事ついてるから大丈夫やで」
後ろを見ると、困惑した顔でゾムの執事らしき人に案内されているアリア。
俺の視線に気づいたのか、こちらを見てわずかに顔をしかめる。
びくりとする。
アリスそっくりだった。
「シャオさん?」
不思議そうに顔を覗き込んできたロボロに対応さえできない。
怖い。
「ん」
浮遊感。
はっとして上を見ると、ゾムが、俺のことを持ち上げていた。
しかも、お姫様抱っこ。
「えっ…」
「どうしたん」
不思議そうな顔のゾムに、そのままその言葉を突き返したい。
「…ありがと。もう大丈夫やから」
おろしてもらうと、アリアたちの場所からだいぶ離れていた。
アリアたちの背は見えない。
すごく安心する。
「ほんまに?」
不機嫌そうに顔をしかめるロボロを「ほんと」と笑って返す。
恐怖心は、見ないふりをして。
もう、頭が痛いです。
目の前でニコニコと笑うショッピくんに苛つきさえ覚える。
なんなんや、こいつは…!!
「そろそろ準備します? おふたり来ますよ」
さっきあんなことをしておいて、よぉそんなこといえんな、おい!!
憎しみを込めて睨むも効果はない。
ああ、もう!!
「今日はショッピくんとは遊ばへんからな」
すねたように言ってやると、目に見えて焦るショッピくん。
「え、あ、ごめんなさい…」
素直に謝られても、許す気はない。
今日はふたりとずっと一緒にいるからな。
妙にスッキリした。
今日はなにをして遊ぼうか。
ルンルン気分に戻って、考えていると、ノックの音が聞こえた。
「はーい」
「ロボロです」
「ゾムでーす」
きた!
急いでドアに駆け寄って、開ける。
「やっほぉ」
「どうも〜」
ふたりは慣れた様子で部屋の中に入ってくる。
ソファに座らせて紅茶を出す。
ふたりに合わせてつくっておいた。
「どしたん、ショッピくん静かやん」
いつもなら敵意むき出しで睨んでくるショッピくんが謎に静かなので不思議がっている。
…事の経緯を話すと、ちょっと言えないことがあるので、
「喧嘩中」
と返しておく。
「へえ、喧嘩…?」
にやあ、と布を横にずらしたロボロが笑う。
何企んでんの。
「ふたりじめできるやん」
「ええ? いっつも一緒に居るやん」
面白そうに笑っているゾムに言ってやると
「ショッピくんが妨害してくるから独占できないねん」
と不機嫌に返された。
「なに、妬いてるん?」
「「当然やん」」
いたずら心で言ってやったのに、真剣な顔で返されて固まる。
「、ぇ//」
「今日は俺らに付き合ってな?」
「うん…?//」
なんか距離近くない…?
ぴったり横にくっついて立たせられてびっくりする。
「散歩しよーや」
ふわ、と形のいい顔で微笑まれる。
お前らほんと、そういうとこやで。
ということで、庭園に向かう。
ここの庭園はバラが咲き誇っていて、生け垣のようになっている。
始めてくる人はたぶん迷う。
迷路だから、まじで。(実体験)
何回かここに来ているロボロとゾムは迷いなく歩けるだろうけど、俺はただでさえ方向音痴だから、未だに迷う。
城の中でさえ迷うから!!
ショッピくんについてきてもらってなんとか…。
そう考えて、ショッピくんのことを考えた自分に困惑する。
喧嘩中だったんだっけ。
「シャオロン?」
「! なんでもないで」
ちょっとだけ上の空だったのをごまかす。
「そお?」
まだ訝しげなゾムを笑って返す。
「…あれ?」
生け垣を曲がったとき。
「え、あ」
心臓が、どくん、となる。
思わずこぼれた困惑の言葉。
「ごめんなさい、あの」
高いソプラノの声。
「迷ってしまって。助けてもらえませんか…」
ヒロインだった。
名前はアリア・グリフィン。
金髪の髪に、青い目。
グリフィン家のご令嬢。
世の男どもはみんな一瞬で惚れてしまうんだろうな。
整った可愛らしい顔。
あの漫画は大好きだったけど、この主人公だけはどうしても好きになりきれなかった。
なぜだろう。
たぶんそれは、攻略対象のほうが魅力的だったから。
そう思っていたけど。
今やっと理解した。
[下線][太字]アイツ[/太字][/下線]に、似ていたからだ。
ザザッとノイズが走るように蘇ってくる、あの忌々しい記憶。
===============================
高校生の時だったと思う。
「はじめまして、梅園アリスといいます」
外国人のハーフだろうな、と他人事のように思う。
腰辺りまである金髪に、蒼い瞳。
きれいな顔立ち。
にこりと笑うと愛嬌のある雰囲気。
でも俺は可愛いな、とか好きだな、という感情は一切わかない。
転校生に対して冷めすぎてはいないかなと他人事のように考えていた。
かかわらないことが一番。
なんとなく、この子とは合う気がしなくて、ほっておこうと思う。
でも。
鋭く光った眼を、俺は見逃していた。
「は?」
机の上に書かれた罵詈雑言。
クラス中の軽蔑の目。
その中心で女子たちに慰めてもらっている、アリス。
「なん、は?」
「最低!」
女子の一人が発した甲高い声。
「シャオちゃん、さすがに女の子泣かすのは笑えないわ」
「シャオさん、そんなやつやったんやな」
「今まで付き合ってたん、馬鹿らしいわ」
「話しかけてこないでくださいね」
「え…?」
昨日まで楽しく笑い合っていた親友たち。
どうやら、俺がアリスを殴ったり切ったりしていた、という旨をアリスが言いふらしていたらしい。
眼の前が真っ暗になった。
そんなこと、一度たりともしていない。
俺がお前に、なにをした?
なんで、お前は俺から奪うんだ?
外は、雨だった。
===============================
それから、人付き合いがめんどくさくなって、「明るくていいやつ」を偽り続けて数十年。
大人になってもそのくせは抜けなくて、逃げるように求めたのは死だった。
死にたくても死にきれなくて、ぼんやりしていたところを車にはねられたんだっけ。
走馬灯のように思い出して、眼の前のアリアを見つめる。
こいつは悪くない。
でも。
こっちのシャオロンも、アリアになにかをされていて、本当はシャオロンは何もしていないのに、噂と捏造ばかりが広がっていて。
アリアの手のひらで踊らされていたとしたら。
[大文字]本当に、吐き気がする。[/大文字]
そうなったらきっと俺は自殺を選ぶ。
せっかく転生したんだ、前世でやりきれなかったこと、やってしまおう。
そうおもうだろうな。
コイツラが、ロボロたちが。
手のひらを返したら、そのときは本物の悪役になってやるよ。
じわり、手が汗ばむ。
「アリアよな…?」
「はいっ、ゾムさんですよね?」
よかった、とアリアは笑う。
親戚なんだ、会っていて、顔を知っていてもおかしくはない。
ゾムがすでにアリアを好きでも、それは同じ。
「えっと、ろぼろさんですよね…? 案内してもらえませんか」
アリアはにこりとロボロに微笑む。
知っていたのか。アリアはロボロのこと。
仕組んでいたってこと?
やっぱり、そうなの…?
こっちも、あっちの俺の世界も。
ロボロから発された言葉。
「[太字]使用人呼ぶから、そいつについていってください[/太字]」
[太字][大文字]え。[/大文字][/太字]
原作では、ロボロとアリアがここで出会ったとき、『じゃあ、エスコートしますよ』と微笑むのに。
なんで、それを発さなかった?
「え。あ、はい、ありがとうございます…」
アリアは困惑した顔でゾムを見上げる。
「じゃーな、アリア」
ゾムもどこか冷えた目で手を振る。
「いこ、シャオロン」
ロボロが、手を引っ張る。
「え、ちょっ」
「アリアなら、俺の執事ついてるから大丈夫やで」
後ろを見ると、困惑した顔でゾムの執事らしき人に案内されているアリア。
俺の視線に気づいたのか、こちらを見てわずかに顔をしかめる。
びくりとする。
アリスそっくりだった。
「シャオさん?」
不思議そうに顔を覗き込んできたロボロに対応さえできない。
怖い。
「ん」
浮遊感。
はっとして上を見ると、ゾムが、俺のことを持ち上げていた。
しかも、お姫様抱っこ。
「えっ…」
「どうしたん」
不思議そうな顔のゾムに、そのままその言葉を突き返したい。
「…ありがと。もう大丈夫やから」
おろしてもらうと、アリアたちの場所からだいぶ離れていた。
アリアたちの背は見えない。
すごく安心する。
「ほんまに?」
不機嫌そうに顔をしかめるロボロを「ほんと」と笑って返す。
恐怖心は、見ないふりをして。