[君は今、何をしているの?]〜お人好しな僕はずぶ濡れの少女を救っただけなのに〜
「そろそろ帰るか」
「ああ、そうだな」
2時間くらいショッピンモールをプラプラした。ファミレスの後、僕たちはゲーセンに行って時間を潰した。
「いや〜しっかし限定フィギュアが一発で取れるなんて」
笹野がデレデレになって眺めているフィギュアは、最近流行ってるゲームの、ミィ・ノノンって言う女性キャラ。
「俺は一生この子を推すんだ!まさに理想の彼女って感じだ!」
「顔はいいのに中身がこれだからな…」
「ん?なんか言ったか?」
「いいや、なんでもない。はやく行こう」
ゲーセンを出て出口へ向かう。
「久留間は、全然取れなかったな〜」
「うるさい!気にしてんだよ!」
僕が欲しかったのは笹野とは関係ないアニメキャラ、『異世界で恋してみた』に出てくるヒロインの青菜鈴音。
クールな一面に、たまに見せるデレと天然がギャップ萌えでビビっときた。
「次は取ってやるかな…」
「あのキャラ、どことなく生徒会長に似てるよな」
「おい、おい、やめてくれよ笹野…全くの別人だろ?」
「そうかな…この目と、黒髪にロングってめちゃくちゃ似てないか?」
まあ、そう言われると似てるようにも見えなくもない…いや、全然違う!!
美奈会長はクールではない…なんと言うか…なんだろう?
「まあともかく、似てない」
「はいはい…」
「ん?あれって」
「おん?どした?」
僕らの数メートル先にはあの生徒会長がいた。
なにやら小さな女の子と話している…5歳くらいの女の子は泣きながらも先輩に話している。
「おい、久留間あれって見るからに」
「迷子だろうな…」
あのまま放っておくのもいいんだけどな。
「笹野、先帰ってていいよ」
「はあ、そうだろうと思ったぜ…これだからお人好しは…じゃあ頑張れよ」
「すまん」
笹野を見送ってから美奈会長のいるとこまで走る。
「ぅええん…お母さんどこおお」
「あ、え…えーっと…大丈夫だから、落ち着こう?」
泣き叫び女の子にアワアワと慌て、先輩は顔がウニョウニョしている。
「さあ、どうしたのかな?お嬢さん。僕が助けてあげよう」
「ふぇ?」
「え?」
泣くのをやめる女の子と裏腹に会長…そんな顔で見ないでくだい…僕も恥ずかしいですよ。
今僕が何をしているか…クレーンゲームで妹ように取ったクマのぬいぐるみで話かけている。
はずかしい…
「久留間くん…?」
「人違いです」
美奈会長、何もいわないで…
「いや、隠し通すのは無理があるよ」
笑顔で見てくる美奈会長をスルーしながら僕は女の子に声をかける。
「さてと、この素敵なお嬢さんは何があったのかな?」
「お、お母さんとはぐれちゃった…」
もっていたハンカチで涙を拭ってあげながら、ふたたび話しかける。
「そっか…じゃあお兄さんたちと探そっか」
「うん…」
「久留間君…」
「会長、行きますよ」
女の子と手を繋ぎ、ショッピンモールを歩き始める僕ら。
「君は名前なんて言うのかな?」
「つむぎ…」
「つむぎちゃんか〜いい名前だね。僕はりんたって言うよよろしくね?」
「う、うん」
小さな声だが、少しずつ落ち着いてきたようだ。
「久留間君が来てくれてよかったよ…」
つむぎちゃんの反対側で手を繋ぐ美奈会長が安堵する。
「会長ってお人好しなんですね」
「君が人に言えることではないだろう?」
「むっ…」
確かにそうだ…でも困っている人を助けるのが普通だ…
「それに、私は小さい子が好きなんだ。可愛くて、小さくて、守りたいって思うんだ」
会長のその気持ちは女性の母性本能って言うやつだろうか?でも、なんだかそれとは他の理由が感じられるんだよな。
「りんた兄ちゃんとお姉ちゃんは付き合ってるの?」
「「え?」」
会長と声が重なる。唐突すぎて会長も僕も硬直する。
「まさかそんなわけないよこんな変な人と僕は恋人なんてありえないよ」
「久留間君!?なんてこと言うんだ!まだ小さな子に何を言ってるの!?」
僕の言葉に反対する会長。でも、事実だからね?
「あはははは」
すっかり元気になって、笑えるようになってきたつむぎちゃん。
(なんか、ちょっと子持ちの夫婦みたいだな…)
いや、いや、そんなことは考えるな…今はつむぎちゃんの親を探さないと…!
邪念と戦う僕であった…
「ああ、そうだな」
2時間くらいショッピンモールをプラプラした。ファミレスの後、僕たちはゲーセンに行って時間を潰した。
「いや〜しっかし限定フィギュアが一発で取れるなんて」
笹野がデレデレになって眺めているフィギュアは、最近流行ってるゲームの、ミィ・ノノンって言う女性キャラ。
「俺は一生この子を推すんだ!まさに理想の彼女って感じだ!」
「顔はいいのに中身がこれだからな…」
「ん?なんか言ったか?」
「いいや、なんでもない。はやく行こう」
ゲーセンを出て出口へ向かう。
「久留間は、全然取れなかったな〜」
「うるさい!気にしてんだよ!」
僕が欲しかったのは笹野とは関係ないアニメキャラ、『異世界で恋してみた』に出てくるヒロインの青菜鈴音。
クールな一面に、たまに見せるデレと天然がギャップ萌えでビビっときた。
「次は取ってやるかな…」
「あのキャラ、どことなく生徒会長に似てるよな」
「おい、おい、やめてくれよ笹野…全くの別人だろ?」
「そうかな…この目と、黒髪にロングってめちゃくちゃ似てないか?」
まあ、そう言われると似てるようにも見えなくもない…いや、全然違う!!
美奈会長はクールではない…なんと言うか…なんだろう?
「まあともかく、似てない」
「はいはい…」
「ん?あれって」
「おん?どした?」
僕らの数メートル先にはあの生徒会長がいた。
なにやら小さな女の子と話している…5歳くらいの女の子は泣きながらも先輩に話している。
「おい、久留間あれって見るからに」
「迷子だろうな…」
あのまま放っておくのもいいんだけどな。
「笹野、先帰ってていいよ」
「はあ、そうだろうと思ったぜ…これだからお人好しは…じゃあ頑張れよ」
「すまん」
笹野を見送ってから美奈会長のいるとこまで走る。
「ぅええん…お母さんどこおお」
「あ、え…えーっと…大丈夫だから、落ち着こう?」
泣き叫び女の子にアワアワと慌て、先輩は顔がウニョウニョしている。
「さあ、どうしたのかな?お嬢さん。僕が助けてあげよう」
「ふぇ?」
「え?」
泣くのをやめる女の子と裏腹に会長…そんな顔で見ないでくだい…僕も恥ずかしいですよ。
今僕が何をしているか…クレーンゲームで妹ように取ったクマのぬいぐるみで話かけている。
はずかしい…
「久留間くん…?」
「人違いです」
美奈会長、何もいわないで…
「いや、隠し通すのは無理があるよ」
笑顔で見てくる美奈会長をスルーしながら僕は女の子に声をかける。
「さてと、この素敵なお嬢さんは何があったのかな?」
「お、お母さんとはぐれちゃった…」
もっていたハンカチで涙を拭ってあげながら、ふたたび話しかける。
「そっか…じゃあお兄さんたちと探そっか」
「うん…」
「久留間君…」
「会長、行きますよ」
女の子と手を繋ぎ、ショッピンモールを歩き始める僕ら。
「君は名前なんて言うのかな?」
「つむぎ…」
「つむぎちゃんか〜いい名前だね。僕はりんたって言うよよろしくね?」
「う、うん」
小さな声だが、少しずつ落ち着いてきたようだ。
「久留間君が来てくれてよかったよ…」
つむぎちゃんの反対側で手を繋ぐ美奈会長が安堵する。
「会長ってお人好しなんですね」
「君が人に言えることではないだろう?」
「むっ…」
確かにそうだ…でも困っている人を助けるのが普通だ…
「それに、私は小さい子が好きなんだ。可愛くて、小さくて、守りたいって思うんだ」
会長のその気持ちは女性の母性本能って言うやつだろうか?でも、なんだかそれとは他の理由が感じられるんだよな。
「りんた兄ちゃんとお姉ちゃんは付き合ってるの?」
「「え?」」
会長と声が重なる。唐突すぎて会長も僕も硬直する。
「まさかそんなわけないよこんな変な人と僕は恋人なんてありえないよ」
「久留間君!?なんてこと言うんだ!まだ小さな子に何を言ってるの!?」
僕の言葉に反対する会長。でも、事実だからね?
「あはははは」
すっかり元気になって、笑えるようになってきたつむぎちゃん。
(なんか、ちょっと子持ちの夫婦みたいだな…)
いや、いや、そんなことは考えるな…今はつむぎちゃんの親を探さないと…!
邪念と戦う僕であった…
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