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俺の幼馴染みが勇者ってマジかよ

#11


「ああ、てっきり佐藤か誰かのイタズラかと思ったんだが……」
 俺は、自室の机の上にあるくしゃくしゃの貼り紙を思い出す。後で佐藤の野郎をとっちめてやろうと思っていたんだがなあ……。
「えくちゃんのお手紙にはなんて書いてあったの?」
 来天が気になる気になる~と俺に聞いてくる。
「ご主人まだ~? だったな」
「はーい! ご主人でーす!」
 来天がえくすかりばあを天に向かって掲げる。先端がキラリと光ってら。
「ラーテはえくすかりばあに選ばれたすんごい娘なんだロン!」
「選ばれた?」
 ロンマカがはすはすと興奮したように言うのを俺は聞いて、疑問を持った。
「うん、そだよ! 私、この世界で勇者やってるんだ!」
「…………」
 あれ? ここゲームの世界だっけ? いや、違う現実、じゃなくて異世界? やべ、混乱してきた。
「大丈夫ロン? 頭マカロン?」
 ちょっと黙ろうかろん? ええと……。
「勇者? お前が?」
「そう! モンスターさんをぎったんばっこんしてるの!」
 いや、モンスターさんって。ぎったんばっこんって。
「その剣で?」
「そうだロン! 特殊効果でモンスターはうぎゃーって感じだロン!」
 う~ん。マジか~。
「普通そういうのって、村人の少年とかが引っこ抜いたりとかすんじゃねえの?」
「チッチッチッだロン」
 ロンマカは短い手をふりふりする。
「えくすかりばあは可愛い女の子が好きなんだロン。さらに強さ、タフさも必要だロン。その上で適性のある者が選ばれるんだロン!」
「つまりそれが来天だったってことか」
「そうだロン!」
「うし、とりあえずお前は締める」
 俺はロンマカの首の辺りをガシッと掴んだ。
「ぐええだロン!」
 ロンマカが目をバッテンにして舌を出す。
「わわっ、ゆっきー、何しちゃってるの!?」
 来天はありゃまっ! っといった感じで俺の拘束を緩めた。
「いや、こいつだろ? お前を危険な目に遭わせた元凶は?」
 俺の幼馴染みに何していやがるこのマカロン。
「ゆ、ゆっきー……」
 来天は若干頬を染めて、困った顔をする。
「ゲホゲホだロン。は、早とちりだロン。ラーテは自らの意思で勇者になったんだロン!」
 ロンマカは咳き込みながらそう言った。
「そうなのか? んじゃあとりあえず話聞かせてくれや」
「オッケーだロン! あそこの町にある店でお話だロン! レッツゴーだロン~」
 まあ、悪いマカロンじゃなさそうだな。俺と来天はぷかぷか浮かぶロンマカの後についていった。勇者、ねぇ……。

作者メッセージ

アミュストラの町へレッツゴー! ロンロン~。また次回だロン~。

2025/08/23 17:25

トモットモ ID:≫ 30s.HogZGXvjI
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