おほほですわ
ワンは学院内を縦横無尽に駆け回る。常人には目に追えないスピードで柱の陰に忍び込んだ。さっとスマホで学院内のマップを開く。
「このルートを使うか」
ワンは風を置いてけぼりにするくらいの俊敏さで動く。すると――
「おーーーーーーほっほっほ!」
いた。ターゲット確認。ご学友だろうか、3人横に並ぶ中、真ん中に位置して高らかに声を上げるお嬢様。
「高飛車瑚……」
車瑚は、デコ団扇とデコ扇子をババッ! と口元に引き寄せる。
「私にかかれば、空を飛ぶことなど余裕のよっちゃんなのですわ~~!」
「さすがですわ~~!」
右隣にいるお嬢様がウンウンと頷く。
「私にかかれば、あのような輩などけちょんけちょんなのですわ~~!」
「一網打尽でしたわ~~!」
左隣にいるお嬢様がキラキラと目を輝かせる。
一網打尽だと? ワンは末恐ろしいと思った。これは早急に対処する必要がある。しかし……。
「高飛様。本日の授業は小テストがございますのよ」「おーーほっほっほ! 造作もないですわ~~!」
「高飛様。ここの近くに新しいスイーツのお店がございますわ~~」
「おーーほっほっほ! お目が高くてよろしくてよ。
早速チェックですわ~~!」
お嬢様たちはスマホ操作したり、あちこち指差したりしてきゃぴきゃぴしている。いい光景だ。
「…………」
そんなお嬢様たちの様子を冷静に観察するワン。
やがてポツリと一言零す。
「隙がないな」
ワンは戦慄していた。こんな経験は久方ぶりだった。
ワンの作戦としてはターゲットに気付かれずに接近して、異能力だけを回収して、何事もなくその場を後にするつもりだったが……。
「何だ……この、凄まじい程の索敵スキルは」
面白い。ニヤリと小さく、ワンは笑った。
「ならば、正面突破するまでだ」
シンプルでいい。ワンは、そのままお嬢様たちの尾行を続けた。
「このルートを使うか」
ワンは風を置いてけぼりにするくらいの俊敏さで動く。すると――
「おーーーーーーほっほっほ!」
いた。ターゲット確認。ご学友だろうか、3人横に並ぶ中、真ん中に位置して高らかに声を上げるお嬢様。
「高飛車瑚……」
車瑚は、デコ団扇とデコ扇子をババッ! と口元に引き寄せる。
「私にかかれば、空を飛ぶことなど余裕のよっちゃんなのですわ~~!」
「さすがですわ~~!」
右隣にいるお嬢様がウンウンと頷く。
「私にかかれば、あのような輩などけちょんけちょんなのですわ~~!」
「一網打尽でしたわ~~!」
左隣にいるお嬢様がキラキラと目を輝かせる。
一網打尽だと? ワンは末恐ろしいと思った。これは早急に対処する必要がある。しかし……。
「高飛様。本日の授業は小テストがございますのよ」「おーーほっほっほ! 造作もないですわ~~!」
「高飛様。ここの近くに新しいスイーツのお店がございますわ~~」
「おーーほっほっほ! お目が高くてよろしくてよ。
早速チェックですわ~~!」
お嬢様たちはスマホ操作したり、あちこち指差したりしてきゃぴきゃぴしている。いい光景だ。
「…………」
そんなお嬢様たちの様子を冷静に観察するワン。
やがてポツリと一言零す。
「隙がないな」
ワンは戦慄していた。こんな経験は久方ぶりだった。
ワンの作戦としてはターゲットに気付かれずに接近して、異能力だけを回収して、何事もなくその場を後にするつもりだったが……。
「何だ……この、凄まじい程の索敵スキルは」
面白い。ニヤリと小さく、ワンは笑った。
「ならば、正面突破するまでだ」
シンプルでいい。ワンは、そのままお嬢様たちの尾行を続けた。
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