隣の席の赤新さん
キーンコーンカーンコーン。授業終了のチャイムが鳴った。放課後だ。
「待ちに待った~~アフタースクール~~待ちに待った~~アフタースクール~~オーイエ~~♪」
隣の席から謎の歌が小さく聞こえてきた。言うまでもなく歌っているのは赤新さんだ。ビブラートが上手い。
「あ、あの、赤新さん」
「どうしたの? オーディエンス吉川君」
観客でした僕。
「いや、その、歌上手だね」
僕は何の気なしにそう宣う。観客として感想を言わされているのかもしれない。
「ほむほむ。よく歌っているからねん。上手に聞こえたなら何より」
いや本当に上手だと思う。ただいかんせん声が小さすぎる。凄く綺麗な声なのに勿体ないな、と率直に思った。
「これから帰るの?」
僕がそう聞くと、赤新さんはふるふると首を横に振った。
「んにゃ。これから図書室に行きまする」
えっ、と僕は思った。
「あ、僕もそうなんだけど……」
赤新さんは僕の方にクルッと向いて、
「じゃあ、一緒に行く?」
と言ってきた。僕はもちろん了承した。
僕と赤新さんは教室を出て図書室へと向かう。図書室に向かいがてら僕はふと気付いた。
「あれ? 何かいい匂いする……」
「おや、気付いてしまったかい?」
赤新さんは、フフフと意味ありげに笑い、バックから紙袋をチラ見せしてきた。それって……!
「クッキー焼いたんだよね~~。吉川君も食べる?」
「え? いいの?」
「うん。図書室で紅茶淹れるから一緒に食べよ~~」
ウチの学校の図書室は飲食OKなスペースがある。
「そ、そうなんだ……じゃあお言葉に甘えて」
僕と赤新さんの放課後ティータイムが幕を開けようとしていた。
「待ちに待った~~アフタースクール~~待ちに待った~~アフタースクール~~オーイエ~~♪」
隣の席から謎の歌が小さく聞こえてきた。言うまでもなく歌っているのは赤新さんだ。ビブラートが上手い。
「あ、あの、赤新さん」
「どうしたの? オーディエンス吉川君」
観客でした僕。
「いや、その、歌上手だね」
僕は何の気なしにそう宣う。観客として感想を言わされているのかもしれない。
「ほむほむ。よく歌っているからねん。上手に聞こえたなら何より」
いや本当に上手だと思う。ただいかんせん声が小さすぎる。凄く綺麗な声なのに勿体ないな、と率直に思った。
「これから帰るの?」
僕がそう聞くと、赤新さんはふるふると首を横に振った。
「んにゃ。これから図書室に行きまする」
えっ、と僕は思った。
「あ、僕もそうなんだけど……」
赤新さんは僕の方にクルッと向いて、
「じゃあ、一緒に行く?」
と言ってきた。僕はもちろん了承した。
僕と赤新さんは教室を出て図書室へと向かう。図書室に向かいがてら僕はふと気付いた。
「あれ? 何かいい匂いする……」
「おや、気付いてしまったかい?」
赤新さんは、フフフと意味ありげに笑い、バックから紙袋をチラ見せしてきた。それって……!
「クッキー焼いたんだよね~~。吉川君も食べる?」
「え? いいの?」
「うん。図書室で紅茶淹れるから一緒に食べよ~~」
ウチの学校の図書室は飲食OKなスペースがある。
「そ、そうなんだ……じゃあお言葉に甘えて」
僕と赤新さんの放課後ティータイムが幕を開けようとしていた。
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