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隣の席の赤新さん

#3


 これはびっくりだ。
 まさか赤新さんも寝たふりをしているとは……。
「あ、あの……」
「…………」
 だめだこりゃ。うんともすんとも言わない。
 僕は気まずくなって頬に1つ汗を垂らす。
「吉川君」
「えっ、あっ、はい!」
 急に呼ばれて僕は背筋をピーーーーーーン! と伸ばした。
「……私、変かな?」
「は、はい?」 
 突然何を言い出すんだ赤新さんは。
「やっぱり……変、だよね」
 赤新さんは心なしかシュンとしている。僕はちょいと首を傾げる。
「ちょっと変なのって……変なのかな?」
 僕は、ポツリとそう零した。
「…………」
 赤新さんは、少し目を見開いて僕のことを見つめる。そんな状態が数秒間続いた。
「あ、えーーっと……僕の顔に何かついてる?」
 いたたまれなくなり、ついそう訊いた。
「う、ううん! 何にも! ただ少し……意外だったから」
「意外?」
 何が意外なのだろう……。
「まさか……変を……しな……て……」
 ブツブツと赤新さんが何か言っているようだったけれど、声が小さすぎて途切れ途切れにしか聞こえなかった。
 キーンコーンカーンコーン。予鈴がなった。間もなく授業が始まる。

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

赤新さんなんて言っていたんだろう……。後々に分かりますね。次もまたよろしくお願いします。

2024/10/27 19:16

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