隣の席の赤新さん
「文芸部って新聞部と結構近いよね」
文芸部の部室にて、赤新さんがふとそう零す。
「そうだね。活動内容も被ってるところもあるかも」
色々と調べ、それを活字にしている所とか。まあ、こちらは虚構で向こうは事実という点は大きな違いかな。
「カリカリ」
赤新さんはせっせと紙に記事を作成している。僕と同じアナログで。デジタルもまたいい。それぞれの良さがある。
「サクサク」
なんだかこう聞いていると、原稿書いているのか、お菓子食べているのかどっちなんだろうと思ってしまう。
「カリカリサクサクウマウマ」
正解はどっちもだ。赤新さんは持参していたスナック菓子を食べながら記事を書いている。器用だなあ。
「あっ、と」
ちょっと誤字った。僕は消しゴムで字を消して修正する。普段の授業では板書するのに追われて、内容が頭に入ってなかったりすることもザラなんだけど復習する時にも綺麗にノートを取っていれば、もう1度勉強する気にもなるのかもしれない。まあ、そりゃ人によるだろうけど。
僕がつらつらとそんなことを考えていると赤新さんがピタリと手を止めた。
「あり? もうなくなっちった」
袋の中に手を入れ、ありゃま~な顔をしている。また可愛いな。というかペース早くない? 書きながらだよね?
赤新さんは物を食べながら書くと集中出来るタイプなんだろうか? ふと僕はそう思った。
「あ、よかったら」
僕は制服のポケットからガムを取り出す。
「食べる?」
「かたじけない」
食べるんだ。迷いがなかった。それもまたいいよね。
「赤新さんの書いた新聞って掲示されていたかな?」
僕はふとそう思って呟いた。赤新さんはピタッと手を止める。
「んにゃ。あまり掲示はしておりませぬ」
赤新さんは鼻の下と唇の上にペンを挟みつつ首を振る。器用だなあ。
「そうなんだ。どうして?」
「……ぱずかしいから」
ぱずかしいとは? 恥ずかしいと言うことも恥ずかしいのだろうか。
「そんなぱずかしがることないと思うけど」
「ほんとに?」
赤新さんは、ちらりんと僕を見る。
「うん」
「……そっか」
僕がすぐさま頷くと、赤新さんはガムの包み紙をゆっくりと開く。
「遂に開示する時が来たか……」
赤新さんは決意の秘めた瞳をしていた。
文芸部の部室にて、赤新さんがふとそう零す。
「そうだね。活動内容も被ってるところもあるかも」
色々と調べ、それを活字にしている所とか。まあ、こちらは虚構で向こうは事実という点は大きな違いかな。
「カリカリ」
赤新さんはせっせと紙に記事を作成している。僕と同じアナログで。デジタルもまたいい。それぞれの良さがある。
「サクサク」
なんだかこう聞いていると、原稿書いているのか、お菓子食べているのかどっちなんだろうと思ってしまう。
「カリカリサクサクウマウマ」
正解はどっちもだ。赤新さんは持参していたスナック菓子を食べながら記事を書いている。器用だなあ。
「あっ、と」
ちょっと誤字った。僕は消しゴムで字を消して修正する。普段の授業では板書するのに追われて、内容が頭に入ってなかったりすることもザラなんだけど復習する時にも綺麗にノートを取っていれば、もう1度勉強する気にもなるのかもしれない。まあ、そりゃ人によるだろうけど。
僕がつらつらとそんなことを考えていると赤新さんがピタリと手を止めた。
「あり? もうなくなっちった」
袋の中に手を入れ、ありゃま~な顔をしている。また可愛いな。というかペース早くない? 書きながらだよね?
赤新さんは物を食べながら書くと集中出来るタイプなんだろうか? ふと僕はそう思った。
「あ、よかったら」
僕は制服のポケットからガムを取り出す。
「食べる?」
「かたじけない」
食べるんだ。迷いがなかった。それもまたいいよね。
「赤新さんの書いた新聞って掲示されていたかな?」
僕はふとそう思って呟いた。赤新さんはピタッと手を止める。
「んにゃ。あまり掲示はしておりませぬ」
赤新さんは鼻の下と唇の上にペンを挟みつつ首を振る。器用だなあ。
「そうなんだ。どうして?」
「……ぱずかしいから」
ぱずかしいとは? 恥ずかしいと言うことも恥ずかしいのだろうか。
「そんなぱずかしがることないと思うけど」
「ほんとに?」
赤新さんは、ちらりんと僕を見る。
「うん」
「……そっか」
僕がすぐさま頷くと、赤新さんはガムの包み紙をゆっくりと開く。
「遂に開示する時が来たか……」
赤新さんは決意の秘めた瞳をしていた。