隣の席の赤新さん
僕と赤新さんは並んで廊下を歩く。途中自動販売機で赤新さんが牛乳を買って、更にトコトコ。
向かっているのは僕が所属している文芸部の部室だ。前は先輩がいたけど、受験勉強があるからという事ですっかり誰も来なくなってしまった。部員数は足りているから廃部は免れてはいるけれどやっぱり僕1人しかいないっていうのはどんなもんかなって感じだった。それでもまあ僕はぼっちだからそこまでは気にしてはいなかったけど……。
文芸部に着いた。僕が扉を開けて中へ入る。その後に赤新さんが入ってきた。
「お邪魔しま~す」
赤新さんが部室に入った瞬間、空気が変わった感覚がする。
「ど、どうぞ。好きなところに座って」
文芸部の部室は質素な机と椅子、本棚等があって僕は大体いつも奥の方に座っている。
「うぃ~っす」
赤新さんは千鳥足な感じで奥の方にトトトと座る。
なんだか危なっかしいなあ。
「じゃあ、改めてここが文芸部の部室なんだけど……」
僕がそう言いながらいつもの席に腰掛ける。
「ふにゃあ~」
赤新さんは机の上に突っ伏して猫撫で声を上げる。か、可愛い……。
「えと、じゃあ食べようか」
僕は、風呂敷を解いて弁当箱を取り出す。赤新さんもガサゴソと袋からメロンパンと牛乳を取り出した。
弁当箱の蓋を開けて、僕はう~んと唸った。
「母さん……」
僕は母の顔を思い浮かべた。
「やってくれたな……」
メロンパンをはむはむしながら、赤新さんが首を傾げる。僕は天を仰いでいた。
「? ……あっ!」
赤新さんが僕の弁当を見て気付いたようだ。まあ、目立つからね。
「タコさんウインナーとウサギさんリンゴだああああああああああ!」
いや、テンション高くない? 僕はただただ恥ずかしいんだけど……。
そう、僕のお弁当のおかずの中に母さん特製のタコさんウインナーとウサギさんリンゴが入っていたのだ。僕が目を離した隙にでも入れたのだろうか。そういうところあるんだよね母さんは……。
「吉川君。私には聞こえます」
「な、何が?」
「タコさんウインナーとウサギさんリンゴの魂の叫びが!」
唐突な展開に僕は唖然としてしまった。
向かっているのは僕が所属している文芸部の部室だ。前は先輩がいたけど、受験勉強があるからという事ですっかり誰も来なくなってしまった。部員数は足りているから廃部は免れてはいるけれどやっぱり僕1人しかいないっていうのはどんなもんかなって感じだった。それでもまあ僕はぼっちだからそこまでは気にしてはいなかったけど……。
文芸部に着いた。僕が扉を開けて中へ入る。その後に赤新さんが入ってきた。
「お邪魔しま~す」
赤新さんが部室に入った瞬間、空気が変わった感覚がする。
「ど、どうぞ。好きなところに座って」
文芸部の部室は質素な机と椅子、本棚等があって僕は大体いつも奥の方に座っている。
「うぃ~っす」
赤新さんは千鳥足な感じで奥の方にトトトと座る。
なんだか危なっかしいなあ。
「じゃあ、改めてここが文芸部の部室なんだけど……」
僕がそう言いながらいつもの席に腰掛ける。
「ふにゃあ~」
赤新さんは机の上に突っ伏して猫撫で声を上げる。か、可愛い……。
「えと、じゃあ食べようか」
僕は、風呂敷を解いて弁当箱を取り出す。赤新さんもガサゴソと袋からメロンパンと牛乳を取り出した。
弁当箱の蓋を開けて、僕はう~んと唸った。
「母さん……」
僕は母の顔を思い浮かべた。
「やってくれたな……」
メロンパンをはむはむしながら、赤新さんが首を傾げる。僕は天を仰いでいた。
「? ……あっ!」
赤新さんが僕の弁当を見て気付いたようだ。まあ、目立つからね。
「タコさんウインナーとウサギさんリンゴだああああああああああ!」
いや、テンション高くない? 僕はただただ恥ずかしいんだけど……。
そう、僕のお弁当のおかずの中に母さん特製のタコさんウインナーとウサギさんリンゴが入っていたのだ。僕が目を離した隙にでも入れたのだろうか。そういうところあるんだよね母さんは……。
「吉川君。私には聞こえます」
「な、何が?」
「タコさんウインナーとウサギさんリンゴの魂の叫びが!」
唐突な展開に僕は唖然としてしまった。
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