隣の席の赤新さん
図書室は閑散としていた。窓の外ではグラウンドで運動部が練習している声が響いていた。
僕と赤新さんは図書室に入ってから奥のスペースまで歩いていく。案の定そこには誰もいなかった。
「んしょっと」
赤新さんがバックをテーブルに置いて、僕にクルリと向き直る。
「チョロッと待ってて」
赤新さんは、すたこらさっさと奥の方に引っ込んでいく。
僕は、それを見送って、鞄をテーブルに置いて椅子に座り、1冊のノートを取り出す。ノートの中身は僕の書いている小説だ。
僕はメモ帳を取り出して、アイディアを確認する。
「ああ、そっか。なるほど、ここをこうすれば……」
僕が執筆に夢中になっていると、赤新さんが紅茶が淹れてあるティーカップとクッキーの入っている袋が乗ったお盆を手にフラフラとやってきた。
「やあ、捗っているかね?」
「あ、うん。ありがとう赤新さん。ってちょっ、ちょっ。危ない危ない!」
フラフラしてるもんだからティーカップカタカタいってる。僕は咄嗟に席を立ち、手を伸ばす。
「「あっ……」」
お盆を持つ赤新さんの手に僕の手が触れる。
「あっ、えと、その、お、落っこちないように」
僕が途切れ途切れにそう言うと、赤新さんはパチクリと目を瞬かせた。
「絶望的に筋力がなくてね。一緒に運びマッスル?」
「マ、マッスル!」
僕は、ブンブンと首を縦に振った。
僕と赤新さんは慎重にお盆をテーブルに置いた。まだドキドキが続いている中、一緒に椅子に座ると、ティータイムが始まった。
赤新さんの淹れてくれた紅茶はとても美味しかった。クッキーの方は、何だか独創的な味がした。
ふと赤新さんが僕に喋りかける。
「それが読んでほしい小説?」
僕は、ばっとノートを抱える。
「あ、いや、これはちょっと違くて」
「ふ~ん」
赤新さんは何か意味ありげに頷く。
「昼休みの時に先に言われちゃったから、また言うけど……」
「う、うん」
「私、吉川君の小説、読みたいな~~」
「こ、これはだめだめ!」
僕は全力で拒否する。赤新さんにはもっと別のがあって……!
「む~。ケチャップだな~~」
赤新さんが、僕にむ~とした視線を向ける。てゆうかケチャップ? ……あっ! もしかしてケチって言いたいの? 何だかとても可愛らしかった。
僕と赤新さんは図書室に入ってから奥のスペースまで歩いていく。案の定そこには誰もいなかった。
「んしょっと」
赤新さんがバックをテーブルに置いて、僕にクルリと向き直る。
「チョロッと待ってて」
赤新さんは、すたこらさっさと奥の方に引っ込んでいく。
僕は、それを見送って、鞄をテーブルに置いて椅子に座り、1冊のノートを取り出す。ノートの中身は僕の書いている小説だ。
僕はメモ帳を取り出して、アイディアを確認する。
「ああ、そっか。なるほど、ここをこうすれば……」
僕が執筆に夢中になっていると、赤新さんが紅茶が淹れてあるティーカップとクッキーの入っている袋が乗ったお盆を手にフラフラとやってきた。
「やあ、捗っているかね?」
「あ、うん。ありがとう赤新さん。ってちょっ、ちょっ。危ない危ない!」
フラフラしてるもんだからティーカップカタカタいってる。僕は咄嗟に席を立ち、手を伸ばす。
「「あっ……」」
お盆を持つ赤新さんの手に僕の手が触れる。
「あっ、えと、その、お、落っこちないように」
僕が途切れ途切れにそう言うと、赤新さんはパチクリと目を瞬かせた。
「絶望的に筋力がなくてね。一緒に運びマッスル?」
「マ、マッスル!」
僕は、ブンブンと首を縦に振った。
僕と赤新さんは慎重にお盆をテーブルに置いた。まだドキドキが続いている中、一緒に椅子に座ると、ティータイムが始まった。
赤新さんの淹れてくれた紅茶はとても美味しかった。クッキーの方は、何だか独創的な味がした。
ふと赤新さんが僕に喋りかける。
「それが読んでほしい小説?」
僕は、ばっとノートを抱える。
「あ、いや、これはちょっと違くて」
「ふ~ん」
赤新さんは何か意味ありげに頷く。
「昼休みの時に先に言われちゃったから、また言うけど……」
「う、うん」
「私、吉川君の小説、読みたいな~~」
「こ、これはだめだめ!」
僕は全力で拒否する。赤新さんにはもっと別のがあって……!
「む~。ケチャップだな~~」
赤新さんが、僕にむ~とした視線を向ける。てゆうかケチャップ? ……あっ! もしかしてケチって言いたいの? 何だかとても可愛らしかった。
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