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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

また、一部微細な暴力表現や戦争などに関連する内容が含まれている場合があります。
これらを苦手とする方は閲覧をお控えいただくことをお勧めします。

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世界に溢れる夢

#92

92.霧と仮面と蜜の味(4)

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[水平線]
 [太字]──だから僕は嫌だと言ったんだ......。[/太字]

[水平線]
[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]〈ザシュンッ〉[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]





[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

ノイトは蜜蝋の翼を使って上空へと飛び上がったミエルを追って【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を振りかざす。
[中央寄せ][大文字][明朝体][太字][斜体]〔[漢字]魔力斬[/漢字][ふりがな]マギノ・スラッシュ[/ふりがな]〕[/斜体][/太字][/明朝体][/大文字][/中央寄せ]
斬撃が躱そうとしたミエルの左の翼を断つが、すぐに魔力で再構築される。さらに、断たれた翼の残骸が溶けて散らばり、鋭い無数の針となってノイトを襲ってきた。
(“棘の[漢字]蓆[/漢字][ふりがな]むしろ[/ふりがな]”ってこういう状態を言うのかな...?)
躱したノイトが次々に放った斬撃がミエルを襲ったが、ミエルは翼と[漢字]空中浮遊[/漢字][ふりがな]レビテーション[/ふりがな]を扱って躱していく。途中でミエルが霧を呼んで自身の姿を覆い隠したが、ノイトはそれを[漢字]叩き落とす[/漢字][ふりがな][太字]・・・・・[/太字][/ふりがな]。
[中央寄せ][大文字][斜体][明朝体][太字]〔[漢字]魔力打撃[/漢字][ふりがな]マギノ・スパンク[/ふりがな]〕[/太字][/明朝体][/斜体][/大文字][/中央寄せ]
ノイトの攻撃は魔力を帯びた霧の1つの個体と見做して叩く。結果、霧は綺麗に街へと落ちていった。ミエルが背後に回って蒸気を袖に隠してあった魔具から発する。

[中央寄せ][太字][明朝体][斜体][大文字]«[漢字]蒸気[/漢字][ふりがな]vapeur[/ふりがな]»[/大文字][/斜体][/明朝体][/太字][/中央寄せ]
[中央寄せ][[漢字][太字]守護[/太字][/漢字][ふりがな]バリア[/ふりがな]][/中央寄せ]

ノイトが蒸気を防いでいる間にミエルは距離を取ったが、ノイトが魔法を放ったのは左手で、武器を持っているのは右手である。片手で振るった斬撃であるため威力は落ちたが、それでもギリギリでそれを躱したミエルの蜜蝋の翼に傷を付けるには充分だった。
「どうしました〜?まだまだその程度じゃないですよね〜?」
[明朝体]「...当然。」[/明朝体]

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]«[漢字]濃霧[/漢字][ふりがな]brouillard[/ふりがな]»[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

[斜体](...!!)[/斜体]
ノイトは濃霧に飲み込まれ、視界が蒸気で覆われる。ノイトはすぐさま魔法で自分を守る。
[中央寄せ][[漢字][太字]浄化[/太字][/漢字][ふりがな]ピュリフィケーション[/ふりがな]][/中央寄せ]
[斜体](...霧を操るために、って言うのもあるだろうけど...!僕の魔力探知を機能させないための[漢字]濃霧[/漢字][ふりがな]ヴェール[/ふりがな]か!!)[/斜体]
ノイトはミエルの位置を確認出来ずに居る。[漢字]瞬間移動[/漢字][ふりがな]ワープ[/ふりがな]で抜け出すことは論理上可能だが、座標を見誤れば同じ霧の中を移動するだけになってしまったり、自身が構造物や地面などの中に捩じ込まれてしまうリスクもある。そもそも、この霧のせいで座標や距離を把握することも難しい。しかし、今のノイトは1人で戦っているわけではない。
[中央寄せ][[漢字][太字]位置置換[/太字][/漢字][ふりがな]サブスティテュート[/ふりがな]][/中央寄せ]
ノイトは空中へと放り出された。しかし、霧の中から脱出することが出来た。次の瞬間には背後にミエルが居たが、ノイトはその攻撃を何も持っていない左腕で受ける。魔法で肉体を一時的に強化しているため、下へと蹴り飛ばされたにも関わらず、何事もなかったのように動くことが出来ていた。
([漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]もそうだけど...あんまり依存はしたくないな...。)
ミエルはノイトを追っては来ないが、ノイトの方へと手をかざしている。ノイトはそれをじっと見つめながらミエルの方へと飛び上がる。
(まだ色々隠してるな...?僕が扱える魔法の数の方が多いけど。)
ミエルの手の中心には小さな魔法陣が浮かんでいた。ノイトがそれに気がついたのはミエルとの距離を5m程まで縮めた時。そしてその距離がその魔法...もとい魔術の最大限の威力を保証出来る条件と同じだった。
[水平線]
[中央寄せ][太字][明朝体]上級魔術〘ᛖᛏᚺᛖᚱ〙[/明朝体][/太字][/中央寄せ]
[水平線]
[斜体][大文字]「いっ!?」[/大文字][/斜体]
目を見開いたノイトは咄嗟に武器を引き寄せたが、その光に飲み込まれてそのまま押し飛ばされた。遥か深くまで伸びている空洞の上でノイトはそれを跳ね返す。
[中央寄せ][太字][明朝体][斜体]〔[漢字]魔力反射[/漢字][ふりがな]マギノ・リフレクト[/ふりがな]〕[/斜体][/明朝体][/太字][/中央寄せ]
(ハァ...上級魔術を使えたのか...。完全に油断した...予想しておくべきだったのに...まったく。)
ノイトが下を見下ろすと、その空洞の底にはつい先程ミエルが放ったものと似ているエネルギーを感じた。
「エーテル、か...。」
「エーテルって、魔力と類似するエネルギーのことですよね!昔、本で読んだことあります!!」
「おぁ〜、フィルさん。ご無事でしたか〜。」
どうやらフィルマリーは目を覚ましてからすぐにノイトとミエルの戦闘を見かけて飛んできてくれたようだった。
「フィルさん、あの人はミエルさん。この街の管理者を務めているそうです。どうやら、この街のさらに下に“魔族と化したこの街の心臓”が居るらしくて、それを躾けられるかどうか試されてます!」
「なるほど...?あの人、強いんですか?」
ノイトは少し考える素振りをしてから答える。
「僕の攻撃でも当たれば生身の人間とほぼ同じだと思います。攻撃よりも霧や蒸気のトラップの方が得意そうですし...最初に戦った時は蜜蝋みたいなもので動きを封じられかけました。」
フィルマリーはノイトの説明を聞いて関心し、ミエルの方を見た。ミエルの背中には蜜蝋で出来た翼が生えている。
「先程感じた甘い匂いの正体は、あのミエルさんの蜜蝋だったんですね!今度お茶会にでも呼んでみましょうか?」
「ハァ...それは別に構いませんけど......あの人、ハイヴさんと面識があるっぽくて。」
「ん〜、確かに言われてみれば似ていますね〜。」
ノイトはフィルマリーの言葉を聞いて一瞬思考がフリーズした。
「え?いや、そういうわけじゃなくて...」
「ん〜、でも魔力の性質というか雰囲気がすごく似ていますよ?私が今まで見てきた中では、親戚や家族と同じような似方です!」
以前、フィルマリーは魔力に関する研究をしていたということを聞いたノイトは、フィルマリーの言葉に急に説得力を感じた。フィルマリーが言っていることが正しければ、ミエルはハイヴと面識があり、なおかつ血の繋がりがあるということになる。
(ずいぶん昔からこの街の管理者をしている、ってあの店員さんは言ってたけど...この街での時間の進み方が[漢字]外の世界[/漢字][ふりがな]あっち[/ふりがな]よりも遅いのであれば、かなり近い血縁でも合点が行くね。)
「ノイトさん、私も何かお手伝いしましょうか?」
「いや、大丈夫です。フィルさんは強いので、ミエルさんが僕を試すのには...邪魔になっちゃいます。」
「ん?! もっと言い方あるでしょ〜!! もぉ!」
「モーモー言ってると牛になりますよ。」
「ならないもん!私、牛じゃないもん!」
「はいはい、分かったから落ち着いてください。リーリャとルミナとハイヴさんがあの時計塔のバルコニーに居ます。そっちの方に手を貸してあげてください。」
フィルマリーはそれを聞いてから少し考え、背中に提げていた杖を両手で持って答える。
「ヤダ。」
「...え?」
「ヤダ。」
「...イヤイヤ期ですか?」
「むぅ...。」
フィルマリーは一見駄々をこねているように見える。というか実際駄々をこねているのだが、単なるわがままだけではないらしい。何か真剣なことを抱え込んでいるのを、フィルマリーの目が語っていた。
(ミエルさん、多分今めちゃくちゃ暇だよな。流石に会話の間には入ってこないようで良かった...フィルさんのこと怒らせたらヤバいからね...。)
「ハァ...僕は1人でも大丈夫ですよ。魔力もまだ残ってますし。」
「...そうじゃないです。1人で何でも抱え込もうとしないでください。私だってノイトさんの仲間なんですよ?」
(あなたがそれを言うんですか...?てっきり最初に言ってくるのはリーリャかメルだと思ってたのに...。まぁいいや。)
「とにかく、僕は本当に大丈夫です。ミエルさんの相手は僕がします。フィルさんはリーリャたちの方をお願いします。」
「...“お願い”......なら、しょうがないです。絶対に無理しちゃダメですよ?」
「あ〜...なるべく気をつけます。」
ノイトはフィルマリーが時計塔の方へ[漢字]瞬間移動[/漢字][ふりがな]ワープ[/ふりがな]したのを確認してからそう漏らす。ノイトがフィルマリーと話している間にミエルは蜜蝋の翼の修復と簡易的な武器の生成を済ませていた。
[明朝体]「話は、終わったか...。」[/明朝体]
「すみません、お待たせしちゃって。」
[明朝体]「良い。続けるぞ。」[/明朝体]
次の瞬間にはノイトの眼前に蜜蝋の剣が飛んできていた。ノイトはそれを躱し、武器を振りかざす。しかし、 ミエルが蜜蝋の剣でそれを受け止めようとした時、ノイトは動きを止めた。
[明朝体]「どうした...?」[/明朝体]
「ん〜、流石に気づくよ。武器同士が衝突した瞬間に蜜蝋が溶けて相手の武器を絡め取るタイプでしょ?」
ノイトの冷静な観察は見事に適中していて、形勢は近接ではミエルの方がやや有利となる。ノイト自身もまだ余裕はあるため、最小限の動きでミエルの攻撃を躱しながらミエルの動きを読み取っていた。
(クロークの中にまだ魔具の反応があるな...マジックバッグと同じようなものなんだろうね...。...っていうか、この世界ってローブとかクローク流行ってんの?メルの組織の人間も黒いローブ着てたよな...。)
黒い羽が距離を取ろうとしたノイトに向かって飛んでくる。恐らく生身で受けたら体内から影が発生して肉体が崩壊する。ただし、当たらなければ良いだけだ。戦闘経験がほぼないであろうルミナスでも充分に対応出来ていたし、リーリャも避けること自体は出来ていた。
「どうしました〜?こっちはまだまだ余裕ありますよ〜」
[明朝体]「...どうだかな。」[/明朝体]
(なるほど...?)
ノイトの思考には、いつもノイトが他者に指摘するような暗黙の前提が紛れていた。“実力を試す”と聞いて、ノイトはミエルだけが相手だと思っていたが、躾けは実践の方が分かりやすい。ノイトは少しずつ下の方へと落ちていたのだ。[漢字]空中浮遊[/漢字][ふりがな]レビテーション[/ふりがな]の効果が落ちているのでない。重力そのものが強まっていた。ミエルから距離を取ることばかりを考えていたノイトは背後から迫る気配に気がつくのが遅れた。

(...これだから僕は嫌だと言ったんだ...。)
[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]〈ザシュンッ〉[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

ノイトは黒い何かに飲み込まれ、そのまま空洞の底まで引きずり込まれた。
[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]〔[漢字]記憶の剣先[/漢字][ふりがな]キオクノハリ[/ふりがな]〕[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]
黒い何かを切り裂いてノイトが出てきた。ノイトが上を見上げると、空が指先に乗る程しか見えていない。かなり深くまで落とされたようだった。周りは上の街よりも歯車やパイプ、ピストンなどの機械が剥き出しになったものが沢山ある。
[大文字][明朝体]『燃料......食料......喰わせろ...!!』[/明朝体][/大文字]
そこには巨大な、汽車の焚火口のに目と手がついたような見た目の魔族が居た。
「イフリート、かな...。フィルさんをあっちに行かせないほうが良かったか...?」
[大文字][明朝体]『膨大な魔力...質が良い...喰わせろォ...!』[/明朝体][/大文字]
巨大な黒い蒸気のような手がノイトを一瞬で捉えようと迫ってくる。
[斜体](速い!!)[/斜体]
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体][斜体]〔[漢字]魔力打撃[/漢字][ふりがな]マギノ・スパンク[/ふりがな]〕[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
ノイトが攻撃して手を叩きのけたが、その手は蒸気で出来ているものだった。ノイトの死角から数本に分かれた手が伸びてきて、ノイトを捉えようとする。
(この手は蒸気だ。風も吹けば軌道は反れる!)
[中央寄せ][大文字][斜体][明朝体][太字]〔[漢字]記憶の剣先[/漢字][ふりがな]キオクノハリ[/ふりがな]〕[/太字][/明朝体][/斜体][/大文字][/中央寄せ]
ノイトのキオクから再現されたその技は、レイクのものだった。
[水平線]
[中央寄せ][明朝体][太字][斜体][大文字]〔[漢字]暴風神[/漢字][ふりがな]ルドラ[/ふりがな]〕[/大文字][/斜体][/太字][/明朝体][/中央寄せ]
[水平線]
斬撃の形をした暴風が蒸気の腕を吹き飛ばす。両腕は一時的に使えないようにしたが、焚火口と化した口から吐き出された熱風でノイトが空洞の壁まで吹き飛ばされる。
[斜体](熱っ!!)[/斜体]
[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]〈ドゴォォォン〉[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

「...ノイトさん...?!」
咄嗟にノイトの異変に気がついたのはフィルマリーだった。
「フィルマリーさん、ノイトがどうかしたんですか?」
リーリャとルミナスは地下深くでの出来事に気が付かなかった。
「どうやら、何かと戦っているようですね...。急いで我々も向かいましょう。」
フィルマリーが津えを掲げて魔法を唱える。
[中央寄せ][[漢字][太字]瞬間移動[/太字][/漢字][ふりがな]ワープ[/ふりがな]][/中央寄せ]
4人がノイトの元へと到着した時、ノイトは巨大な魔族と1人で戦っていた。
「ノイト!」[太字][明朝体]「お兄ちゃん!」[/明朝体][/太字]「ノイトさん!」「ノイト様!」
(ん?! 何でここに...相手が悪すぎる。ここから離れt...)
ノイトはいつの間にか再生していた蒸気の手の攻撃を喰らってしまった。
「私の大事なノイトさんの何するんですか?!!」
怒ったフィルマリーが杖を魔族・イフリートに向けて魔術を唱える。
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]上級魔術〘ᛒᚱᛖᚪᚴ ᛞᛟᚥᚾ〙[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
すると、イフリートの鎧である焚火口の部分にヒビが入って煙が漏れた。
[大文字][明朝体]『貴様ァ...何をするかァ...!!』[/明朝体][/大文字]
[斜体]「それはこっちのセリフですよ...ノイトさんに意地悪して...もう許しませんからね。」[/斜体]
魔族が相手では流石にフィルマリーでも無理がある。そう思ったノイトは駆け寄ってきて治癒魔術をかけてくれたハイヴの手を止めてフィルマリーを止めに入る。
「フィルさん!待ってください!!」
その言葉はフィルマリーには届いていなかった。次の瞬間、イフリートの口から発される熱風が吹き出る。ノイトは有無を言わさずリーリャとルミナスを守る羽目になった。
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体][斜体]〔[漢字]魔力防御[/漢字][ふりがな]マギノ・シールド[/ふりがな]〕[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
「ノイト!」[太字][明朝体]「お兄ちゃん!」[/明朝体][/太字]
この魔法の防御力は、上級防御魔術よりも性能が高い。守られた2人はノイトが無茶をしているのではないかと思ったが、その心配は要らなかった。
熱風を躱していたフィルマリーは上空で複数の魔法陣を展開し、それをイフリートの方へと向けていた。通常の魔物や魔獣ならひとたまりもないだろう。しかし、今の相手は魔族だ。イフリートの鎧は口を開け、その魔術を飲み込もうとしている。
[斜体](ミエルさんは何をしているんだ!! この街の管理者なんだろう?このまま事態が悪化したら街ごと壊れる可能性だってあるのに!)[/斜体]
フィルマリーの攻撃が放たれる。しかしそれは、全てイフリートの焚火口に吸い込まれてしまった。
[大文字][明朝体]『美味い...もっと喰わせろ...!』[/明朝体][/大文字]
「“喰わせろ”...?ノイトさんを傷つけたあなたに、満足する程度の魔術で済むとでも...?」
もうフィルマリーの声色が低く冷ややかになっている。
[斜体](ヤバい...!)[/斜体]
ノイトは【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を振りかぶって飛び出した。この街の心臓であるイフリートを壊すわけにもいかず、かと言ってフィルマリーをそのまま見捨てることも出来ない。この場ではイフリートの方が数段[漢字]上手[/漢字][ふりがな]うわて[/ふりがな]である。つまり、今ノイトが止めるべきは──。
[中央寄せ][大文字][太字][斜体][明朝体]〔[漢字]記憶の回想[/漢字][ふりがな]メモリー・レミニセンス[/ふりがな]〕[/明朝体][/斜体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

 ──あれ?私は一体...。

《フィルマリー、次また試験をサボったら魔道士失格だからね。》
《まぁまぁ、そこは僕に免じて許してあげてくださいよ...?》

 ──デリーチェさんに、先生...。これは...昔の記憶?

《ねぇフィル、今度上級魔導師の講演会があるんだって!一緒に行こ?》
 ──...ユルメラ。ごめんね、私はもう...魔道士じゃないの...。

《なぁフィルマリー、この前ノルティーク大陸のノルストラの方に言ったんだけど、その近くのミストルの町に面白い子が居たんだ。》
 ──ミストルの町...時計塔の管理をしていたその子の名前は...。

《ありがとうございます!》
 ──ノイト=ソルフォトス。

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

「フィルさん!」
フィルマリーはノイトの言葉にようやく気が付き、魔法陣を解いた。ノイトはゆっくりと降りてきたフィルマリーを咎める。
「フィルさん、怒りで我を忘れて暴れようとしてたでしょう。感情のコントロールは大事ですよ?それに、あの魔族はこの街の心臓なんです。壊そうとしないでください!」
「うぅ...でも、ノイトさんを傷つけたじゃないですか...!それは許せないですっ!!」
ノイトは呆れてため息をつき、フィルマリーに語った。
「あのですね、僕は所詮1人の人間です。たった1人のためにこの街のシステムを壊すわけにもいきませんし、そもそも僕は平気です。フィルさんがあのまま戦っていたらフィルさんも命を落としてたかもしれないんですよ?僕はそっちの方が嫌です。」
「んっ......。」
[大文字][明朝体]『貴様らァ...!燃料を喰わせろォ...!!』[/明朝体][/大文字]
ノイトは首を軽く傾げて不機嫌そうにイフリートを睨みあげる。
「ちょっと黙ってて貰えます...?今、忙しいんですけど...。」
[大文字][明朝体]『早く...喰わせろォォォ!!』[/明朝体][/大文字]
ノイトは何も言わずに【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を振りかぶり、魔法を放った。
[中央寄せ][太字][斜体][明朝体][大文字]〔[漢字]記憶の再現[/漢字][ふりがな]メモリー・フラッシュ[/ふりがな]〕[/大文字][/明朝体][/斜体][/太字][/中央寄せ]
次の瞬間、イフリートの目には過去に食べた燃料が映っていた。ノイトの魔法による過去の具現化に過ぎないが、暴走している魔族にはこれが丁度良いだろう。ノイトは上を見上げてミエルに声をかける。
「ミエルさん、あなたはこの魔族を甘やかし過ぎです。しばらく放っておいて、飢えてきたら自身の言うことを聞くように躾けることですね。」
上空に居たミエルはそれを聞いて独り言をぼやく。
[明朝体]「...なるほど。それが君の答えか...。」[/明朝体]
ノイトは周囲の被害がほぼないことを確認してからフィルマリーに声をかける。
「フィルさん。[漢字]瞬間移動[/漢字][ふりがな]ワープ[/ふりがな]で上までお願いします。」
「私も、向かいます。」
「...了解ですっ!」
ノイトとハイヴはミエルの前へ、リーリャとルミナスとフィルマリーはその近くの街の中に[漢字]瞬間移動[/漢字][ふりがな]ワープ[/ふりがな]した。
[明朝体]「ノイト=ソルフォトス...君の実力はまだまだ計り知れないようだ。これ以上私が手を出す必要はない。」[/明朝体]
「そうですか...。」
「ミエル、なぜあなたはこの街に居るのですか?」
ノイトとミエルが話すべき内容が終わり、今度はハイヴがミエルの質問に答えることになる。ノイトとハイヴに真っ直ぐと見据えられたミエルは、ゆっくりと仮面に手をかけた。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はノイトとミエルの戦闘や、魔族・イフリートとの戦闘を中心に描きました。果たしてハイヴとミエルの関係は?次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、世界観やキャラクターについての質問も受け付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2026/01/11 15:23

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

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