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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

また、一部微細な暴力表現や戦争などに関連する内容が含まれている場合があります。
これらを苦手とする方は閲覧をお控えいただくことをお勧めします。

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世界に溢れる夢

#72

72.予兆(2)

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[中央寄せ]エリア〚機械都市・カタパリア〛[/中央寄せ]

ノイトとリーリャは機械都市・カタパリアに着いた。どうやら街は2つの勢力に分かれているようだ。
「東が昔ながらのカラクリとスチームパンクな武器がメインの勢力で...、西が新しい機械仕掛けの武器がメインかな...?」
「ノイト、どっちから見るの?」
ノイトは少し考えてから先に東の勢力を見ることにした。
街の東側は常軌が噴き出している謎のパイプやたくさんの歯車が剥き出しになっている謎の機械が建物に蔓延っていた。ノイトは途中である店に目を止め、中に入る。リーリャもノイトの後に続いてその店の中に入ると、アンティークな小物のような見た目の魔具がたくさんあった。
「いらっしゃいませ。」
店主と思わしき初老の男性が笑顔で出迎えてくれた。ノイトはその男性に笑顔で軽く会釈をしてから、商品を見てみることにする。懐中時計やゴーグル、小型の銃まであった。
「粋な趣味ですね〜、ロマンを分かっていらっしゃる!」
ノイトは前世では割とスチームパンクに興味があったようだ。ノイトの言葉を聞いて店主の男性も笑って商品の説明をしてくれる。
「そこにある懐中時計の魔具は一瞬だけ何かの時間を止めることが出来るんだ。そのゴーグルは遠くのものまで見渡せる上に、いざというときの防具にもなる。あっちの小型の銃は魔法や魔術を詰め込んで撃つことが出来る。ここにあるものはみんな西の街にもあるものだが、見た目ならこちらの方が上だぞ?気に入ったものがあったら買っていくと良い。」
(う〜ん、どれも既視感があるけどなかなかに興味深い...!...あ、違う違う。リーリャの武器を買うのが先だった...。)
その時、店に誰かが入って来た。
「何をしている。今日は店を開けるなと言ったはずだが...?」
黒いロングコートを来た高身長男性は、ノイトとリーリャを一瞥して続ける。
「魔神に対抗し得る魔具をこんなガキに売るつもりか?ここにある魔具は全て俺が買い取る。ガキはさっさと出ていけ。」
「魔神に対抗し得る武器を、子供に売ったら駄目なんですか?」
リーリャが恐る恐るノイトの影に隠れながら聞くと、その男性は冷たく言い放つ。
「駄目だ。魔神はこの世界を創り変える者。それを倒そうなどと考える愚か者共にここにある魔具を持たせてみろ。魔神が倒されてしまうではないか?」
(...この人、メルが所属している組織の人間だな...?)
ノイトは店主の男性を庇うように立って言い返す。
「全ての魔神が人間にとっての悪ではないことは分かっていますが、かと言って無条件で"魔神"と一括りにして擁護するのも気が早いですよ。」
「...そうか。お前が魔神を倒したガキだな...?俺たちの邪魔をしやがって...。」
その男はノイトに向かって手をかざした。魔法か魔術を放つつもりだ。ノイトは咄嗟にマジックバッグから【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を取り出して構えるが、店主の男性がノイトを庇って突き飛ばした。
「[斜体]...!![/斜体]」
(まずい...!!僕の身体が影になっていて僕が武器で対抗出来ることに気が付かなかったのか!!)
ノイトを突き飛ばした店主はそのまま黒いローブの男性の魔術に飲み込まれてしまった。漆黒の炎で店主の姿は一瞬で見えなくなる。ノイトはリーリャの腕を掴んで自分の方へと引き寄せ、黒いローブの男へと打撃を加える。

[中央寄せ][太字][斜体][大文字][明朝体]〔[漢字]魔力打撃[/漢字][ふりがな]マギノ・スパンク[/ふりがな]〕[/明朝体][/大文字][/斜体][/太字][/中央寄せ]

ローブの男の前に[漢字]自動発動[/漢字][ふりがな]オート[/ふりがな]で防御魔術が展開されてノイトの打撃を相殺したが、その隙にノイトとリーリャは店を飛び出して街の中心へと駆け抜けていく。
[斜体]「...ったく、もう...リーリャの武器買えなかったじゃん!!」[/斜体]
黒いローブの男が高速で追いかけてきているのが分かった。
([斜体]上級魔道士レベルだろこれは...!![/斜体])

[中央寄せ][太字][明朝体]超級魔法:[大文字]『[漢字]獄炎弓箭[/漢字][ふりがな]プロクス・ヴェロス[/ふりがな]』[/大文字][/明朝体][/太字][/中央寄せ]

リーリャの超級魔法がローブの男に向かって放たれたが、防御魔術でいとも簡単に防がれてしまった。ノイトは街の広い通りに出て、一直線上に障害物が無いことを確認し、リーリャを抱きかかえる。
「リーリャ、捕まってて!!」

[中央寄せ]上級魔法:[大文字][太字]『[漢字]天突塔[/漢字][ふりがな]バベル[/ふりがな]』[/太字][/大文字][/中央寄せ]

ノイトの手のひらから魔力で具現化された塔が黒いローブの男に向かって飛んでいく。もちろん黒いローブの男は[漢字]自動発動[/漢字][ふりがな]オート[/ふりがな]で防御魔術を展開する。しかし、まだ塔は伸び続けていた。ノイトは防御魔術を伸び続けている塔で突き飛ばし、その反動で黒いローブの男から距離を取った。
そのまま『[漢字]門[/漢字][ふりがな]ゲート[/ふりがな]』に辿り着き、リーリャを抱えたままその先へと進んでいった。

ノイトとリーリャはヴェルグランド大陸の港へと戻ってくる。相変わらず穏やかな海の上では飛行船が出発の準備をしているところだった。
「ハァ...丁度出発するところみたいだね。この便に乗ろう。」
「ちょっ、ちょっと待ってノイト!先に、降りるよ...!」
リーリャがノイトから降りた。ずっとノイトに抱きついている状態だったためかリーリャの顔は赤くなっていた。
「あぁ、ごめん。忘れてた...」
「本当に忘れてたの...?」
リーリャは頬を膨らませて少し怒っているようだった。2人はそのまま飛行船に乗ってノルティーク大陸へと帰る。
甲板に上がってもまだリーリャはノイトのことをじっと見ている。
「...リーリャ?」
「何...?」
「えっと...ごめん。」
「え、本当に何?どうしたの?」
「え?」
「え?」
リーリャはもう怒っておらず、ノイトは何故リーリャが自分のことを見つめていたのかが分からなかった。
「あ、そうだ...ノイト。レミステラに着いたらノルティーク帝国に行くつもりなんでしょ?」
「...うん、まぁそのつもりだよ。ルミナたちが心配だからね。」
「本当にあの国の王様は攻めてくるのかな?」
「あの人ならやりかねないと思うよ。協力者が居たら面倒だし、それに...」
ノイトの目つきが少し険しくなった。
「多分、いきなりあの国が出て来るんじゃなくて、他の国や街を通して間接的に攻撃をしてから攻めてくるんだと思う。あまり油断は出来ないね。[斜体][大文字]...ん?![/大文字][/斜体]」
ノイトの視界に映ったのは煙。煙が上がっている場所は、ノルティーク帝国の近くだ。
[斜体][大文字](ルミナ...!!)[/大文字][/斜体]
リーリャもそのことに気がついて慌てだす。
「どうするの、ノイト!」
ノイトはマジックバッグから[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]を取り出して口に咥える。
「僕は先に跳んでいく。リーリャは極力戦場には関わらないようにノルティーク帝国の中に入ってて。演奏で住人や王族の不安を取り除くのは、リーリャにしか出来ないから。」

[中央寄せ][明朝体][斜体]パキッ[/斜体][/明朝体][/中央寄せ]
そう言ってノイトは飛行船の甲板に貼られていた結界の一部分を【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】で破ってノルティーク帝国の方へと跳んでいった。途中で[漢字]空中浮遊[/漢字][ふりがな]レビテーション[/ふりがな]を使ったのか、ノイトは海に落下することなくそのままノルティーク大陸へと飛んでいく。
(ノイト...!!)
飛行船に取り残されたリーリャは拳をぎゅっと握りしめて飛行船が早くノルティーク大陸に到着することを願っていた。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回は機械都市・カタパリアでのメルクが所属している組織の人間との邂逅・逃亡を描きました。次回もお楽しみに...?
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/24 18:45

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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