世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトはファルムの攻撃を受け止めながらリオールの援護をしようとしている。
「あなた、七賢会で見かけましたね...?この街の制度を守るつもりなら、僕は容赦なくあなたを潰しますけど...。」
「出来るものならやってみるが良い...私を納得させることが出来れば、君の愚行は黙認してやろう...。だが、そう簡単に納得させることが出来るなどとは、思うでないぞ...?」
ノイトは呆れながらもファルムに自分の考えを述べる。
「まず、この街の制度は異様なんです。他の街では魔法や魔術の技術で上下関係をはっきりとつけることなんてしない!」
「多様性は重要だ。新たな発見へと繋がるという利点もあり、個人の不満も生まれにくい。他と違って何が悪いのだ?」
「いいえ、多様性を無条件に認めてしまっては社会の秩序が守られません。」
「秩序がそんなに大切か...?」
ファルムは剣でノイトを中央広場のど真ん中に振り落とした。
落下したノイトの足元にはフィルマリーの人形が飛んでいく。ノイトがそのぬいぐるみの上にに着地した瞬間、フィルマリーの防御魔術がノイトの足底に展開されてぬいぐるみが爆発した。ノイトは防御魔術に守られてダメージを受けずに、爆発の衝撃波だけを受けて空中へと飛び戻る。
「あなたは制度を守ろうとしている側ですよね...?制度と秩序の違いがあると言うのならば、それを説明してくださいよ。」
ファルムはノイトに聞き返されて言い返せなくなってしまった。それを見たノイトが【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を右手で強く握る。
「即答出来ないようでは...」
[大文字][斜体]「制度は、社会の平和により守られるものだ!秩序は、制度によって設けられる社会の状態の一つだ!」[/斜体][/大文字]
「なら、"社会の平和"って何なんでしょうね...?」
[大文字][斜体]「っ...!!秩序が整っている状態だ!」[/斜体][/大文字]
ノイトはまだ足に展開されていたフィルマリーの防御魔術を蹴って空中で回転し、右腕を大きく振りかぶる。
「状態を状態で説明しないでくださいよ...。」
[大文字][斜体]「待て!感情で論理を壊そうとするな!!私の論理が...」[/斜体][/大文字]
「感情が論理を超えることだってあると思いますけどね...?壊されたくない[漢字]制度[/漢字][ふりがな]モノ[/ふりがな]なら、死ぬ気で守れ!」
[中央寄せ][太字][斜体][大文字]〔[明朝体][漢字]魔力斬[/漢字][ふりがな]マギノ・スラッシュ[/ふりがな][/明朝体]〕[/大文字][/斜体][/太字][/中央寄せ]
ノイトの斬撃がファルムの剣を砕き、ファルムは斬撃に斬り飛ばされて遥か遠くへと飛んでいった。
「ふぅ...意外とゴリ押しで勝てるもんだな...。」
ノイトは中央広場の方を少し俯瞰で振り返る。丁度足元にはリオールの炎の渦が壺のような形になっていて他の七賢たちを閉じ込めている。
(さてと...フィルさんが1人倒してくれてたから、これで残りは4人か。...ん?何か忘れているような...[大文字][斜体]あっ!![/斜体][/大文字])
ノイトは武器を構えて中央広場へと跳ぼうとする。丁度ノイトの足元にフィルマリーが防御魔術を展開してくれたため、それを足場に下へと跳んでいく。
(フィルさん、ナイス!このまま...)
その刃が振るわれた先は――。
[大文字][中央寄せ][斜体][明朝体][太字]ガキンッ[/太字][/明朝体][/斜体][/中央寄せ][/大文字]
ノイトの武器がユプシーバの攻撃を弾いた。
[斜体][大文字]「何だ!またお前か!!俺の邪魔をするな!その女性は俺の[漢字]愛人[/漢字][ふりがな]もの[/ふりがな]だ!!」[/大文字][/斜体]
「違う。この子は僕の大事な仲間だ。」
メルクはノイトが助けに来てくれたことに気がついて目元に浮かべていた涙を我慢しきれずに流してしまう。
「ノイ、ノイト...!!怖かったぁ...!!」
メルクがノイトに泣きつく。それを見ていたユプシーバがノイトを怒鳴り散らかす。
[大文字][斜体]「俺の愛人を!寝取るなァァ!!俺が、その人と幸せになるんだァ!!」[/斜体][/大文字]
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体][斜体]ガキンッ[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
[太字][斜体]「徒言を抜かすな。ド変態マゾ野郎。」[/斜体][/太字]
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体][斜体]ガキンッ[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
[斜体][大文字]「黙れェ!!一度俺に破れたお前にィ!何が出来るんだァ!!」[/大文字][/斜体]
「―革命。」
[中央寄せ][太字][大文字][明朝体]『[斜体][漢字]閼愛流霞勢[/漢字][ふりがな]アラブルカゼ[/ふりがな][/斜体]』[/明朝体][/大文字][/太字][/中央寄せ]
メルクの無数の斬撃がユプシーバを絶え間なく襲う。剣と魔術では耐えきれなかったユプシーバは、メルクの斬撃に押されて中央広場を囲っていた壁に衝突し、その衝撃でユプシーバの上から壁の砕片が降ってくる。後は[明朝体]"金ダライのお約束"[/明朝体]の通りだった。
メルクはノイトに飛びつく。
「もぉっ!!頑張ってたのは分かるけど、遅いよ!」
(あぁ、そうか...そう言えば、〔[漢字]時夢姫[/漢字][ふりがな]シンデレラ[/ふりがな]〕はメルの前で使ったこと無かったな...。)
メルクはノイトの腕を掴んで離さなかった。ノイトも取り敢えずリーリャの件を経験したため、そっとしておくことにする。
「ノイトが処刑されちゃう、って聞いたから急いで連れてきてもらったのに...まだ"ありがとう"の5文字も聞いてないんだけど?」
メルクがぷくっと頬を膨らませて上目遣いでノイトを見ている。
「ハァ...そうだったね。まだ、言えてなかった...。メル、ありがとね。」
ノイトから感謝の言葉を受けてメルクは満足そうに喜んだ。
「えへへ...///」
(そういえば...メルって僕より歳上だけど、やっぱり僕よりも小柄なのか...。僕に飛びついてきたとは言え、それでも僕の方が高いな...。)
ノイトは再び【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を握る力を強くする。まだ古い制度を守ろうとする七賢は4人も残っているのだ。残りの4人全員がリオールの炎の壺に閉じ込められていて未だに何もしてこないのだが。
「メル、もう少しだけ手伝ってくれるかな?ちょっとこの国の制度が気に入らなくてね...今丁度壊してるとこ。」
メルクは満面の笑みで黒いローブを翻し、僅かに歪んだスティレットを構えた。
「うん、分かった!」
リオールはずっと炎の魔術を操って他の七賢たちを閉じ込めていた。
「ハァ...流石に僕でも七賢を長時間閉じ込めておくのはキツイかな...?」
七賢たちはちゃんと抵抗している。内側から破られそうなのを上から炎で包んで凌いでいるだけであるため、リオールは少しずつ魔力を消耗している。
「リオールさん、手伝いますよ。」
「あぁ、ノイト。助かるよ。」
ノイトは革の手袋の魔具を手にはめて炎を壺に向かって魔法を放った。
[中央寄せ][[漢字][太字]獄炎[/太字][/漢字][ふりがな]インフェルノ[/ふりがな]][/中央寄せ]
賢者に対して放つことで罰を受けるのは魔術であって、魔法ではない。つまり、ノイトは上級魔法を使うことで上手くシステムから逃げているのだ。
「ノイト、僕ももうあまり長くは持たない。何か手を打ってくれ。」
「大丈夫ですよ、リオールさん。リーリャやメルが居ますし、フィルさんだって今は住人たちの避難の手助けをしてくれています。いざというときは僕が時間を稼ぐんで、安心してください!」
「ノイト...頼もしくなったなぁ!流石、僕の自慢の教え子だ!!」
それで気が緩んだのか、炎の壺が内側から破られてしまった。流石にノイトの上級魔法では七賢を抑えることは出来ない。
「メル、右の人を頼んだ。」
「了解っ!」
メルクは瞬時に跳び上がって1番右に居た者に攻撃を仕掛ける。
「リオールさんは左の人を。」
「待て、残りの2人はノイトが1人で相手をするつもりか...?」
ノイトはニヤリと笑った。
「大丈夫ですよ。まだ[漢字]友達[/漢字][ふりがな]切り札[/ふりがな]が残ってますから。」
その時、中央広場から少し離れた塔から緋い炎の矢が飛んでくる。それが七賢の1人に命中し、恐らく七賢はウェルダンになった。いくら七賢であろうと炎を壺を破った直後は防御魔術が展開出来ない。そして、この炎は“記憶の魔神”ゲデニスに留めを刺したものだ。その矢を放ったのはノイトの[漢字]友達[/漢字][ふりがな]パートナー[/ふりがな]である。
[中央寄せ][太字]超級魔法:[大文字][明朝体]『[漢字]獄炎弓箭[/漢字][ふりがな]プロクス・ヴェロス[/ふりがな]』[/明朝体][/大文字][/太字][/中央寄せ]
「ほら、言ったでしょう。[漢字]友達[/漢字][ふりがな]パートナー[/ふりがな]とは、1番付き合いが長いんでね。」
ノイトの言葉を聞いたリオールは微笑んでノイトの指示に従い、七賢の1人と対峙する。
他の七賢もリオールの相手をしようとしたが、それをメルクとノイトが妨害する。ノイトはいかにも賢者という感じの見た目の老人の相手をした。
「え〜っと...ヴォーグさん、でしたっけ...?」
「叡智無き子供に興味はない...。往ね。」
「嫌ですよ。叡智だか何だか知りませんけど、それで驕り高ぶる連中のトップを見過ごすわけにもいきません。」
ヴォーグの静かな怒りを感じたが、ノイトは怖気つくことなく余裕の笑みで対峙している。
ノイトはファルムの攻撃を受け止めながらリオールの援護をしようとしている。
「あなた、七賢会で見かけましたね...?この街の制度を守るつもりなら、僕は容赦なくあなたを潰しますけど...。」
「出来るものならやってみるが良い...私を納得させることが出来れば、君の愚行は黙認してやろう...。だが、そう簡単に納得させることが出来るなどとは、思うでないぞ...?」
ノイトは呆れながらもファルムに自分の考えを述べる。
「まず、この街の制度は異様なんです。他の街では魔法や魔術の技術で上下関係をはっきりとつけることなんてしない!」
「多様性は重要だ。新たな発見へと繋がるという利点もあり、個人の不満も生まれにくい。他と違って何が悪いのだ?」
「いいえ、多様性を無条件に認めてしまっては社会の秩序が守られません。」
「秩序がそんなに大切か...?」
ファルムは剣でノイトを中央広場のど真ん中に振り落とした。
落下したノイトの足元にはフィルマリーの人形が飛んでいく。ノイトがそのぬいぐるみの上にに着地した瞬間、フィルマリーの防御魔術がノイトの足底に展開されてぬいぐるみが爆発した。ノイトは防御魔術に守られてダメージを受けずに、爆発の衝撃波だけを受けて空中へと飛び戻る。
「あなたは制度を守ろうとしている側ですよね...?制度と秩序の違いがあると言うのならば、それを説明してくださいよ。」
ファルムはノイトに聞き返されて言い返せなくなってしまった。それを見たノイトが【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を右手で強く握る。
「即答出来ないようでは...」
[大文字][斜体]「制度は、社会の平和により守られるものだ!秩序は、制度によって設けられる社会の状態の一つだ!」[/斜体][/大文字]
「なら、"社会の平和"って何なんでしょうね...?」
[大文字][斜体]「っ...!!秩序が整っている状態だ!」[/斜体][/大文字]
ノイトはまだ足に展開されていたフィルマリーの防御魔術を蹴って空中で回転し、右腕を大きく振りかぶる。
「状態を状態で説明しないでくださいよ...。」
[大文字][斜体]「待て!感情で論理を壊そうとするな!!私の論理が...」[/斜体][/大文字]
「感情が論理を超えることだってあると思いますけどね...?壊されたくない[漢字]制度[/漢字][ふりがな]モノ[/ふりがな]なら、死ぬ気で守れ!」
[中央寄せ][太字][斜体][大文字]〔[明朝体][漢字]魔力斬[/漢字][ふりがな]マギノ・スラッシュ[/ふりがな][/明朝体]〕[/大文字][/斜体][/太字][/中央寄せ]
ノイトの斬撃がファルムの剣を砕き、ファルムは斬撃に斬り飛ばされて遥か遠くへと飛んでいった。
「ふぅ...意外とゴリ押しで勝てるもんだな...。」
ノイトは中央広場の方を少し俯瞰で振り返る。丁度足元にはリオールの炎の渦が壺のような形になっていて他の七賢たちを閉じ込めている。
(さてと...フィルさんが1人倒してくれてたから、これで残りは4人か。...ん?何か忘れているような...[大文字][斜体]あっ!![/斜体][/大文字])
ノイトは武器を構えて中央広場へと跳ぼうとする。丁度ノイトの足元にフィルマリーが防御魔術を展開してくれたため、それを足場に下へと跳んでいく。
(フィルさん、ナイス!このまま...)
その刃が振るわれた先は――。
[大文字][中央寄せ][斜体][明朝体][太字]ガキンッ[/太字][/明朝体][/斜体][/中央寄せ][/大文字]
ノイトの武器がユプシーバの攻撃を弾いた。
[斜体][大文字]「何だ!またお前か!!俺の邪魔をするな!その女性は俺の[漢字]愛人[/漢字][ふりがな]もの[/ふりがな]だ!!」[/大文字][/斜体]
「違う。この子は僕の大事な仲間だ。」
メルクはノイトが助けに来てくれたことに気がついて目元に浮かべていた涙を我慢しきれずに流してしまう。
「ノイ、ノイト...!!怖かったぁ...!!」
メルクがノイトに泣きつく。それを見ていたユプシーバがノイトを怒鳴り散らかす。
[大文字][斜体]「俺の愛人を!寝取るなァァ!!俺が、その人と幸せになるんだァ!!」[/斜体][/大文字]
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体][斜体]ガキンッ[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
[太字][斜体]「徒言を抜かすな。ド変態マゾ野郎。」[/斜体][/太字]
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体][斜体]ガキンッ[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
[斜体][大文字]「黙れェ!!一度俺に破れたお前にィ!何が出来るんだァ!!」[/大文字][/斜体]
「―革命。」
[中央寄せ][太字][大文字][明朝体]『[斜体][漢字]閼愛流霞勢[/漢字][ふりがな]アラブルカゼ[/ふりがな][/斜体]』[/明朝体][/大文字][/太字][/中央寄せ]
メルクの無数の斬撃がユプシーバを絶え間なく襲う。剣と魔術では耐えきれなかったユプシーバは、メルクの斬撃に押されて中央広場を囲っていた壁に衝突し、その衝撃でユプシーバの上から壁の砕片が降ってくる。後は[明朝体]"金ダライのお約束"[/明朝体]の通りだった。
メルクはノイトに飛びつく。
「もぉっ!!頑張ってたのは分かるけど、遅いよ!」
(あぁ、そうか...そう言えば、〔[漢字]時夢姫[/漢字][ふりがな]シンデレラ[/ふりがな]〕はメルの前で使ったこと無かったな...。)
メルクはノイトの腕を掴んで離さなかった。ノイトも取り敢えずリーリャの件を経験したため、そっとしておくことにする。
「ノイトが処刑されちゃう、って聞いたから急いで連れてきてもらったのに...まだ"ありがとう"の5文字も聞いてないんだけど?」
メルクがぷくっと頬を膨らませて上目遣いでノイトを見ている。
「ハァ...そうだったね。まだ、言えてなかった...。メル、ありがとね。」
ノイトから感謝の言葉を受けてメルクは満足そうに喜んだ。
「えへへ...///」
(そういえば...メルって僕より歳上だけど、やっぱり僕よりも小柄なのか...。僕に飛びついてきたとは言え、それでも僕の方が高いな...。)
ノイトは再び【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を握る力を強くする。まだ古い制度を守ろうとする七賢は4人も残っているのだ。残りの4人全員がリオールの炎の壺に閉じ込められていて未だに何もしてこないのだが。
「メル、もう少しだけ手伝ってくれるかな?ちょっとこの国の制度が気に入らなくてね...今丁度壊してるとこ。」
メルクは満面の笑みで黒いローブを翻し、僅かに歪んだスティレットを構えた。
「うん、分かった!」
リオールはずっと炎の魔術を操って他の七賢たちを閉じ込めていた。
「ハァ...流石に僕でも七賢を長時間閉じ込めておくのはキツイかな...?」
七賢たちはちゃんと抵抗している。内側から破られそうなのを上から炎で包んで凌いでいるだけであるため、リオールは少しずつ魔力を消耗している。
「リオールさん、手伝いますよ。」
「あぁ、ノイト。助かるよ。」
ノイトは革の手袋の魔具を手にはめて炎を壺に向かって魔法を放った。
[中央寄せ][[漢字][太字]獄炎[/太字][/漢字][ふりがな]インフェルノ[/ふりがな]][/中央寄せ]
賢者に対して放つことで罰を受けるのは魔術であって、魔法ではない。つまり、ノイトは上級魔法を使うことで上手くシステムから逃げているのだ。
「ノイト、僕ももうあまり長くは持たない。何か手を打ってくれ。」
「大丈夫ですよ、リオールさん。リーリャやメルが居ますし、フィルさんだって今は住人たちの避難の手助けをしてくれています。いざというときは僕が時間を稼ぐんで、安心してください!」
「ノイト...頼もしくなったなぁ!流石、僕の自慢の教え子だ!!」
それで気が緩んだのか、炎の壺が内側から破られてしまった。流石にノイトの上級魔法では七賢を抑えることは出来ない。
「メル、右の人を頼んだ。」
「了解っ!」
メルクは瞬時に跳び上がって1番右に居た者に攻撃を仕掛ける。
「リオールさんは左の人を。」
「待て、残りの2人はノイトが1人で相手をするつもりか...?」
ノイトはニヤリと笑った。
「大丈夫ですよ。まだ[漢字]友達[/漢字][ふりがな]切り札[/ふりがな]が残ってますから。」
その時、中央広場から少し離れた塔から緋い炎の矢が飛んでくる。それが七賢の1人に命中し、恐らく七賢はウェルダンになった。いくら七賢であろうと炎を壺を破った直後は防御魔術が展開出来ない。そして、この炎は“記憶の魔神”ゲデニスに留めを刺したものだ。その矢を放ったのはノイトの[漢字]友達[/漢字][ふりがな]パートナー[/ふりがな]である。
[中央寄せ][太字]超級魔法:[大文字][明朝体]『[漢字]獄炎弓箭[/漢字][ふりがな]プロクス・ヴェロス[/ふりがな]』[/明朝体][/大文字][/太字][/中央寄せ]
「ほら、言ったでしょう。[漢字]友達[/漢字][ふりがな]パートナー[/ふりがな]とは、1番付き合いが長いんでね。」
ノイトの言葉を聞いたリオールは微笑んでノイトの指示に従い、七賢の1人と対峙する。
他の七賢もリオールの相手をしようとしたが、それをメルクとノイトが妨害する。ノイトはいかにも賢者という感じの見た目の老人の相手をした。
「え〜っと...ヴォーグさん、でしたっけ...?」
「叡智無き子供に興味はない...。往ね。」
「嫌ですよ。叡智だか何だか知りませんけど、それで驕り高ぶる連中のトップを見過ごすわけにもいきません。」
ヴォーグの静かな怒りを感じたが、ノイトは怖気つくことなく余裕の笑みで対峙している。