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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#66

66.反乱(1)

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

待賢都市・グレイベアルドの中央広場にて、ノイトが賢者に楯突いた罪で処刑されることになっていたが、それを防ぐべく。メルクとフィルマリーもグレイベアルドに駆けつけた。
「ハァ...もう少し強くなってからノイトくんと再会しようと思ってたんだけどな〜。...でもまぁ、しょうがないか。ノイトくんが処刑されちゃうのはもっと嫌だしね。」
「メル...!」
ノイトの首に振り下ろされようとしたユプシーバの剣をメルクが弾いたのが見えたリーリャは、中央広場の近くの見張り台で[漢字]魔法[/漢字][ふりがな]えんそう[/ふりがな]の準備を整えていた。
「よし...ここからなら私の魔法も届く!!」

[大文字][斜体]「何だお前は!お前も俺に楯突こうと言うのか!! ...あれ、...かわいい...!」[/斜体][/大文字]
「はぁ?」
メルクはユプシーバに以外なことを言われて不機嫌そうだ。
「メル、そいつはリーリャを勝手に[漢字]婚約者[/漢字][ふりがな]フィアンセ[/ふりがな]とか呼んで連れ去ろうとしたエフェボだから、容赦しなくて良いよ。」
「えぇ〜、気持ち悪〜い...。」
ユプシーバはメルクの言葉を聞いて少し頬を赤らめている。
(あ...マゾ気質もあったのか...。リーリャだけじゃなくてメルにも手を出そうとしてないか...?なおさら許せないな...。)
「ノイトさん、大丈夫ですか〜?」
笑顔でノイトの背後から声をかけたのはフィルマリーだった。ノイトは安心の笑みを浮かべる。
「フィルさん...来てくれたんですね。...ありがとうございます。」
「これは...賢者に許可なく魔術を放った際に自動で適用される強制拘束システうですね。ユプシーバさんに向かって魔術を放ったのですか?」
ノイトはフィルマリーに聞かれてことの経緯を説明する。
「実は、あのエフェボ騎士賢者がリーリャを見た途端に[漢字]婚約者[/漢字][ふりがな]フィアンセ[/ふりがな]にするとかほざき始めて...それでリーリャをかけて決闘をする羽目になったんです。何故か。それで僕が魔術を[漢字]変態野郎[/漢字][ふりがな]あれ[/ふりがな]に向かって放ったら瞬時に拘束されてこのザマですよ。」
フィルマリーはノイトの成長に喜びを感じながらもユプシーバへの不満を露わにする。
「ノイトさんが、ついに魔術を...!!本当にあなたはスゴい人ですね...。なおさらコレクションに加えたい...。...それにしても私のノイトさんを処刑しようだなんて、許せませんね...。それに、ノイトさんを拘束したこの街のシステムも許せません。全部、壊しちゃいましょうか...。」
(え、怖っ...発想があまりにも極端過ぎる...。でも、この街の制度で苦しんでいる人だっているだろうし...。)
[水平線]

[中央寄せ][太字]上級魔術:[大文字]『ᛞᛁᚡᛁᛞᛖ ᛁᛏ』[/大文字][/太字][/中央寄せ]

[水平線]
フィルマリーの上級魔術でノイトの拘束が解けた。身動きが取れるようになったノイトはマジックバッグから[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]を飲んで魔力を回復し、瞬時に治癒魔法で頬や腕に出来た傷を再生する。
「ノイトさん...!助けてあげたんですから、後でご褒美くださいね?」
フィルマリーの言葉を聞いてノイトは振り返らずに空を見て少し考えてから振り返って答える。


「...分かりました。助けてくれて、ありがとうございます。」
その時のノイトの表情には、どこか寂しさも混ざっていた。見ているこちらが悲しくなりそうな、優しい笑顔。そんなノイトの表情を向けられたフィルマリーも、流石に心に響くものを感じる。
「それじゃあ、[漢字]そう[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]しましょうか。」
「...?」
ノイトは一度目を閉じて少し俯いた後、親指で後ろに広がる街を指してニヤリと笑って宣言した。
[太字]「[明朝体][斜体]この街、ぶっ壊しちゃいましょう。[/斜体][/明朝体]」[/太字]

(この都市は"待賢"を前提に制度と街が作られている。恐らく、そういう教育で住人たちもそれが当たり前だと思っているんだろう。...それでも、上下関係はいずれ自惚れと不満を呼ぶ。遅かれ早かれこの街は自ずと壊れてもおかしくはなかった。)
中央広場でノイトの処刑を見に来た人たちがユプシーバの見えない小さな斬撃に襲われている。どうやら、メルクを力ずくで自分のものにしようとしているらしい。
[斜体][大文字]「邪魔だ、愚民どもォ!!俺は賢者!お前たちはゴミだァ!!」[/大文字][/斜体]
「うわ、何あれ酷ぉ...。」
メルクでも流石に中央広場の全員を庇いながらユプシーバを止めることは出来ない。それに、無理に全員を庇おうとすれば自分がユプシーバに捕まってしまった何をされるか分からない。
「ノイトくんでもあれはエフェボだって言ってたし、このザマじゃ住人たちの不満も高まるだろうね...。」

処刑台の上に居たフィルマリーはリオールに気がついた。
「ん?あれ、リオールくん!久しぶり!!」
「...!!フィルマリーか!久しぶりだな!ノイトと知り合いなのか?」
フィルマリーとリオールは学生時代の同級生だったらしい。2人は同い年...となるとフィルマリーはまだ行き遅れではない。ギリギリだが。
「この前私のお店に来たんですよ〜!80万ケルスの聖剣と聖鎧セットに目を付けられてね〜、お金が足りなさそうだったから見物料とハグ代とゲリラ特売セールで売っちゃった☆」
フィルマリーは随分楽しそうに話している。恐らくノイトに"仲直りのぎゅー"を求めたときと同じように、信頼出来る人物の前ではタメ口で自然体なのだろう。
ノイトは没収されていた【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を預かっていた兵士から取り返して構える。
「リオールさん、フィルさん。それじゃあ...始めましょうか。」
処刑台の上の3人は、制度への不満を晴らすときが来たことを実感するのだった。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はノイトの救出が救出される場面を描きました。果たしてノイトたちは待賢都市・グレイベアルドの賢者たちを相手に、どう都市を崩壊させていくのか?次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/23 13:02

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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