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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#62

62.模擬戦

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

リオールが七賢会を終えてから数分後。近くのベンチでノイトとリーリャがアイスを食べて待っていた。
「お待たせ〜。いや〜、さっきは驚いたよ!まさかノイトが魔神と戦ったなんてね!!」
ノイトはリーリャと同じ、バニラアイスを食べながらリオールに反応する。
「まぁ、僕としても世界に7体しか居ない魔神と2回も相まみえる事になるなんて思いませんでした。」
「それでも、ノイトはスゴかったよ!!前線で魔神に立ち向かってたし、さっきなんかほぼ1人で戦ってたじゃん!!」
リーリャはアイスを美味しそうに食べていた。ノイトは武器と魔神の相性が良かっただけだと言うが、それでも魔神は魔神だ。
「それでも魔神2体を再び封印する訳でもなく討伐したんだ。その功績は十分上級魔道士に値する。残念ながら、自分の教え子を魔道士として推薦するのは出来ないんだが、他の魔道士や賢者たちに認められれば魔道士だって夢じゃないぞ?」
「いや…僕は別に魔道士になりたかった訳じゃないんですけどね。」
(リーリャの記憶も以前より戻ってきてるし、[漢字]あの街[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]にでも行けば後は時間の問題だろうね...。)
リオールは2人にある提案をした。
「今から僕の家に来て模擬戦をしないか?僕が勝ったら魔神の情報を教えて貰おう。」
「それで、僕が勝ったら何をしてくれるんですか…?」
「…上級魔術と腕の良い杖職人を紹介しよう。」
リーリャはノイトの横顔をじっと見つめている。ノイトは視界の端にこちらを見つめるリーリャの顔がある事を感じながらもリオールの提案に乗るかを考えた。
(どうするかな...。今の僕が戦ったら確実に負けるだろうけど、見て学べるものもあるかもしれないしな…?)
ノイトはリオールの提案に乗ることにした。頷いたノイトを見てリオールが無詠唱で[漢字]空間転移[/漢字][ふりがな]テレポート[/ふりがな]をする。
ノイトとリーリャは次の瞬間には広い庭のような場所に立っていて、目の前にはリオールが立っている。どうやらここはリオールの家の庭のようだ。緑に包まれた噴水が遠くに見える。
(豪邸だ...。こんなところに住んでたのか、この人は...!)
リオールが手をこちらにかざして声を上げた。
「ほら、ノイトの魔力と体力はある程度回復しておいたから。それじゃあ、スタート。」
ノイトは咄嗟にマジックバッグから【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を取り出して自分の前へと引き寄せる。次の瞬間、ノイトはリオールの無詠唱上級魔術に飲み込まれていた。

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]ゴオオオオオオッ[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

赤みを帯びた[漢字]黎[/漢字][ふりがな]くろ[/ふりがな]い炎。リオールの指先から真っ直ぐとノイトへ放たれた魔術はやがてリオールの指を離れ、ノイトを巻き上げる炎の上昇旋風となる。
「[大文字][斜体]ノイト!![/斜体][/大文字]」
声すらも上げられず巻き上げられるノイトの影を見て、リーリャは反射的にリオールに向かって魔法を放つ。

[中央寄せ][太字]超級魔法:[大文字]『[明朝体][漢字]獄炎弓箭[/漢字][ふりがな]プロクス・ヴェロス[/ふりがな][/明朝体]』[/大文字][/太字][/中央寄せ]

しかし、リオールはノールックで無詠唱の防御魔術を展開してそれをいとも簡単に防いだ。
「ふん...ノイト、そんなものか〜?魔神はもっと容赦ないと思うけどね〜?」
純粋な強さがノイト上空へと巻き上げる。ノイトは視界だけではなく全身が炎に包まれている中で必死に考える。
[大文字][斜体](熱っ...!!いや、もう熱いなんてものじゃないぞこれは...本気を出されてたら間違いなく蒸発してた!! ...どうする、〔[漢字]魔力斬[/漢字][ふりがな]マギノ・スラッシュ[/ふりがな]〕を放てば間違いなくリオールさんが大怪我をする。何ならそれで済むかも微妙だし、かと言ってこのまま防戦一方だと確実に負ける...!負けるのは別に構わないけど、多分リオールさんは僕の全力を見るまで攻撃を止めない...。)[/斜体][/大文字]
リオールは別に悪意があるわけではない。その証拠に、リーリャに対しては特に何もしていない。本気でノイトを怒らせようとしていたらリーリャを人質にするか、既に命を奪っている。それをしないのは、悪意や殺意が全くないからだ。

[中央寄せ][大文字][斜体][太字]〔[明朝体][漢字]魔力反射[/漢字][ふりがな]マギノ・リフレクト[/ふりがな][/明朝体]〕[/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

リオールの魔術がノイトの武器に弾き飛ばされた。弾き飛ばされた炎はそのままさらに上空へと打ち上げられ、そして再びノイトを飲み込もうと追ってくる。ノイトは[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]に魔力を込めながら剣を振るった。

[中央寄せ][大文字][太字]〔[明朝体][漢字]魔力斬[/漢字][ふりがな]マギノ・スラッシュ[/ふりがな][/明朝体]〕[/太字][/大文字][/中央寄せ]

ノイトの斬撃は炎を斬り上げて見えなくなる高さまで吹き飛ばした。ノイトが軽やかに着地した瞬間、リオールがいつの間にか放っていた真空の刃がノイトの頬を掠めた。
([斜体]速い...!!避けるのはギリギリかっ![/斜体])
さらに真空の刃がノイトを襲うが、その刃がノイトの顔に当たる直前でノイトが沈んだ。リオールは冷静にノイトの様子を確認している。
(ほう...。地形操作か...基本だが、かなり応用も組み合わせているようだし。なかなかやるじゃないか。)
ノイトは立っていた地面を魔法で軟化させ、身体を沈ませることで攻撃を回避した。さらに地面が鋭い槍の形になり、リオールに突き刺さろうとするが、リオールはそれを軽やかに跳んでかわす。
「ノイト...無詠唱魔法も使えるようになったのか。成長したな。」
[斜体]「お陰様、でっ!!」[/斜体]
ノイトが一瞬で距離を詰めてリオールを追撃するが、剣をリオールに向かって振るう直前でリオールの罠をかわした。ノイトの足元には影で出来た複数の手。これはノイトも迷宮都市・モスクルで使用していた上級魔法だ。ノイトは敢えて一歩を踏み外すことで足を影の手に掴まれること無くリオールに近づくことが出来た。
しかし、ノイトの攻撃はリオールの防御魔術によって受け止められてしまう。だが、ノイトは僅かに口元を緩めて静かに[漢字]それ[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]を唱えた。
[水平線]

[中央寄せ][太字]上級魔術:[大文字]『ᛞᛁᚡᛁᛞᛖ ᛁᛏ』[/大文字][/太字][/中央寄せ]

[水平線]


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はノイトとリオールの模擬戦の前半を描きました。リオールは全然本気を出していませんし、ノイト側も躊躇いがあるのでなかなか決着が付きそうにないですが...。次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや席あかんについての感想も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/20 20:45

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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