世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
エリア〚ヴェルグランド大陸/魔導都市・マギノシティ〛
3人はヴェルグランド大陸の港から最も近いの都市である魔導都市・マギノシティに訪れていた。
「街の名前がマギノシティってそのままだよね〜。...でも、魔導技術で栄えたこの街なら学びがたくさんありそう...。」
メルクの言葉を聞いてノイトはツッコんだ。
「メルがこれ以上強くなったら僕たちが置いていかれちゃうよ。」
「え〜、ノイトくんも本気出したら強いんでしょ?」
「いや、僕よりも強い人なんてたくさんいるよ。マトモに戦えばレイクさんとかカメリア様とかドメリアスさんの方が上だろうし...。」
ノイトはリーリャの方を見る。リーリャは魔法で動いている看板や箒などを見てはしゃいでいた。
「ハロウィンとかにまた来てみたいな〜。...あれ、この世界ってハロウィンあるのかな?」
魔法で溢れたこの街なら新しい魔法との出会いがあるかもしれないと思い、ノイトは辺りを見回す。すると、ノイトの目にある店が留まった。
(あれは...魔具の店か...。行ってみよう。)
「リーリャ、メル、魔具の店があるみたいだからちょっと覗いてみよう。」
「分かった!」
「魔法の杖〜!」
店の中に入ると紫色のローブを着た店員の女性が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。何かお探しですか?」
(おぉ...なかなか美人だけど...僕には響かないな。)
ノイトは店員の女性に丈夫そうな魔法の杖がないかを尋ねる。
「もちろんありますよ。奥にたくさん揃えてあるので、是非見ていってください。」
3人は奥の部屋へと通されてそこに並んでいる魔具を見た。
「すごい数...!!あ、ノイトくん!あれが良い!木で出来てるやつ!!」
「あんまりお金ないって言ってるじゃん...高っ。」
メルクが指差した魔具の値札を見ると5万ケルスと書かれている。ノイトの反応を見て店員の女性がノイトに訪ねた。
「お金、ないんですか...?」
「あ、はい...食料を買うお金の余りで魔具でも買おうかなと思っていて...」
それを聞いて店員の女性がある提案をする。
「それなら、何か買い取りましょうか?もし必要ないものがあれば買い取りますし、どうしてもお金が必要であれば労働の賃金や何かの見物料でも良いですよ。」
(労働基本法がない分から、どれだけの時間で何をさせられるか分からないから労働は止めておこうかな。)
「う〜ん...売れそうなものは特にないので何かの見物料をいただきたいところですけど...。」
店員の女性は笑顔のままノイトに声をかけた。
「取り敢えず、どうしても見せられないようなもの以外はマジックバッグから出して見せてください。」
(ん?いきなり...?まぁ、別に良いか。取られたら真っ二つにしてやろう。)
ノイトはマジックバッグの中身を順番に取り出す。ノイトが普段使っている革の手袋の魔具や[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]。何かの鍵に、ブランケット5枚。その他には水分やメモ帳など。
「わぁ...たくさん持ち歩いているのですね...。しかし、どれも見たことあるものばかりですね...これだけでは見物料はせいぜい4ケルス程度だと...。」
(安っ...ケチってるのかどうか知らないけど、それは安すぎる。ジュース2本しか買えないじゃん。)
ノイトは店員の女性に悪意があるのかどうか疑いつつもお金は必要だったので奥の手を出すことにした。
「それなら...これはどうですか?【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】と言って、高純度の[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製です。[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]の結晶を施しているので魔力も溜められます。」
店員の女性は目を輝かせた。
「これは...!! ...そうですね、買い取りでしたら200万ケルスは下りませんけど...見物料だと18万6500ケルスですね!」
「それじゃあ、その杖と残りの13万6500ケルスをいただきましょうか。」
「ありがとうございま〜す!!」
ノイトは魔法の杖をメルクに渡す。
「やった〜!!ノイトくん、ありがとう!金欠卒業だね!!」
「それは引きずらなくて良いんだよ...。」
メルクの様子を見てリーリャも何かが欲しくなったようだ。リーリャは店員の女性に話しかける。
「あの...私からもお見せしたいものが...」
「それじゃあ、見せてもらいましょうか。」
リーリャは白い手袋の魔具を付けてピアノを弾くように指を動かし、「パッサカリア」を演奏する。リーリャにとってはルミナスのためにピアノを練習する良い機会に、店員の女性にとっては未知と出会う良い機会になってwin-winだろう。
ノイトはその間にメルクを連れて他の魔具を見ている。その中でノイトはあるものに興味を引かれた。
「これは...聖剣と聖鎧...?ルミナスに似合いそうだな...。すみません、これいくらですか?」
店員の女性は笑顔で振り返って答えた。
「あ、それ合わせて80万ケルスです。」
「「高っ!!」」
流石に安いわけは無いと思っていたが高すぎる。1ケルスが前世で言うところの60円相当であるため、この聖剣と聖鎧のセットは前世では4800万円相当ということである。ノイトのような年齢の子供にとっては大金だ。
ノイトは他に見物料を取れるものが無いか必死に考えるが、店員の女性は笑ったまま続ける。
「こちらのお嬢さんの演奏と魔具で、見物料15万ケルスです。演奏していただいた曲も聞いたことない曲ですし、とても綺麗でした。まるで水が流れているかのような...、あっすみません。それに、この魔具...元々は黒いものだったのでしょうが、恐らく超級魔法を使ったことで色が白色に変わったのでしょう。なかなか珍しいので見物料を上乗せしておきました。」
ノイトは驚いた。リーリャが以前貿易都市・レミステラでエスミルト騎士団のルベリアに買ってもらったという、手袋の魔具が元々黒色だったことをノイトは初めて知った。
「魔法が魔具にも影響をもたらすんですね...!」
「あぁ、そうだ。そちらのお嬢さんの黒いローブ。それも結構珍しいですね。マジックバッグと同じようにものを収納できるものなので、中には何か入っているんじゃないですか?」
メルクは店員の女性の勘の鋭さに驚きすぎて少し引いている。
「勘が鋭いんですね...このスティレットなんかは[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製ですし、こっちの黒いグローブの魔具もあまり世に出回っているものじゃありませんよね?」
店員の女性は頷いた。
「はい。そちらの魔具も初めて見ました。あなたたちはすごいですね、お高いものをこんなにたくさん持ち歩いていらして。追加で見物料26万ケルス差し上げましょう。」
ノイトはメモ帳に筆算して必要な金額を計算する。
(え〜っと...?あと25万3500ケルスも必要なのか...。しょうがないから[漢字]労働[/漢字][ふりがな]バイト[/ふりがな]するか?)
店員の女性はノイトの所持金がまだ足りないことを察して他の案を唱える。
「まだ足りないようでしたら...もし私を楽しませていただければ、特別に30%引きにしてあげましょうか?」
ノイトは労働は嫌だったのでその案に乗ることにした。
「分かりました。それで行きましょう。」
ノイトの真剣な眼差しを受けた店員の女性は遅ればせながらも自己紹介をする。
「申し遅れて居ましたが...私は[太字]フィルマリー[/太字]。この店の店主を務めていますが、元・魔道士です。」
エリア〚ヴェルグランド大陸/魔導都市・マギノシティ〛
3人はヴェルグランド大陸の港から最も近いの都市である魔導都市・マギノシティに訪れていた。
「街の名前がマギノシティってそのままだよね〜。...でも、魔導技術で栄えたこの街なら学びがたくさんありそう...。」
メルクの言葉を聞いてノイトはツッコんだ。
「メルがこれ以上強くなったら僕たちが置いていかれちゃうよ。」
「え〜、ノイトくんも本気出したら強いんでしょ?」
「いや、僕よりも強い人なんてたくさんいるよ。マトモに戦えばレイクさんとかカメリア様とかドメリアスさんの方が上だろうし...。」
ノイトはリーリャの方を見る。リーリャは魔法で動いている看板や箒などを見てはしゃいでいた。
「ハロウィンとかにまた来てみたいな〜。...あれ、この世界ってハロウィンあるのかな?」
魔法で溢れたこの街なら新しい魔法との出会いがあるかもしれないと思い、ノイトは辺りを見回す。すると、ノイトの目にある店が留まった。
(あれは...魔具の店か...。行ってみよう。)
「リーリャ、メル、魔具の店があるみたいだからちょっと覗いてみよう。」
「分かった!」
「魔法の杖〜!」
店の中に入ると紫色のローブを着た店員の女性が出迎えてくれた。
「いらっしゃい。何かお探しですか?」
(おぉ...なかなか美人だけど...僕には響かないな。)
ノイトは店員の女性に丈夫そうな魔法の杖がないかを尋ねる。
「もちろんありますよ。奥にたくさん揃えてあるので、是非見ていってください。」
3人は奥の部屋へと通されてそこに並んでいる魔具を見た。
「すごい数...!!あ、ノイトくん!あれが良い!木で出来てるやつ!!」
「あんまりお金ないって言ってるじゃん...高っ。」
メルクが指差した魔具の値札を見ると5万ケルスと書かれている。ノイトの反応を見て店員の女性がノイトに訪ねた。
「お金、ないんですか...?」
「あ、はい...食料を買うお金の余りで魔具でも買おうかなと思っていて...」
それを聞いて店員の女性がある提案をする。
「それなら、何か買い取りましょうか?もし必要ないものがあれば買い取りますし、どうしてもお金が必要であれば労働の賃金や何かの見物料でも良いですよ。」
(労働基本法がない分から、どれだけの時間で何をさせられるか分からないから労働は止めておこうかな。)
「う〜ん...売れそうなものは特にないので何かの見物料をいただきたいところですけど...。」
店員の女性は笑顔のままノイトに声をかけた。
「取り敢えず、どうしても見せられないようなもの以外はマジックバッグから出して見せてください。」
(ん?いきなり...?まぁ、別に良いか。取られたら真っ二つにしてやろう。)
ノイトはマジックバッグの中身を順番に取り出す。ノイトが普段使っている革の手袋の魔具や[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]。何かの鍵に、ブランケット5枚。その他には水分やメモ帳など。
「わぁ...たくさん持ち歩いているのですね...。しかし、どれも見たことあるものばかりですね...これだけでは見物料はせいぜい4ケルス程度だと...。」
(安っ...ケチってるのかどうか知らないけど、それは安すぎる。ジュース2本しか買えないじゃん。)
ノイトは店員の女性に悪意があるのかどうか疑いつつもお金は必要だったので奥の手を出すことにした。
「それなら...これはどうですか?【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】と言って、高純度の[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製です。[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]の結晶を施しているので魔力も溜められます。」
店員の女性は目を輝かせた。
「これは...!! ...そうですね、買い取りでしたら200万ケルスは下りませんけど...見物料だと18万6500ケルスですね!」
「それじゃあ、その杖と残りの13万6500ケルスをいただきましょうか。」
「ありがとうございま〜す!!」
ノイトは魔法の杖をメルクに渡す。
「やった〜!!ノイトくん、ありがとう!金欠卒業だね!!」
「それは引きずらなくて良いんだよ...。」
メルクの様子を見てリーリャも何かが欲しくなったようだ。リーリャは店員の女性に話しかける。
「あの...私からもお見せしたいものが...」
「それじゃあ、見せてもらいましょうか。」
リーリャは白い手袋の魔具を付けてピアノを弾くように指を動かし、「パッサカリア」を演奏する。リーリャにとってはルミナスのためにピアノを練習する良い機会に、店員の女性にとっては未知と出会う良い機会になってwin-winだろう。
ノイトはその間にメルクを連れて他の魔具を見ている。その中でノイトはあるものに興味を引かれた。
「これは...聖剣と聖鎧...?ルミナスに似合いそうだな...。すみません、これいくらですか?」
店員の女性は笑顔で振り返って答えた。
「あ、それ合わせて80万ケルスです。」
「「高っ!!」」
流石に安いわけは無いと思っていたが高すぎる。1ケルスが前世で言うところの60円相当であるため、この聖剣と聖鎧のセットは前世では4800万円相当ということである。ノイトのような年齢の子供にとっては大金だ。
ノイトは他に見物料を取れるものが無いか必死に考えるが、店員の女性は笑ったまま続ける。
「こちらのお嬢さんの演奏と魔具で、見物料15万ケルスです。演奏していただいた曲も聞いたことない曲ですし、とても綺麗でした。まるで水が流れているかのような...、あっすみません。それに、この魔具...元々は黒いものだったのでしょうが、恐らく超級魔法を使ったことで色が白色に変わったのでしょう。なかなか珍しいので見物料を上乗せしておきました。」
ノイトは驚いた。リーリャが以前貿易都市・レミステラでエスミルト騎士団のルベリアに買ってもらったという、手袋の魔具が元々黒色だったことをノイトは初めて知った。
「魔法が魔具にも影響をもたらすんですね...!」
「あぁ、そうだ。そちらのお嬢さんの黒いローブ。それも結構珍しいですね。マジックバッグと同じようにものを収納できるものなので、中には何か入っているんじゃないですか?」
メルクは店員の女性の勘の鋭さに驚きすぎて少し引いている。
「勘が鋭いんですね...このスティレットなんかは[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製ですし、こっちの黒いグローブの魔具もあまり世に出回っているものじゃありませんよね?」
店員の女性は頷いた。
「はい。そちらの魔具も初めて見ました。あなたたちはすごいですね、お高いものをこんなにたくさん持ち歩いていらして。追加で見物料26万ケルス差し上げましょう。」
ノイトはメモ帳に筆算して必要な金額を計算する。
(え〜っと...?あと25万3500ケルスも必要なのか...。しょうがないから[漢字]労働[/漢字][ふりがな]バイト[/ふりがな]するか?)
店員の女性はノイトの所持金がまだ足りないことを察して他の案を唱える。
「まだ足りないようでしたら...もし私を楽しませていただければ、特別に30%引きにしてあげましょうか?」
ノイトは労働は嫌だったのでその案に乗ることにした。
「分かりました。それで行きましょう。」
ノイトの真剣な眼差しを受けた店員の女性は遅ればせながらも自己紹介をする。
「申し遅れて居ましたが...私は[太字]フィルマリー[/太字]。この店の店主を務めていますが、元・魔道士です。」