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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#48

48.女王様への疑惑

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

ルミナスが音楽堂の舞台から落下しそうになっている。遠くの席で舞台の様子を見ていた王族や中央貴族たちは思わず息を飲む。第一王女のカメリアと、王様の側に立っていたレイクは咄嗟に舞台へと飛び出した。ノイトに着いていって舞台裏に丁度居たメルクも咄嗟にルミナスを助けるために飛び出す。
リーリャも目の前のルミナスが前世のリーリャに重なって見えてしまい、必死に助けようと手を伸ばす。
[斜体](届かない...そんな...!!ルミナス様...!!)[/斜体]
舞台から落ちてしまったルミナスの身体を受け止めたのは他の誰でもないノイトだった。
[明朝体][太字]「[大文字]!![/大文字]」[/太字][/明朝体]
ノイトは文字通りのお姫様抱っこをしてルミナスを受け止め、観客席に一緒に落ちる。
[斜体](...もう手が塞がっていて魔法や道具は使えない...!!足を後ろへ!)[/斜体]
1番手前の観客席の椅子の方へと足を伸ばして何とか着地をする。
[斜体][大文字]「いでっ!!」[/大文字][/斜体]
そうやら一つ後ろの席まで倒れてしまって背中を打ち付けたようだ。それでもノイトはルミナスの心配をする。
「[斜体]うっ[/斜体]...ルミナ、大丈夫...?怖かったよね...もう大丈夫だから、安心してね。」
王族や中央貴族たちがいる席の方からは僅かだが安堵のため息が聞こえてきた。ちなみに先程ルミナスを助けようと跳んできたレイクとカメリアはちゃんと空中で身体をひねって観客席の椅子を蹴って舞台の上に着地している。恐らくカメリアの戦闘能力の高さはレイクの稽古が影響しているのだろう。ルミナスはノイトに抱えられたままじっとノイトを見ている。ノイトも全然降りようとしないルミナスを見てどうしたのか尋ねた。
「...?ルミナ、どうしたの?」
ルミナは堰を切ったようにノイトにしがみつく。どうやら泣きそうになったのを堪えているらしい。
「ちょっ、大丈夫?!どこか痛かったの!?」
[明朝体][太字]「違います...!!お兄ちゃんが...ノイト様が私のことを助けてくださって...」[/太字][/明朝体]
リーリャは舞台の上に座り込んだまま深い溜息をついた。
「良かった...本当に...!!」
ノイトはルミナスをそっと降ろそうとしたが、ルミナスは全然離れない。仕方がないのでその状態のままノルティーク王の元まで運んでいった。
ノイトが王族専用の席に着くとルミナスはようやくノイトの腕の中から降りる。ノルティーク王が笑いながらノイトに話しかけた。
[大文字][明朝体][太字]「ノイト君...どうだ?私の後を継ぐ気はないか?」[/太字][/明朝体][/大文字]
ノイトはぎょっとした。王子たちの後継ぎ争いに巻き込まれる気はないのですかさず断る。
「遠慮させていただきます...。」
[明朝体][大文字][太字]「そうか...興味はないのか...。いや何、私の娘を救ってくれたお礼に何か褒美を取らせなくてはと思ってな...?」[/太字][/大文字][/明朝体]
「必要ありませんよ。...ところで、女王様と第一王子様のお姿が見えませんが...別用でしょうか?」
第二王子・アルグレードがノイトの質問に答えた。
[明朝体]「母上は現在罹患のため、王城にて静養中です。兄はラクスドルム大陸へ遠征中のため暫くの間は帰ってきません。」[/明朝体]
「左様でございましたか...。わざわざお答えくださり、ありがとうございます。」
ノイトはアルグレードにお辞儀をしてからルミナスに話しかける。
「ルミナ、僕はそろそろ行かないと。もうこの国での用事は済ませたから、また旅に出ないと。」
ルミナスは少しさびしそうするがにノイトの言葉に頷いた。そこで口を開いたのはいつの間にかこの階まで上がってきていたレイクだ。
[大文字]「その前に、ノイトくん。女王様が君とお話したいとおっしゃっている。是非来てもらいたい。」[/大文字]
「女王様が...僕に?...分かりました。それじゃあルミナ、また後でね。」
ノイトはルミナに軽く手を振ってからレイクの後に続いて王城へと先に入る。リーリャとメルクはカメリアの買い物に付き合わされるようだった。

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[中央寄せ]エリア〚ノルティーク帝国・王城〛[/中央寄せ]

レイクがある部屋の扉を開けた。
[大文字]「ご静養中、失礼します。先日申し上げました少年を連れてまいりました。」[/大文字]
振り返ったのは白いベッドの上で寝ていた女性。頭や腕に白い布を巻いているのは、きっとそこに病気の症状が出ているからだろう。
[明朝体]「はじめまして、ノイトさん。私はこの国の女王の、[太字]イズベラ・ノルティーク[/太字]と申します。」[/明朝体]
弱々しい声を聞いてノイトは心配するが、女王はそのまま話を続けた。
[明朝体]「私は大丈夫です。...あなたはあの魔神を倒したそうですね。そして窓から見た景色の中にはあなたと一緒に居てこの上なく楽しそうなルミナスの顔があった...。私はもうこの先長くありませんが...娘をよろしくお願いしますね。」[/明朝体]
女王のお願いを聞いてノイトは真剣な眼差しで答える。
「はい。分かりました。僕に出来る範囲であれば娘さんにご尽力致します。」
[明朝体]「ありがとう...6番目の子だからどうも他の子たちと比べられていてね...。ツライこともたくさん抱えていたと思うの。だから、あの子のあんな笑顔を引き出せるあなたを、私は信じています。」[/明朝体]
ノイトは女王の言葉に何か引っかかるものを感じつつも、深くお辞儀をして部屋を出た。レイクはまだ女王と何かを話しているようだが、恐らくノイトが聞いていても意味がないことだろう。
ノイトは王城の前に居るリーリャとメルク、そしてルミナスを見て合流しようと通路を引き返していった。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はルミナスの危機から女王との面会までを描きました。ノイトが最後に感じた違和感は一体何だったのか...。次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/15 21:11

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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