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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#46

46.旧・王立音楽堂 パルモニカ

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

ノイトはルミナスに連れられてルミナスの自室のバルコニーに立っていた。
「もう一つ...?どうしたの?」
ルミナスを王城の外に連れ出すことを断ってしまったノイトは次のお願いは慎重に受け止めなければいけないと感じながらルミナスの言葉の続きを待っている。
ルミナスは少し赤みを帯びた顔でじっとノイトのことを見つめていたが、やがて口を開いた。
[明朝体][太字]「その、ノイト様は私にも敬語を使わずに話していただけますし、何だか一緒にいると安心するんです。ですから...[斜体]お兄ちゃん[/斜体]と読んでもよろしいでしょうか?!」[/太字][/明朝体]
(やばい、某ラノベの展開が浮かんできてしまう...。でもまぁしょうがないか。さっきは断っちゃったんだし、今度のお願いは別に大した問題にはならないだろう。)
「うん、それは全然構わないよ。」
[明朝体][太字][大文字]「ありがとうございます!!お兄ちゃん!!」[/大文字][/太字][/明朝体]
ノイトはその日はすぐに客室に移動して眠ることにした。客室の場所をルミナスに教えてもらって通路を進んでいく。
(何でこんなにフラグが立つんだ...?どうにか好感度を上げすぎずに保てないかな...。)
客室に入ったノイトは中に居たリーリャとメルクと合流した。
「ノイト!!どこ行ってたの?」
「どうせ王女様と話してたんでしょ〜。何話してたの?」
「う〜ん、王城から連れ出してほしいだのお兄ちゃん呼びしたいだの言ってたかな〜。」
メルクはノイトの言葉に敏感に反応する。
「お兄ちゃん呼び...?それってベルゼ、[太字][大文字][斜体][明朝体]ングッ[/明朝体][/斜体][/大文字][/太字]」
すかさずノイトがメルクの口を塞いだ。リーリャはノイトにカメリアと話したことを伝える。
「ノイト、実はさっきカメリアさんに音楽堂のことを聞いてみたんだけど、普段は使われていないんだって。でもね、私の演奏を聞いた王様たちが私たちなら使っても良いって許可を出してくれたの!」
ノイトはリーリャの発言に驚いた。
「え、リーリャが許可を取ってくれたの?ありがとう。僕がルミナか王様に直々にお願いしようと思ってたんだけど、リーリャがさっき演奏を披露してくれたお陰で助かったよ。」
「えへへ...///」
ノイトは翌日に『旧・王立音楽堂 パルモニカ』に向かうことにした。

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[中央寄せ]エリア〚旧・王立音楽堂 パルモニカ〛[/中央寄せ]

広い。とにかく広い。今まで訪れた『失われた古城』や『幸福のチャペル』よりも広く、本格的な音楽堂だ。舞台の中央には巨大なパイプオルガンが置いてあって、客席の数も2階席や3階席を含めてざっと2000席分はある。
「こ、こんなすごいところで演奏するの...?」
「う〜ん...強く生きてね。」
余計なことを言ってリーリャを傷つけないように控えめに励ましたノイトだったが、リーリャが緊張してしまうのも無理はないと考える。その場にはノイトとリーリャとメルクだけではなく、王族とごく一部の中央貴族、そしてレイクおmいるからだ。ルミナスはノイトの隣の席に座ってリーリャの演奏を楽しみに待っている。軽く足をパタパタさせながら身体を横に揺らして鼻歌まで歌っている様子はとてもかわいらしい。メルクはノイトを挟んでルミナスとは反対側の席に座っていて、ノイトがルミナスをじっと見ている様子を見て話しかける。
「どうしたの?じーっと見つめちゃって。...[漢字]へべ[/漢字][ふりがな][大文字][太字]・・[/太字][/大文字][/ふりがな]なの?」
「違う。」
「あ〜、やっぱりエフェボだったか〜。私じゃダメ?」
「変なこと言い出すな!」
メルクはノイトが思っている以上にあまりよろしくない知識を持ち合わせているようだった。ノイトも大概だが。
[明朝体][太字]「お兄ちゃん、どうしたの?」[/太字][/明朝体]
メルクはルミナスがのノイトのことを本当にお兄ちゃん呼びしているのを知って不満そうな顔をする。ノイトはルミナスに何でもないと伝え、舞台の上のリーリャを見た。
(う〜ん...緊張してるみたいだなぁ...。どうにかしないと。)
ノイトは手を前へとかざし、小声で魔法を唱える。
[中央寄せ][[太字][漢字]明光[/漢字][ふりがな]ライト[/ふりがな][/太字]][/中央寄せ]
ノイトの手のひらから僅かな光が広がった。それはリーリャの視界に映り、リーリャの左手の中指の指輪が蒼い光を放つ。リーリャは『失われた古城』での出来事を思い出した。
(そうだ...。あの魔法は『失われた古城』でノイトが使った魔法だ...それに、私が初めて魔法を使えたのもあのとき。ノイト...私、頑張るね。)
こちらを見つめるリーリャの目から覚悟を感じ取ったノイトは微笑んで静かに頷く。ノイトの魔法に気が付いたのは舞台の上のリーリャとノイトの隣のルミナスと、空気中の微細な魔力の揺れを感じ取ったレイクだけだった。
リーリャがパイプオルガンの椅子に座る。観客たちがリーリャを見た。視線が集まる中、リーリャの左手中指は照明を透過して鍵盤にその光を写す。やがてリーリャの指が鍵盤を押し「いと高きにある神にのみ栄光あれ」※が演奏される。

[中央寄せ]『超級魔法:[大文字][明朝体][漢字][太字]幻想奏楽[/太字][/漢字][ふりがな]パフォーマンス[/ふりがな][/明朝体][/大文字]』[/中央寄せ]

※「いと高きにある神にのみ栄光あれ BWV66」/ヨハン・セバスティアン・バッハ


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はルミナスとの関係の進展とリーリャがノルティーク帝国最後の三大音楽堂で演奏するまでを描きました。次回はリーリャの演奏であることが発覚し...?次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/15 17:16

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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