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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#44

44.双立正義

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

リーリャとメルクはルミナスと自己紹介をしているようだ。その間、ノイトは特にすることがなかったので近くのテーブルの料理を少し口にしてみた。
(うん...!!おいしい!流石は王城の食事、豪華だね。どれも3000ケルスはくだらないな...。)
そのとき、いつの間にかノイトの背後に居た第一王女・カメリアが耳元で話しかけてきた。
[水平線]
[明朝体]「こんばんは。」[/明朝体]
[水平線]
思わず声が出そうになったがこらえて後ろを振り返る。その瞬間、反射的に身体を仰け反らせたら、丁度身体があったところの空気が切れた。その速い何かが押しのけた空気が顔に風として当たる。攻撃速度ならメルクと同等かそれ以上かもしれない。
(速っ...。)
ルミナスはカメリアがノイトに近づいてきていたことに気が付いて注意する。
[明朝体][太字]「お姉様、城内で剣を振るうのは止めてください!危うくノイト様に当たるところでしたよ!!」[/太字][/明朝体]
ルミナスの真剣な眼差しを受けてカメリアは軽く謝った。
[明朝体]「いや〜、ごめんごめん。本当に魔神を倒したんだったらこのくらいの攻撃なら避けられるかな〜って思って...。あぁ、すみません。申し遅れましたが、私はノルティーク帝国 第一王女のカメリアと言います。どうぞよろしくお願い致します。」[/明朝体]
「はじめまして、カメリア様。僕はノイト=ソルフォトスです。こちらこそよろし」
[中央寄せ][大文字][斜体]『[太字][明朝体][漢字]灼愛射閼召[/漢字][ふりがな]ヤマナイアメ[/ふりがな][/明朝体][/太字]』[/斜体][/大文字][/中央寄せ]
メルクの攻撃は大広間中を駆け巡ったが、何事も無かったかのようにカメリアは元いた場所に着地した。
「メル、いきなりどうしたの?周りの貴族たちがすごくメルのこと見てるよ?」
ノイトの言葉を聞いたメルクはカメリアをじっと睨みながら答える。
「まぁ、私くらい綺麗な女性が居れば誰し目を奪われてしまうものでしょ?ノイトくんも、私に惚れちゃっても良いんだよ?」
「うん、そっか。止めとこう。」
メルクとカメリアは笑顔のまま睨み合っていた。何故そうなったのか、ノイトとリーリャとルミナスには分からない。
「ねぇ、ノイト。どうしてメルクと第一王女様はあんなに笑顔で見つめ合っているの?」
「睨み合ってる、の方が正しいかもな...あれは。」
犬猿の仲、と呼ぶのに相応しいだろう。ノイトは今にも戦い始めそうな2人をなだめようと間に割って入ろうとしたが、ノイトが一歩踏み出した瞬間に2人は戦い始めた。
(遅かったか...。どうしよう。ここは人も多いから僕かレイクさんが止めに入るべきだよな。)
ノイトは足を踏み出したが、マジックバッグを接客室においていってしまっていたことに気が付いて立ち止まる。
(あれ...マジックバッグ置いてきちゃった...?丸腰で間に入ったら確実に大怪我をする。どうしよう...。)
そんなノイトの些細な葛藤も束の間、次の瞬間には2人の間に割って入った男が居た。2人は小さな双剣で攻撃を止められたことに驚いている。
[明朝体]「[/明朝体]「ド[明朝体]メ[/明朝体]リ[明朝体]ア[/明朝体]ス[明朝体]さ[/明朝体]ん[明朝体]...[/明朝体]!?[明朝体]」[/明朝体]」
「ハァ...これだからガキのお[漢字]守[/漢字][ふりがな]も[/ふりがな]りは疲れるんだよ...。」
ドメリアスはその武器をぐにゃぐにゃとした銀色のものに戻した状態でメルクに渡した。
「ほらよ。以前そこのガキに作ってもらったんだったろ?借りたものはちゃんと返すのが仁義ってもんだ。」
メルクがその塊を受け取るとカメリアは一歩踏み出した。しかし、次の瞬間にはドメリアスの魔法で縛られている。
「[斜体]...?![/斜体]」
ドメリアスが使ったのは無詠唱の[漢字]金縛り[/漢字][ふりがな]パライシス[/ふりがな]。当然カメリアも血の気が多いとは言え王族であるため、さらに次の瞬間にはレイクが跳んできていた。
[大文字]「王女様の拘束を解いてもらおう。」[/大文字]
「断る。このまま野放しにしてたらこの部屋が吹き飛ぶぞ?」
リーリャは直感的にこの吹き飛ぶという表現がノイトの魔法のことであると気づく。ルミナスはたくさんの情報が流れ込んできて何が起こっているのかが上手く理解出来ていないようだ。
[明朝体][太字]「ノイト様...?これは一体どのような状況なのですか...?」[/太字][/明朝体]
「う〜ん...互いの正義がぶつかり合おうとしているところ、かな。」
レイクの拳がドメリアスの左手で受け止められた。
(おぉ、こっちも速いな。)
続いてレイクの拳や蹴りがドメリアスに向かって飛んでいくが、どれもドメリアスが受け止める。ドメリアスも決して余裕ではない様子であるため、ドメリアスが魔法を使ってほぼ互角だろう。大広間の貴族たちは端の方へと寄って中心の攻防を見ている。ノイトは王族たちの方を見るが、特に気にした様子はないようだった。
「速いし見た目よりも一撃が重いでしょ、あれ...。」
「なんか...コロフェリスって結構平和だったんだね。」
「いや、どうだろう...。ノイトくんが着たときはかなり平和だったけど、酷いときは死人も出てたよ?」
ノイトとリーリャとメルクは2人の戦いを見ている。
[大文字][太字][明朝体]「ふむ...これが世にいう組み手というやつか?」[/明朝体][/太字][/大文字]
(ついにボケたぞこの王様!王子や王女がカバーすべきなのに...1人は縛られてるし、1人は僕の右腕を掴んで離してくれないし、残りは観戦中...。世も末だな。)
ノイトはマジックバッグを取りに行こうと思い、ルミナスに話しかけた。
「ルミナ、ちょっと接客室に忘れ物取りに行ってくるね。」
[明朝体][太字]「分かりました。私はここで待っていれば良いのでしょうか?」[/太字][/明朝体]
「そうだね。すぐに戻るから。」
そう言ってノイトは大広間から出て接客室へと戻っていった。その一方で、リーリャはあることを思いついて大広間の中を見渡し、あるものを見つけた。
(よし...あれなら、止められるかも...!!)


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はドメリアスとレイク、それぞれの正義が少し擦れていましたね。正義と正義がぶつかったときは、一体どうすれば良いのでしょうか?次回はその中でも最も簡単で手軽な方法をリーリャが試してくれます。次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての感想も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/14 23:36

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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