世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
王城の大広間にテーブルと椅子が並べられている。大広間の上の階には王族専用の特別席が設けられていて、他の客は大広間のフロア上で料理と談笑を楽しんでいた。大広間にルミナスとルミナスに手を引かれるノイトが入ってきて大広間がざわつく。
[小文字]「あれが魔神と戦ったという...」
[右寄せ]「ルミナス様にもついに良い相手が...」[/右寄せ]
[中央寄せ]「随分貧相な服装ですこと」[/中央寄せ]
[右寄せ]「本当にあんな子どもが...」[/右寄せ]
「騙されてるんじゃないのか?」[/小文字]
そこでノルティーク王が咳払いをして大広間は静まり返った。
[明朝体][太字]「父上、遅れてしまい申し訳ありません。こちらの方が魔神・マズロインの討伐に多大な貢献をしていただいたノイト様です!」[/太字][/明朝体]
王様はノイトの方を見る。ノイトは視線に気が付いてすぐに頭を下げて挨拶をした。
「突然の無礼を失礼いたしました。僕は、ノルストラ近隣に位置するミストルの町で時計塔の管理を任されていた、ノイト=ソルフォトスと言う者です。この度は第2王女様にお招きいただき、誠に恐縮ながらこの場へと足を踏み入れさせていただいております。」
[大文字][明朝体][太字]「...私の娘とは一体どういう関係かね?」[/太字][/明朝体][/大文字]
「はい?」
ノイトはやらかした。あまりにも突然なことであったため思わず口から声を漏らしてしまった。ノイトは慌てて謝罪する。
「失礼しました。僕はルミナス殿下とはこれと言って特別な関係ではございませんが、つい先程ルミナス様は敬語を使わずにお話しして構わないと申し上げられました。」
(やばい...!!慌てすぎて敬語がズタズタだ...。)
ノルティーク王はノイトをじっと見てしばらくの間黙っていた。ノイトは珍しく内心で焦っている。もちろんそれを表に出すような真似はしないが。その様子を見て王様が口を開く。
[大文字][明朝体][太字]「ノイト=ソルフォトス...今の言葉に偽りは無いな?」[/太字][/明朝体][/大文字]
[大文字]「はい。」[/大文字]
[大文字][明朝体][太字]「魔神討伐に貢献したと言うのも?」[/太字][/明朝体][/大文字]
[大文字]「はい。」[/大文字]
[大文字][明朝体][太字]「娘との関係を隠しているのも?」[/太字][/明朝体][/大文字]
「違います。ルミナス様は僕にとってそこまで深いつながりがある人物ではありません。」
ノルティーク王は深くため息をついた。場の空気が重い。そして王様が再び話し始める。
[大文字][明朝体][太字]「いや、そうであったか。客人にとんだ無礼を。申し訳ない。娘が先ほど突然紹介したい人がいると言い出しおってな。父親としてはどうにも気張ってしまうものなのだよ。」[/太字][/明朝体][/大文字]
先ほどまでとは打って変わって人の良い男性になった。歳は60代くらいであろうが、外見年齢以上に元気に見える。
ちなみに、ノイトは完全に大広間中の視線を集めていたので次にどうするのかを考えるので必死だ。
(えっと、...どうしよう。目立ってる。次の動きでまた周りの視線が集まる。やばい。どうしよう。えっと。どう...え?どうしよう。あぁもうこれだからコミュ障は...!!)
[大文字]「ノイト!!」[/大文字]
そんなノイトを救ったのはリーリャであった。大広間の中でメルクと一緒に出されている料理を食べている。
[大文字][明朝体][太字]「ノイト君も、今夜は好きなだけ食べていくと良い。今夜の主役は君だ。」[/太字][/明朝体][/大文字]
「あ、はは...。それではお構いなく喫させていただきましょうか...。」
ノイトはリーリャとメルクの方へと向かおうとした。しかし、いつの間にかノイトの袖を掴んでいたルミナスが離さない。
「...?どう、されましたか...ルミナス[漢字]様[/漢字][ふりがな][太字][大文字]・[/大文字][/太字][/ふりがな]?」
ルミナスは頬を膨らませてノイトの方をじっと見る。
[明朝体][太字]「一緒に食べたい...。」[/太字][/明朝体]
(あ、敬語じゃなくなったな...。)
「僕は別に構いませんよ。」
ノイトの返事を聞いてルミナスはパッと笑顔になった。
[明朝体][太字]「ありがとうございます。それでは、ご一緒させてもらいましょう。」[/太字][/明朝体]
ノイトはルミナスと一緒にリーリャとメルクの元に向かった。
[大文字][明朝体][太字](ノイト君、か...。ルミナスはかなり気に入っているようだが、彼自身はどうか...。)[/太字][/明朝体][/大文字]
ノイトとルミナスを見て考え事をしている王様の隣にレイクが歩いてきた。レイクはノルティークの隣でノイトのことを説明し始める。
[大文字]「彼は私と同じ[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製の武器を扱っていました。恐らくは私と同じで鍛冶職人のムールに[漢字]鍛造[/漢字][ふりがな]つく[/ふりがな]って貰ったものかと。」[/大文字]
王族専用の席にいるのは王だけではない。他の王女や王子もノイトに興味があるようだ。
[明朝体]「レイク、後で僕の部屋で彼の戦い方について教えて貰えるか?」[/明朝体]
[大文字]「はい、アルグレード様。承知しました。」[/大文字]
精悍な顔つきの第二王子が先にレイクの説明の予約を取ってしまい、第一王女のカメリアがすねている。
[明朝体]「え〜、アル兄ずる〜い...。それじゃあ私は後で本人に直接聞くもんね!」[/明朝体]
兄に張り合っている姉に内心呆れながらも、真顔でずっと本を呼んでいる銀髪の第三王子が口を開いた。
[明朝体]「姉様こそ、本人に直接聞くなんて姑息な真似は控えるべきだと思いますがね。」[/明朝体]
[大文字][明朝体]「何よ!興味ないフリして1番気になってるのはリブラム、あんたの方でしょ!!」[/明朝体][/大文字]
リブラムは無視した。
[大文字][明朝体]「ちょっと!無視しないでよ〜!」[/明朝体][/大文字]
ノイトは少し離れた場所から聞こえる声を聞き流しながらリーリャとメルクと合流し、女子2人はルミナスと改めて自己紹介からすることになったのだった。
王城の大広間にテーブルと椅子が並べられている。大広間の上の階には王族専用の特別席が設けられていて、他の客は大広間のフロア上で料理と談笑を楽しんでいた。大広間にルミナスとルミナスに手を引かれるノイトが入ってきて大広間がざわつく。
[小文字]「あれが魔神と戦ったという...」
[右寄せ]「ルミナス様にもついに良い相手が...」[/右寄せ]
[中央寄せ]「随分貧相な服装ですこと」[/中央寄せ]
[右寄せ]「本当にあんな子どもが...」[/右寄せ]
「騙されてるんじゃないのか?」[/小文字]
そこでノルティーク王が咳払いをして大広間は静まり返った。
[明朝体][太字]「父上、遅れてしまい申し訳ありません。こちらの方が魔神・マズロインの討伐に多大な貢献をしていただいたノイト様です!」[/太字][/明朝体]
王様はノイトの方を見る。ノイトは視線に気が付いてすぐに頭を下げて挨拶をした。
「突然の無礼を失礼いたしました。僕は、ノルストラ近隣に位置するミストルの町で時計塔の管理を任されていた、ノイト=ソルフォトスと言う者です。この度は第2王女様にお招きいただき、誠に恐縮ながらこの場へと足を踏み入れさせていただいております。」
[大文字][明朝体][太字]「...私の娘とは一体どういう関係かね?」[/太字][/明朝体][/大文字]
「はい?」
ノイトはやらかした。あまりにも突然なことであったため思わず口から声を漏らしてしまった。ノイトは慌てて謝罪する。
「失礼しました。僕はルミナス殿下とはこれと言って特別な関係ではございませんが、つい先程ルミナス様は敬語を使わずにお話しして構わないと申し上げられました。」
(やばい...!!慌てすぎて敬語がズタズタだ...。)
ノルティーク王はノイトをじっと見てしばらくの間黙っていた。ノイトは珍しく内心で焦っている。もちろんそれを表に出すような真似はしないが。その様子を見て王様が口を開く。
[大文字][明朝体][太字]「ノイト=ソルフォトス...今の言葉に偽りは無いな?」[/太字][/明朝体][/大文字]
[大文字]「はい。」[/大文字]
[大文字][明朝体][太字]「魔神討伐に貢献したと言うのも?」[/太字][/明朝体][/大文字]
[大文字]「はい。」[/大文字]
[大文字][明朝体][太字]「娘との関係を隠しているのも?」[/太字][/明朝体][/大文字]
「違います。ルミナス様は僕にとってそこまで深いつながりがある人物ではありません。」
ノルティーク王は深くため息をついた。場の空気が重い。そして王様が再び話し始める。
[大文字][明朝体][太字]「いや、そうであったか。客人にとんだ無礼を。申し訳ない。娘が先ほど突然紹介したい人がいると言い出しおってな。父親としてはどうにも気張ってしまうものなのだよ。」[/太字][/明朝体][/大文字]
先ほどまでとは打って変わって人の良い男性になった。歳は60代くらいであろうが、外見年齢以上に元気に見える。
ちなみに、ノイトは完全に大広間中の視線を集めていたので次にどうするのかを考えるので必死だ。
(えっと、...どうしよう。目立ってる。次の動きでまた周りの視線が集まる。やばい。どうしよう。えっと。どう...え?どうしよう。あぁもうこれだからコミュ障は...!!)
[大文字]「ノイト!!」[/大文字]
そんなノイトを救ったのはリーリャであった。大広間の中でメルクと一緒に出されている料理を食べている。
[大文字][明朝体][太字]「ノイト君も、今夜は好きなだけ食べていくと良い。今夜の主役は君だ。」[/太字][/明朝体][/大文字]
「あ、はは...。それではお構いなく喫させていただきましょうか...。」
ノイトはリーリャとメルクの方へと向かおうとした。しかし、いつの間にかノイトの袖を掴んでいたルミナスが離さない。
「...?どう、されましたか...ルミナス[漢字]様[/漢字][ふりがな][太字][大文字]・[/大文字][/太字][/ふりがな]?」
ルミナスは頬を膨らませてノイトの方をじっと見る。
[明朝体][太字]「一緒に食べたい...。」[/太字][/明朝体]
(あ、敬語じゃなくなったな...。)
「僕は別に構いませんよ。」
ノイトの返事を聞いてルミナスはパッと笑顔になった。
[明朝体][太字]「ありがとうございます。それでは、ご一緒させてもらいましょう。」[/太字][/明朝体]
ノイトはルミナスと一緒にリーリャとメルクの元に向かった。
[大文字][明朝体][太字](ノイト君、か...。ルミナスはかなり気に入っているようだが、彼自身はどうか...。)[/太字][/明朝体][/大文字]
ノイトとルミナスを見て考え事をしている王様の隣にレイクが歩いてきた。レイクはノルティークの隣でノイトのことを説明し始める。
[大文字]「彼は私と同じ[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製の武器を扱っていました。恐らくは私と同じで鍛冶職人のムールに[漢字]鍛造[/漢字][ふりがな]つく[/ふりがな]って貰ったものかと。」[/大文字]
王族専用の席にいるのは王だけではない。他の王女や王子もノイトに興味があるようだ。
[明朝体]「レイク、後で僕の部屋で彼の戦い方について教えて貰えるか?」[/明朝体]
[大文字]「はい、アルグレード様。承知しました。」[/大文字]
精悍な顔つきの第二王子が先にレイクの説明の予約を取ってしまい、第一王女のカメリアがすねている。
[明朝体]「え〜、アル兄ずる〜い...。それじゃあ私は後で本人に直接聞くもんね!」[/明朝体]
兄に張り合っている姉に内心呆れながらも、真顔でずっと本を呼んでいる銀髪の第三王子が口を開いた。
[明朝体]「姉様こそ、本人に直接聞くなんて姑息な真似は控えるべきだと思いますがね。」[/明朝体]
[大文字][明朝体]「何よ!興味ないフリして1番気になってるのはリブラム、あんたの方でしょ!!」[/明朝体][/大文字]
リブラムは無視した。
[大文字][明朝体]「ちょっと!無視しないでよ〜!」[/明朝体][/大文字]
ノイトは少し離れた場所から聞こえる声を聞き流しながらリーリャとメルクと合流し、女子2人はルミナスと改めて自己紹介からすることになったのだった。