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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#42

42.第2王女・ルミナス

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

ノルティーク帝国の王城の接客室で何故か第2王女ルミナスと2人きりになったノイトはルミナスに言われたことを脳内で繰り返す。

――[明朝体]ノイト様、私と話すときは敬語を使っていただかなくても構いません。私のことも是非、ルミナスとお呼びください!![/明朝体]

ノイトは何故王女が余所者であるノイトにタメ口で話して良いと言ったのか理解出来ず、その真意を尋ねた。
「...どうしてタメ口で話し、呼び捨てで呼ばれたいのですか?」
[明朝体][太字]「それは...私もこのような身分ですし、あまり気軽に接していただける方もいません。私が敬語を使わなくても良いと伝えても、皆恐れ多いと躊躇ってしまうのです。」[/太字][/明朝体]
ノイトは何となく予想通りの答えだと想いながらも質問を続ける。
「では、何故僕なのでしょうか?僕は偶然魔神と遭遇して、偶然生き残った者です。その程度の人間が偶然王女様を呼び捨てにするなど、そんな権利はないでしょう。」
[明朝体][太字]「[大文字][斜体]それでも[/斜体][/大文字]っ、......それでも私はあなたが良いのです。」[/太字][/明朝体]
(理由になってないな...まぁそれはしょうがないか。王族が文法や論理を学ぶ義務は無いし、何かを感じることに理由があるんじゃなくて何かを感じたことが全てなんだろう。それに、まだまだ子どもで僕よりも歳下だね。僕がこの世界に転生してから数えても王女様の方が若い。)
ルピナはノイトをじっと見つめる。ノイトはどうすれば良いのか分からず、取り敢えずルミナスを見つめ返した。
[明朝体][太字]「あの、ノイト様...?私はどうしてあなたが良いのでしょうか?」[/太字][/明朝体]
「(知りませんよそんなこと。僕はあなたじゃないんです。)さぁ...?理由があると思えば、それはあるのでしょうが...僕には分かりませんね。関連するものから連想されるものを思い浮かべて辿っていけばいつか理由が見つかるのでは?」
[明朝体][太字]「関連するもの...ですか?」[/太字][/明朝体]
まだ理解出来ていない様子のルミナスを見て、ノイトは説明を始めた。
「例えば、僕のことに興味を持ったきっかけ...魔神討伐の報告から始めてみましょうか。魔神討伐の報告の中に僕の情報が含まれていたのでしょう?その報告を受けたとき、どのように感じたのかを思い出してみてください。」
ノイトの話を聞いてルミナスは少し考え込んだ。ノイトはいつの間にか話題が大幅にズレていることに気づくも、ルミナスが真剣に考えていたため今はまだ指摘しないことにした。しばらくしてルミナスが答える。
[明朝体][太字]「魔神は、とても恐ろしいものだと言うことは知っています。私のようなものでは一切太刀打ち出来ないことも。だからこそ、そんな怪物を討伐出来た人というのはとても強くて頼もしい者なのだと考えました。そして...、[斜体]あっ[/斜体]」[/太字][/明朝体]
ルミナスは何かに気が付いたように声を上げ、咄嗟に口元を手で押さえた。何があったのか知る由もないノイトは首を傾げてルミナスを見守っている。やがてルミナスは口元から恐る恐る手をズラして軽く拳を握った。心做しか頬を少し赤らめている。
(ん...?どうしたんだろう、キョドっちゃって...何かあったのかな?)
[明朝体][太字]「あっ、えっと...その...!!もしかしたら、分かっちゃったかもしれないです。」[/太字][/明朝体]
「そうですか、良かったですね!ちなみに、どんなものがお聞かせ願えますか?無理に話していただく必要はありませんが...。」
ルミナスはキョロキョロと動かしていた目をノイトの方へと固定し、口を開いた。

[明朝体][太字]「多分......ノイト様がかっこいい方だと思ったから...、です。」[/太字][/明朝体]

ハーレムは御免だね。そんな言葉が頭に浮かんできたノイトだったが、ルミナスがちゃんと理由を見つけられたことを嬉しく思う。
「理由をちゃんと見つけられてよかったですね。その感覚を大事にしてください。」
[明朝体][太字]「ですから、敬語を使っていただかなくてよろしいと...。」[/太字][/明朝体]
ノイトはルミナスの勇気と素直さに根負けしてため息をついてから応えることにした。
「ハァ...そこまで言うならしょうがないかな...。ルミナス、いや...ちょっと呼びにくいな...、ルミナ。君がそう言うんだったら、僕に対しても敬語使わなくて良いよ。」
[明朝体][太字]「本当ですか?!ありがとうございます!! ...なんだか嬉しいです!!」[/太字][/明朝体]
ノイトはルミナスの喜ぶ顔を見て自身の顔も綻ばせる。
(そろそろ話題も戻したほうが良いよね...。)
「ところでルミナ、魔神の話を聞こうと思ったんじゃなかったの?」
[明朝体][太字]「あっ、すっかり忘れてました...!!せっかくお茶菓子まで用意していただきましたし、そろそろお聞かせ願いますっ!」[/太字][/明朝体]
「分かった。あれは本当に偶然だったんだけどね...」


ノイトは王城の接客室でルミナスに魔神との戦いのことを伝えた。ノイトの魔法のことも、レイクやロズウェルやイグの活躍も、マズロイン自身のことも、そしてもちろん、リーリャの魔法のことも。身を乗り出して楽しそうにノイトの話を聞くルミナスを見て、ノイト自身も話しやすいと思ったのだった。いつの間にか日が沈んで、夕食の時間が近づいていた。ルミナスは夕食でノイトたちの歓迎の宴を開くことを思い出してノイトを大広間へと連れて行こうと手を引く。ノイトはリーリャやメルクやレイク、そしてノルティーク帝国の王族と貴族が集まった食事会に期待を抱きながらルミナスと共に大広間へと向かうのだった。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はノイトとルミナスの距離が縮まりましたね。ノイト自身はハーレムは御免だと思っているので今のところリーリャ以外とは関係を深める気はないようですが、果たして主人公補正はどこまで適用されるのか...?次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/14 20:21

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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