世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノルティーク大陸にて栄えるノルティーク帝国。広大な市街と王城が大部分を占めるその国は、ある深刻な問題を抱えていた。隣の大陸であるヴェルグランド大陸にて栄えているとある国と戦争勃発寸前なのである。そんな状態の中、何も知らずにこのノルティーク帝国に入国して来た少年少女がいた。
白いシャツの上からカーキ色のボタン付きのシャツを着ていて、茶色のズボンと靴を履いている少年。少年は他に2人の少女を連れていて、1人は少年と同じくらいの年齢に、もう1人の黒いローブを着ている少女は2人よりも少し歳上に見えた。3人の様子を王城の窓からじっと見ている人物が居る。その人物は後ろに立っていた剣士・レイクに尋ねる。
[明朝体]「レイク、あの人たちで間違いないですか?」[/明朝体]
[大文字]「はい、あそこの少年がノイト=ソルフォトスです。ルミナス様。」[/大文字]
レイクにルミナスと呼ばれた少女が窓の外のノイトを見つめる。
[明朝体]「そうですか...せっかくこの国へと足を運んでくださったのです、歓迎の宴を開きましょう。彼らを王城へ招待致します。」[/明朝体]
[大文字]「御意に。」[/大文字]
ノイトは食事をするために街の中を歩いている。リーリャとメルクも隣に並んで店を探す。
「どこも美味しそうな匂いがするね!」
「ねぇノイトくん、早く食べよう?!どこから行く?」
はしゃいでいる2人にノイトが声をかける。
「まぁそんなに急がなくても大丈夫だよ。食べ物と食欲は逃げないし。」
「えぇ〜、でもお腹ペコペコだよ〜?」
「私、お肉食べた〜い!!」
ノイトの声掛けはあまり効果を来さず、2人は早く何かを食べたいようだった。そこで、前方から鎧と剣を携えた騎士たちが走ってきていた。
「ノイト、なんか騎士みたいな人たちが走ってきてるよ。」
「一応道の端に避けておくか。」
道の端へと歩いて様子を見ていたノイトの前で騎士たちが止まる。
「ノイト=ソルフォトスで間違いありませんね?王女様があなた方を王城へとご招待しております。我々がご案内致しますので、どうぞ。」
(((え...?)))
3人は状況が上手く飲み込めないまま騎士たちに案内されて王城へと向かうこととなったのであった。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[中央寄せ]エリア〚ノルティーク帝国・王城〛[/中央寄せ]
王城の前に到着したノイトたちは巨大な王城を見上げる。
「うわ〜、大きい!!これがノルティーク帝国の王城...。」
「やっぱり、伊達にこの大陸を治めているわけじゃないんだね...。」
女子2人の反応を見ながらノイトは案内してくれた騎士に何故自分が招待されたのかを尋ねる。騎士たちは困ったように顔を見合わせて答えた。
「さぁ...?申し訳ありませんが、我々もそこまでは存じ上げません。この度のご招待を決定された王女様に直接お聞きするのがよろしいかと。」
「そうですか...、分かりました。ありがとうございます。」
3人は再び騎士たちに案内されて王城の中へと入る。中央の居館の扉の先には高い天井とそれから吊り下げられた金色の豪華なシャンデリア、そして2階へと続く白い階段が左右に伸びている景色が広がっている。それを見た3人の反応は次の通り。
「うわぁ...すごい...!!」
「これが本物のお城...!!」
(とても既視感がある...。)
どうもノイトは以前リーリャと訪れた『失われた古城』を重ねてしまうようだった。間取りは似ているが、ここの城主はノルティーク帝国の国王なので関係はないのだろうとノイトは思考を切り替えた。そのとき、2階から少女の声が聞こえる。
[明朝体]「ようこそいらっしゃいました、ノイト様。」[/明朝体]
ノイトは声がする方を向く。そこにはプラチナブロンドの髪を持つ少女が居た。ノイトは直感的にその人が王女であり、ノイトをこの城へと前板張本人なのだと気がつく。
[明朝体]「はじめまして。私はノルティーク帝国 第2王女・ルミナスです。本日はこのような場所までお越し下さり、誠にありがとうございます。」[/明朝体]
「はじめまして。僕はノイト=ソルフォトスと言います。...本日は一体どのようなご要件でしょうか?」
リーリャとメルクは王女がノイトのことしか見ていないことに気が付いて自己紹介をするタイミングを逃したと感じていた。
[明朝体]「あなた様は先日“終焉の魔神”マズロインをの討伐に多大な貢献をなさったとお聞きしております。本日は是非その件について詳しくお聞かせ願います。」[/明朝体]
ノイトはルミナスの話を聞いて少し考える。もちろん魔神を倒したことは確かにこの大陸では話題になるが、ノイトがそれに貢献したという情報は広がっていないはずある。そこでノイトは1人の男を思い浮かべた。
「承知しました。...ところで、その話を王女様にされたのは...」
[大文字]「私だ。」[/大文字]
ノイトの後ろにはレイクが立っていた。リーリャとメルクはいつの間にかレイクが居たことに驚いている。
「レイクさん!!お久しぶりです!!」
「あなたが...レイクさん?」
[明朝体]「レイク、ここまでの手配ご苦労さまでした。私はノイト様とのお話がありますので、夕食の時間まではそちらのお二方のお相手をしていただけますか?」[/明朝体]
レイクはルミナスの方を向いて頭を下げる。
[大文字]「お受け致しましょう。」[/大文字]
リーリャとメルクはレイクに連れられるがままに別室へと移動していった。残されたノイトはルミナスに何を話せば良いのかを尋ねる。
「王女様、僕は一体何をお話しすればよろしいのでしょうか?」
[明朝体]「その前に、場所を変えましょう。こちらへお上がりください。」[/明朝体]
ノイトはルミナスに案内されて2階へと上がり、そのまま階段を上がって3階の部屋へと通された。
[明朝体]「こちらが接客室となっております。どうぞお掛けください。それでは早速...、いえ、その前に...。」[/明朝体]
ルピミナスは深く息を吸って吐き出した。そして笑顔を浮かべ、ノイトに親しげに話しかける。
[明朝体]「ノイト様、私と話すときは敬語を使っていただかなくても構いません。私のことも是非、ルミナスとお呼びください!!」[/明朝体]
笑顔のルミナスの翡翠色の瞳は、向かいの椅子に座ったノイトの姿を映していた。
ノルティーク大陸にて栄えるノルティーク帝国。広大な市街と王城が大部分を占めるその国は、ある深刻な問題を抱えていた。隣の大陸であるヴェルグランド大陸にて栄えているとある国と戦争勃発寸前なのである。そんな状態の中、何も知らずにこのノルティーク帝国に入国して来た少年少女がいた。
白いシャツの上からカーキ色のボタン付きのシャツを着ていて、茶色のズボンと靴を履いている少年。少年は他に2人の少女を連れていて、1人は少年と同じくらいの年齢に、もう1人の黒いローブを着ている少女は2人よりも少し歳上に見えた。3人の様子を王城の窓からじっと見ている人物が居る。その人物は後ろに立っていた剣士・レイクに尋ねる。
[明朝体]「レイク、あの人たちで間違いないですか?」[/明朝体]
[大文字]「はい、あそこの少年がノイト=ソルフォトスです。ルミナス様。」[/大文字]
レイクにルミナスと呼ばれた少女が窓の外のノイトを見つめる。
[明朝体]「そうですか...せっかくこの国へと足を運んでくださったのです、歓迎の宴を開きましょう。彼らを王城へ招待致します。」[/明朝体]
[大文字]「御意に。」[/大文字]
ノイトは食事をするために街の中を歩いている。リーリャとメルクも隣に並んで店を探す。
「どこも美味しそうな匂いがするね!」
「ねぇノイトくん、早く食べよう?!どこから行く?」
はしゃいでいる2人にノイトが声をかける。
「まぁそんなに急がなくても大丈夫だよ。食べ物と食欲は逃げないし。」
「えぇ〜、でもお腹ペコペコだよ〜?」
「私、お肉食べた〜い!!」
ノイトの声掛けはあまり効果を来さず、2人は早く何かを食べたいようだった。そこで、前方から鎧と剣を携えた騎士たちが走ってきていた。
「ノイト、なんか騎士みたいな人たちが走ってきてるよ。」
「一応道の端に避けておくか。」
道の端へと歩いて様子を見ていたノイトの前で騎士たちが止まる。
「ノイト=ソルフォトスで間違いありませんね?王女様があなた方を王城へとご招待しております。我々がご案内致しますので、どうぞ。」
(((え...?)))
3人は状況が上手く飲み込めないまま騎士たちに案内されて王城へと向かうこととなったのであった。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[中央寄せ]エリア〚ノルティーク帝国・王城〛[/中央寄せ]
王城の前に到着したノイトたちは巨大な王城を見上げる。
「うわ〜、大きい!!これがノルティーク帝国の王城...。」
「やっぱり、伊達にこの大陸を治めているわけじゃないんだね...。」
女子2人の反応を見ながらノイトは案内してくれた騎士に何故自分が招待されたのかを尋ねる。騎士たちは困ったように顔を見合わせて答えた。
「さぁ...?申し訳ありませんが、我々もそこまでは存じ上げません。この度のご招待を決定された王女様に直接お聞きするのがよろしいかと。」
「そうですか...、分かりました。ありがとうございます。」
3人は再び騎士たちに案内されて王城の中へと入る。中央の居館の扉の先には高い天井とそれから吊り下げられた金色の豪華なシャンデリア、そして2階へと続く白い階段が左右に伸びている景色が広がっている。それを見た3人の反応は次の通り。
「うわぁ...すごい...!!」
「これが本物のお城...!!」
(とても既視感がある...。)
どうもノイトは以前リーリャと訪れた『失われた古城』を重ねてしまうようだった。間取りは似ているが、ここの城主はノルティーク帝国の国王なので関係はないのだろうとノイトは思考を切り替えた。そのとき、2階から少女の声が聞こえる。
[明朝体]「ようこそいらっしゃいました、ノイト様。」[/明朝体]
ノイトは声がする方を向く。そこにはプラチナブロンドの髪を持つ少女が居た。ノイトは直感的にその人が王女であり、ノイトをこの城へと前板張本人なのだと気がつく。
[明朝体]「はじめまして。私はノルティーク帝国 第2王女・ルミナスです。本日はこのような場所までお越し下さり、誠にありがとうございます。」[/明朝体]
「はじめまして。僕はノイト=ソルフォトスと言います。...本日は一体どのようなご要件でしょうか?」
リーリャとメルクは王女がノイトのことしか見ていないことに気が付いて自己紹介をするタイミングを逃したと感じていた。
[明朝体]「あなた様は先日“終焉の魔神”マズロインをの討伐に多大な貢献をなさったとお聞きしております。本日は是非その件について詳しくお聞かせ願います。」[/明朝体]
ノイトはルミナスの話を聞いて少し考える。もちろん魔神を倒したことは確かにこの大陸では話題になるが、ノイトがそれに貢献したという情報は広がっていないはずある。そこでノイトは1人の男を思い浮かべた。
「承知しました。...ところで、その話を王女様にされたのは...」
[大文字]「私だ。」[/大文字]
ノイトの後ろにはレイクが立っていた。リーリャとメルクはいつの間にかレイクが居たことに驚いている。
「レイクさん!!お久しぶりです!!」
「あなたが...レイクさん?」
[明朝体]「レイク、ここまでの手配ご苦労さまでした。私はノイト様とのお話がありますので、夕食の時間まではそちらのお二方のお相手をしていただけますか?」[/明朝体]
レイクはルミナスの方を向いて頭を下げる。
[大文字]「お受け致しましょう。」[/大文字]
リーリャとメルクはレイクに連れられるがままに別室へと移動していった。残されたノイトはルミナスに何を話せば良いのかを尋ねる。
「王女様、僕は一体何をお話しすればよろしいのでしょうか?」
[明朝体]「その前に、場所を変えましょう。こちらへお上がりください。」[/明朝体]
ノイトはルミナスに案内されて2階へと上がり、そのまま階段を上がって3階の部屋へと通された。
[明朝体]「こちらが接客室となっております。どうぞお掛けください。それでは早速...、いえ、その前に...。」[/明朝体]
ルピミナスは深く息を吸って吐き出した。そして笑顔を浮かべ、ノイトに親しげに話しかける。
[明朝体]「ノイト様、私と話すときは敬語を使っていただかなくても構いません。私のことも是非、ルミナスとお呼びください!!」[/明朝体]
笑顔のルミナスの翡翠色の瞳は、向かいの椅子に座ったノイトの姿を映していた。