世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
3人は朝の風が肌に心地よく当たる道を歩いている。一晩泊まった森の焚き火やテントはノイトがマジックバッグにしまい、その森の原生生物にも大きな影響はないだろう。
「ノイトくん、昨日リーリャが言ってた レイクさん ってどのくらい強いの?」
「う〜ん、そうだな...魔神が本気だったときは流石に全部は捌ききれていなかった感じだけど、コロフェリスの元チャンピオンのアクレウスよりも断然強い。もしかしたらメルクよりも強いかもしれないけど。体術とかどうなんだろうね...?」
「確かノイトの武器と同じ素材で出来ている武器を持ってたよね。」
「現チャンピオンって一応ノイトくんだったよね?」
3人はノルティーク大陸最強の男を話題にしばらく話し続けながらどんどん話しがズレていっているが、ノルティーク帝国へと向かう道を辿っていった。しばらく歩いたところで遠くに灰色の城壁が見えてきた。
「ねぇ、ノイトくん。あそこ?」
「そうだね。地図の位置的にもあそこで間違いないみたい。あそこにノルティーク大陸の三大音楽堂の一つ、『旧・王立音楽堂 パルモニカ』があるよ。」
「...高脂血症治療薬?」
「違う違う。」
3人は灰色の城壁に近づくにつれて道が広くなってきていることに気づき、ノルティーク帝国へと近づいていることを実感する。
「もうすぐ着くんだね〜、王様ってどんな人かな?」
「僕は権力者が少し厄介だってことしか知らないからね...王様がマトモでも女王や王子王女が面倒な可能性もある。とにかく変な真似をしたらどうなるのか分からない。」
「ノイトくんなら王城ごと吹き飛ばせるでしょ!」
「レイクさんに消されるよ。」
ノイトはメルクのボケにいつも通りツッコんで完全に芸人の相方的ポジションにいる。当人はあまり望んでいないのだが。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
鉱山都市・エスミルトにて。騎士の格好をした男性たちが多く集まっている中、唯一カーキ色の軍服を着た女性が混ざっていた。彼女はロズウェルが率いる2番隊に加入することになったらしい。ロズウェルがその女性に声をかける。
「おめでとう。今日から君もエスミルト騎士団の一員だ、[斜体][太字]ラルカ[/太字][/斜体]。」
ラルカと呼ばれた女性は顔を上げてロズウェルを見た。金髪碧眼で、その目には闘志がたぎっている。肩章に飾緒、そして勲章(※自作)の一式を付けた軍服に身を包んだその女性は10代後半から20代前半のようで、ロズウェルたちエスミルト騎士団2番隊の面々を前にしても一切の怯みがない。
「[斜体][大文字]はい。[/大文字][/斜体]よろしくお願いします。」
(コイツ...一切隙がないな。内側から隊を乱されないように気を引き締めなければいけないな...。)
ロズウェルの隣に立つベルリスとモルディーも固唾を飲んでラルカの様子を見ていた。その場に居たラルカ以外の全員が、重たい沈黙が暗い部屋に満ちている時間が永遠に続くかのように感じられた。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトはふと足を止めた。リーリャとメルクは急に立ち止まったノイトに何かあったのかを聞くが、ノイトは答えずに背後の空を振り返った。
(何だろう...今、何か...。)
リーリャはノイトを黙ったままのじっと見つめている。
「どうしたの、ノイトくん。家の鍵でも閉め忘れたの?」
「あ...そう言えば忘れてた。」
「え?」
メルクがノイトに話しかけた。ノイトが振り返った理由とは別件ではあるものの、事実であったためその場が沈黙する。
「え、えっと...ドンマイ!そんなこともあるよ!」
「そうだよ、ノイト!!もし鍵が閉まってたら、私はノイトにオルゴールを届けられなかったし!」
気を使って励ましてくれる2人の言葉を聞いてノイトはため息をつく。
「ハァ...まぁ、良いか。もう少しでノルティーク帝国にも到着するし。」
「そうだね!切り替えていこう!!」
3人は再び前を向いて歩き始めるのだった。
さらにしばらく歩いていくと、目の前に巨大な灰色の壁が広がる。見張りの兵士に会釈をして3人は壁の門を抜けて先へと進む。門を抜けた先には中世ヨーロッパ風の街並みが広がっていて、いかにもファンタジー世界の街と言った感じである。
「わぁ...ここが、ノルティーク帝国?すっごい〜!!」
「ノイト、早く音楽堂行こう!!」
「まぁ取り敢えず落ち着いて、まずはご飯食べよ!」
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ラルカは窓から光が射しただけの暗い通路を早足で歩く。
(どこだ...どこにいる?!)
資料室と書かれた札が付いたドアの前で立ち止まって中へと入る。ラルカはその部屋の中で何かを探しているようだった。
(この世界に7体しかいない魔神のうち1体が復活し、その場に居た少年が前線に立って戦い、そして他の剣士や魔法使いの助けを得て勝利した...。)
ラルカはいくつもの書物を山のように積んでテーブルの上の一箇所にまとめる。そして勢いよくテーブルを手で突いた。
[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体][大文字]─ ダンッ ─[/大文字][/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]
[大文字][明朝体]([斜体]ノイト=ソルフォトス...!私はお前を...[太字]必ず見つけ出す!![/太字][/斜体])[/明朝体][/大文字]
3人は朝の風が肌に心地よく当たる道を歩いている。一晩泊まった森の焚き火やテントはノイトがマジックバッグにしまい、その森の原生生物にも大きな影響はないだろう。
「ノイトくん、昨日リーリャが言ってた レイクさん ってどのくらい強いの?」
「う〜ん、そうだな...魔神が本気だったときは流石に全部は捌ききれていなかった感じだけど、コロフェリスの元チャンピオンのアクレウスよりも断然強い。もしかしたらメルクよりも強いかもしれないけど。体術とかどうなんだろうね...?」
「確かノイトの武器と同じ素材で出来ている武器を持ってたよね。」
「現チャンピオンって一応ノイトくんだったよね?」
3人はノルティーク大陸最強の男を話題にしばらく話し続けながらどんどん話しがズレていっているが、ノルティーク帝国へと向かう道を辿っていった。しばらく歩いたところで遠くに灰色の城壁が見えてきた。
「ねぇ、ノイトくん。あそこ?」
「そうだね。地図の位置的にもあそこで間違いないみたい。あそこにノルティーク大陸の三大音楽堂の一つ、『旧・王立音楽堂 パルモニカ』があるよ。」
「...高脂血症治療薬?」
「違う違う。」
3人は灰色の城壁に近づくにつれて道が広くなってきていることに気づき、ノルティーク帝国へと近づいていることを実感する。
「もうすぐ着くんだね〜、王様ってどんな人かな?」
「僕は権力者が少し厄介だってことしか知らないからね...王様がマトモでも女王や王子王女が面倒な可能性もある。とにかく変な真似をしたらどうなるのか分からない。」
「ノイトくんなら王城ごと吹き飛ばせるでしょ!」
「レイクさんに消されるよ。」
ノイトはメルクのボケにいつも通りツッコんで完全に芸人の相方的ポジションにいる。当人はあまり望んでいないのだが。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
鉱山都市・エスミルトにて。騎士の格好をした男性たちが多く集まっている中、唯一カーキ色の軍服を着た女性が混ざっていた。彼女はロズウェルが率いる2番隊に加入することになったらしい。ロズウェルがその女性に声をかける。
「おめでとう。今日から君もエスミルト騎士団の一員だ、[斜体][太字]ラルカ[/太字][/斜体]。」
ラルカと呼ばれた女性は顔を上げてロズウェルを見た。金髪碧眼で、その目には闘志がたぎっている。肩章に飾緒、そして勲章(※自作)の一式を付けた軍服に身を包んだその女性は10代後半から20代前半のようで、ロズウェルたちエスミルト騎士団2番隊の面々を前にしても一切の怯みがない。
「[斜体][大文字]はい。[/大文字][/斜体]よろしくお願いします。」
(コイツ...一切隙がないな。内側から隊を乱されないように気を引き締めなければいけないな...。)
ロズウェルの隣に立つベルリスとモルディーも固唾を飲んでラルカの様子を見ていた。その場に居たラルカ以外の全員が、重たい沈黙が暗い部屋に満ちている時間が永遠に続くかのように感じられた。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトはふと足を止めた。リーリャとメルクは急に立ち止まったノイトに何かあったのかを聞くが、ノイトは答えずに背後の空を振り返った。
(何だろう...今、何か...。)
リーリャはノイトを黙ったままのじっと見つめている。
「どうしたの、ノイトくん。家の鍵でも閉め忘れたの?」
「あ...そう言えば忘れてた。」
「え?」
メルクがノイトに話しかけた。ノイトが振り返った理由とは別件ではあるものの、事実であったためその場が沈黙する。
「え、えっと...ドンマイ!そんなこともあるよ!」
「そうだよ、ノイト!!もし鍵が閉まってたら、私はノイトにオルゴールを届けられなかったし!」
気を使って励ましてくれる2人の言葉を聞いてノイトはため息をつく。
「ハァ...まぁ、良いか。もう少しでノルティーク帝国にも到着するし。」
「そうだね!切り替えていこう!!」
3人は再び前を向いて歩き始めるのだった。
さらにしばらく歩いていくと、目の前に巨大な灰色の壁が広がる。見張りの兵士に会釈をして3人は壁の門を抜けて先へと進む。門を抜けた先には中世ヨーロッパ風の街並みが広がっていて、いかにもファンタジー世界の街と言った感じである。
「わぁ...ここが、ノルティーク帝国?すっごい〜!!」
「ノイト、早く音楽堂行こう!!」
「まぁ取り敢えず落ち着いて、まずはご飯食べよ!」
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ラルカは窓から光が射しただけの暗い通路を早足で歩く。
(どこだ...どこにいる?!)
資料室と書かれた札が付いたドアの前で立ち止まって中へと入る。ラルカはその部屋の中で何かを探しているようだった。
(この世界に7体しかいない魔神のうち1体が復活し、その場に居た少年が前線に立って戦い、そして他の剣士や魔法使いの助けを得て勝利した...。)
ラルカはいくつもの書物を山のように積んでテーブルの上の一箇所にまとめる。そして勢いよくテーブルを手で突いた。
[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体][大文字]─ ダンッ ─[/大文字][/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]
[大文字][明朝体]([斜体]ノイト=ソルフォトス...!私はお前を...[太字]必ず見つけ出す!![/太字][/斜体])[/明朝体][/大文字]