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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#28

28.蛇と剣技(1)

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

凱旋都市・コロフェリスの闘技場の通路にて。3人の少年少女が話している。
「いや〜、私が仲間になって心強いよね!ね!」
「あ〜、はいはい。そういうことにしておくよ。」
「ノイトは優しいし強いからね。[漢字]ミ[/漢字][ふりがな][大文字][太字]・[/太字][/大文字][/ふりがな]ルクも剣技はすごいけど、ノイトと真剣勝負したら流石に負けちゃうんじゃないかなぁ?」
「[大文字][漢字]メ[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな][/大文字]ルクだよ!」
リーリャの言葉を聞いてノイトは、リーリャを見ながら心の中でツッコんだ。
(あれ...こんなにナチュラルにディスることあるんだ...知らない一面も出てきたな。メルクが仲間になったお陰で以前より正直になれたのかも...。)
ノイトの視線に気づいたリーリャはノイトにどうかしたのか聞く。
「ん、どうしたのノイト?私の顔に何か付いてる?」
「あぁ〜、そういう感じねぇ〜。やっぱり彼女なの?」
「違うって。ただの友達だよ。...そう、友達...。」
ノイトにしては珍しく語尾が濁っている。それを見たメルクはさらにニヤけてノイトに話しかけた。
「あ〜、もしくはあれかな?本能が狂い始めるやつ。」
「ん、それはまた話というか曲というか...とにかく違う。」
そこでリーリャが俯いてノイトに聞いてきた。
[小文字]「[漢字]ただの[/漢字][ふりがな][大文字]・・・[/大文字][/ふりがな]...?」[/小文字]
ノイトはそれを聞いてハッとした。以前までは大切な友達だと言っていたのに、ついさっきはただの友達だと言ってしまっていたのだ。ノイトは慌てて訂正する。
「いや、そうじゃなくて、えっと...、友達か否かの話だから。だってほら、[漢字]メルク[/漢字][ふりがな]これ[/ふりがな]はまだ友達じゃないし。」
メルクは自分のことを言われているのだと気が付いてわざとらしく嘆く演技をする。
「がーん!私、友達じゃなかったの?![小文字]え〜んシクシク...[/小文字]」
「だって仲間じゃん。」
ノイトの言葉にメルクが一瞬固まった。だがしかし、メルクはまだ不満そうに口を尖らせて話し始める。
「名言でも作ったつもりなの?私は欲張りだからね!そんなんじゃ満足出来ないよ!」
(他所でどうぞ...とか言ったらみじん切りにされるんだろうな。気をつけよう。)
敢えてノイトが何も言わなかった意図を察して黙ったまま3人は闘技場の外に出た。3人はそれぞれが色々と全く違うことを考えている。
(うわ、どうしよう...気まずいな。次に行くのはこの街の西にある水中都市なんだけど、急に話題を変えるのはちょっと変かな...。)
(私はノイトと友達...だけど、友達...。友達ってなんだろう?)
(さっきは「そんなんじゃ満足出来ないよ!」みたいなこと言ったけど...冷静になって考えてみれば、ノイトくんが私を満足させる理由なんかないよね...?)
とてもチャンピオンの敗北にざわめいている街の中で考えていることだとは思えない。そこで、丁度通りかかった商人が声をかけてきた。
「こんにちは、お嬢さん方とお坊ちゃん。何かお困りですか?」
「[斜体][大文字]ブフッ[/大文字][/斜体]...お坊ちゃんだって...[斜体]アハハ[/斜体]...!」
「[斜体][大文字]プッ[/大文字][/斜体]...ハハハ!ノイトくんがお坊ちゃんとか...アハハ...!!」
ノイトはやや不満げにツッコむ。
「そんなに変かな...?」

そしてしばらくの間女子2人は笑い転げていたので放っておきました。

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

「さてと、揚げ足を取って僕に八つ当たりしてきた[漢字]大切な[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]友達と、見た目の割にバカ笑いするお[漢字]仲間[/漢字][ふりがな]バカ[/ふりがな]さん。そろそろ落ち着いただろうし、次にどうするかについて話そうと思う。」
「あ、揚げ足...ごめん。」
「バカ笑い...そんなことした記憶なんか全然 あるんだよね...。」
コロフェリスを囲う江戸茶色の壁の西門の下でノイトが話し始めた。
「次に行くのは水中都市・ウォルティード。今から出発すると明日の朝に着くよ。」
「え〜、そんなにかかるの...?」
リーリャは面倒だと言わんばかりに肩を落とす。それを見たメルクは良い案があると言い出した。
「それなら、ウォルティードに向かう馬車でも捕まえて乗せてもらえば良いと思うよ。」
「うん、そうしようか。それなら十分に睡眠も取れる。」
「やったー!ノイト、馬車ってどうやって捕まえるの?」
ノイトとリーリャの2人はメルクの案に賛成のようだ。メルクは2人の反応を見ると張り切って近くに止まっていた馬車の方へと歩いていった。どうやら乗せてもらえるように交渉しに行ったらしい。
メルクが馬車の方へと向かっている間に、リーリャがノイトに話しかける。
「ねぇ、ノイト。私って友達だよね...?」
話しかけられたノイトは笑ってリーリャの質問に答えた。
「うん。この先に関係がどう変わるのかはともかく、今は僕の大切な友達だよ。少なくとも、それ以下になることはない。」
「そっか...。ありがとう、ノイト。」
馬車の方でメルクが手を振っている。どうやら許可が取れたようだ。それを見てノイトとリーリャは馬車の方へと歩き出した。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回からメルクが本格的に会話に入ってきて、まだ慣れていないノイトはちょっと忙しそうですね。次回は馬車の荷台の上で3人の友情がどう進展するのかが見どころです。次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/09 16:06

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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