世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトは黒いローブに身を包んだ人物の攻撃を【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】で受け止めた。が、相手が持っているスティレットは折れない。
(これほど小さいのにこの頑丈さ...この武器と同じ[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製だな...。)
スティレットを持った人物は顔までフードで隠れていて性別は分からないが、殺意がないのは確かだ。それにしては攻撃に隙がないが。
フードの隙間から覗いた口が小さく開かれる。
「あなたに本当の剣術というものを教えて差し上げましょう。」
声を聞いたところ、女性のようだ。声もはっきりとしているがどこかに可愛らしさが混ざっている。
「そこに落ちている偽物とは違って本当の剣技を極めたという自身があるんですね?」
それを聞いたアクレウスは眉間に少し皺を寄せて独り言を呟く。
「偽物、か...適当に速さで誤魔化してたの、バレてたのか。」
黒いローブの女性はノイトの質問に答えた。
「えぇ、もちろん。魅せてあげましょう。」
[中央寄せ][大文字][太字][斜体][明朝体]『[漢字]灼愛威閼召[/漢字][ふりがな][斜体]ヤマナイアメ[/斜体][/ふりがな]』[/明朝体][/斜体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
次の瞬間、ノイトは五線譜に護られていた。そのお陰で黒いローブの女性の攻撃によってノイトがみじん切りにされることは無かった。
「[斜体]!![/斜体]」
スティレットから放たれた技は高速で斬撃を複数の方向から飛ばすものだった。
(1秒間に10回...いや、もっとあるな。五線譜に当たったものの音は消えているから、音を頼りにカウントは無理だな...。)
黒いローブのフードから見えている口がややニヤけている。全ての斬撃を放ったあと、ざわめいている観客席の広い段で魔力で創られたピアノを弾いているリーリャを見てノイトに話しかけてきた。
「先程もあの方が守ってくれていましたね。彼女ですか?」
「...友達です。冒険仲間。」
ノイトはほんの一瞬固まったが、すぐに答える。それを聞いた女性はわざとらしく小首を傾げてあざとく聞いてきた。
「でも、ずっと一緒にいた女の子と将来結ばれるのはよくある話ですよね?そういう話を[漢字]読んで[/漢字][ふりがな][大文字]・・・[/大文字][/ふりがな]いるとどうしても憧れちゃうんですよね。」
ノイトは女性の言葉に引っかかるものを感じた。
(...[漢字]読んで[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]?なるほど、そういうことかな?)
「食パンでも咥えて走ってみたらどうです?」
今度はローブの女性の動きが止まった。そして女性はやや高揚しているのか声のトーンをあげてノイトに話しかけてくる。
「[大文字]え!!もしかして、あなたも[/大文字]、[斜体]ングッ[/斜体]」
ノイトがローブの女性の口を塞いだ。そして声のボリュームを抑えて女性に言い聞かせる。
「[小文字]あまり迂闊に口走るとあとで面倒なことになりますよ?[/小文字]」
「[小文字]...はーい。[/小文字]」
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトは女性を連れてリーリャがいる観客席へと戻った。
「ノイト、誰その女?」
(怖っ...、危ない危ない声に出しかけた...。)
リーリャがいつもよりも低めの声で話しかけてきたため流石のノイトもビビったようだ。
「えっと、この人はついさっきあそこで襲ってきたん」
[大文字]「はじめまして、ノイトくんのカノジョで〜す!」[/大文字]
ノイトの右手が腕を組んできたローブの女性の口を押さえつけた。ため息をつきながらノイトが弁明する、
「違う。ハァ...とにかく、さっきあそこで襲ってきた人で、[大文字][下線]初対面[/下線][/大文字]。」
「え、そこ重要...?」
「え...?」
どうやらノイトとリーリャの考えていることに齟齬があるようだった。その誤解を生んだ張本人はノイトの左腕を掴んでいる女である。
「えっと、まぁそれはいいや。それで、この人に剣技を教えてもらおうと思ってるんだけど、どう思う?」
「まぁ、良いと思うよ。ノイトがそれで良いなら、私もそれが良いと思う!」
ノイトが右手を女性の口から離すと、黒いローブの女性が頬を膨らませて聞いてきた。
「それで、私[漢字]で[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]良いの?それとも私[漢字]が[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]良いの?」
「え、そこ大事?」
「当たり前でしょ!せっかく私と同じ人を見つけたのに...。」
リーリャがそれを聞いてノイトに聞いてくる。
「同じ、って何が...?」
ノイトは心の中でこう思っていた。
[水平線]
えっと、まだ確定じゃないけど高い確率でこの人も転生者なんだよね、とは言いづらかった。どうしよう。
[水平線]
「それで、私の質問に答えてくれないの?だったら剣技も教えないよ!」
黒いローブの女性が子どもっぽい口調でノイトに迫る。
「う〜ん、そうだなぁ...。さっきの技も見た感じすごく強いし、やっぱりあなた[漢字]が[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]良いです。」
それを聞いた女性は顔を綻ばせて嬉しそうに答えながらフードを脱いだ。
「フッフッフッ...そんなに言うならしょうがない、私がノイトくんに剣技を教えてあげよう!」
黒いフードからは銀髪のウルフカットで青い瞳( 童顔)の女性が出てきた。ノイトの返答に喜んでいるのか、頬がやや紅くなっている。
「私は[漢字]女剣闘士[/漢字][ふりがな]ファイター[/ふりがな]兼上級魔法使いの、[太字]メルク=ミスラーガンド[/太字]!よろしくね!」
「私はリーリャ。よろしくね!」
「えっと、僕はノイト=ソルフォトス。ミストルの町で時計塔の管理を任されてたんだけど、今はリーリャの記憶を戻すためにこのノルティーク大陸の音楽堂を巡っているよ。」
「ノイトくん、リーリャ、よろしくね!」
ノイトは黒いローブに身を包んだ人物の攻撃を【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】で受け止めた。が、相手が持っているスティレットは折れない。
(これほど小さいのにこの頑丈さ...この武器と同じ[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製だな...。)
スティレットを持った人物は顔までフードで隠れていて性別は分からないが、殺意がないのは確かだ。それにしては攻撃に隙がないが。
フードの隙間から覗いた口が小さく開かれる。
「あなたに本当の剣術というものを教えて差し上げましょう。」
声を聞いたところ、女性のようだ。声もはっきりとしているがどこかに可愛らしさが混ざっている。
「そこに落ちている偽物とは違って本当の剣技を極めたという自身があるんですね?」
それを聞いたアクレウスは眉間に少し皺を寄せて独り言を呟く。
「偽物、か...適当に速さで誤魔化してたの、バレてたのか。」
黒いローブの女性はノイトの質問に答えた。
「えぇ、もちろん。魅せてあげましょう。」
[中央寄せ][大文字][太字][斜体][明朝体]『[漢字]灼愛威閼召[/漢字][ふりがな][斜体]ヤマナイアメ[/斜体][/ふりがな]』[/明朝体][/斜体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
次の瞬間、ノイトは五線譜に護られていた。そのお陰で黒いローブの女性の攻撃によってノイトがみじん切りにされることは無かった。
「[斜体]!![/斜体]」
スティレットから放たれた技は高速で斬撃を複数の方向から飛ばすものだった。
(1秒間に10回...いや、もっとあるな。五線譜に当たったものの音は消えているから、音を頼りにカウントは無理だな...。)
黒いローブのフードから見えている口がややニヤけている。全ての斬撃を放ったあと、ざわめいている観客席の広い段で魔力で創られたピアノを弾いているリーリャを見てノイトに話しかけてきた。
「先程もあの方が守ってくれていましたね。彼女ですか?」
「...友達です。冒険仲間。」
ノイトはほんの一瞬固まったが、すぐに答える。それを聞いた女性はわざとらしく小首を傾げてあざとく聞いてきた。
「でも、ずっと一緒にいた女の子と将来結ばれるのはよくある話ですよね?そういう話を[漢字]読んで[/漢字][ふりがな][大文字]・・・[/大文字][/ふりがな]いるとどうしても憧れちゃうんですよね。」
ノイトは女性の言葉に引っかかるものを感じた。
(...[漢字]読んで[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]?なるほど、そういうことかな?)
「食パンでも咥えて走ってみたらどうです?」
今度はローブの女性の動きが止まった。そして女性はやや高揚しているのか声のトーンをあげてノイトに話しかけてくる。
「[大文字]え!!もしかして、あなたも[/大文字]、[斜体]ングッ[/斜体]」
ノイトがローブの女性の口を塞いだ。そして声のボリュームを抑えて女性に言い聞かせる。
「[小文字]あまり迂闊に口走るとあとで面倒なことになりますよ?[/小文字]」
「[小文字]...はーい。[/小文字]」
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
ノイトは女性を連れてリーリャがいる観客席へと戻った。
「ノイト、誰その女?」
(怖っ...、危ない危ない声に出しかけた...。)
リーリャがいつもよりも低めの声で話しかけてきたため流石のノイトもビビったようだ。
「えっと、この人はついさっきあそこで襲ってきたん」
[大文字]「はじめまして、ノイトくんのカノジョで〜す!」[/大文字]
ノイトの右手が腕を組んできたローブの女性の口を押さえつけた。ため息をつきながらノイトが弁明する、
「違う。ハァ...とにかく、さっきあそこで襲ってきた人で、[大文字][下線]初対面[/下線][/大文字]。」
「え、そこ重要...?」
「え...?」
どうやらノイトとリーリャの考えていることに齟齬があるようだった。その誤解を生んだ張本人はノイトの左腕を掴んでいる女である。
「えっと、まぁそれはいいや。それで、この人に剣技を教えてもらおうと思ってるんだけど、どう思う?」
「まぁ、良いと思うよ。ノイトがそれで良いなら、私もそれが良いと思う!」
ノイトが右手を女性の口から離すと、黒いローブの女性が頬を膨らませて聞いてきた。
「それで、私[漢字]で[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]良いの?それとも私[漢字]が[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]良いの?」
「え、そこ大事?」
「当たり前でしょ!せっかく私と同じ人を見つけたのに...。」
リーリャがそれを聞いてノイトに聞いてくる。
「同じ、って何が...?」
ノイトは心の中でこう思っていた。
[水平線]
えっと、まだ確定じゃないけど高い確率でこの人も転生者なんだよね、とは言いづらかった。どうしよう。
[水平線]
「それで、私の質問に答えてくれないの?だったら剣技も教えないよ!」
黒いローブの女性が子どもっぽい口調でノイトに迫る。
「う〜ん、そうだなぁ...。さっきの技も見た感じすごく強いし、やっぱりあなた[漢字]が[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]良いです。」
それを聞いた女性は顔を綻ばせて嬉しそうに答えながらフードを脱いだ。
「フッフッフッ...そんなに言うならしょうがない、私がノイトくんに剣技を教えてあげよう!」
黒いフードからは銀髪のウルフカットで青い瞳( 童顔)の女性が出てきた。ノイトの返答に喜んでいるのか、頬がやや紅くなっている。
「私は[漢字]女剣闘士[/漢字][ふりがな]ファイター[/ふりがな]兼上級魔法使いの、[太字]メルク=ミスラーガンド[/太字]!よろしくね!」
「私はリーリャ。よろしくね!」
「えっと、僕はノイト=ソルフォトス。ミストルの町で時計塔の管理を任されてたんだけど、今はリーリャの記憶を戻すためにこのノルティーク大陸の音楽堂を巡っているよ。」
「ノイトくん、リーリャ、よろしくね!」