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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#25

25.剣術修行(2)

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

(どうして僕がこんな目に...)
ノイトは闘技場の真ん中で、革の手袋の魔具を左手だけにはめてチャンピオンと対峙していた。チャンピオンは一変の油断もなく、明らかに本気モードで構えている。それくらいノイトを警戒しているのだろうか。
「少年、名は何という?」
「ノイト=ソルフォトスです...。」
どうやらアクレウスは戦闘の中でも礼儀を忘れない人物らしい。道理でこの街のヒーローだと呼ばれているわけだ。
(ここで勝っちゃったらもっと目立つな...程よくいなしてから頃合いを見て負けておかないと...。)
ノイトの目がやや曇っているのを油断だと思ったのか、アクレウスは声を張り上げて剣を振るった。
[大文字]「いざ、参る!」[/大文字]

[中央寄せ][大文字][斜体][太字]ガキンッ[/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

速い。ノイトは咄嗟にマジックバッグから【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を引っ張り出すように振るってチャンピオンの剣を受け止めた。
「おぉ、やるな!」
とんでもない。ノイトがこっそり魔法で土の徳俵を創っていなければ後ろに弾き飛ばされていた。ノイトは確かに魔神と戦ったことがあるが、剣を当てたことはあっても剣で防いだことはない。人生初の「剣で攻撃を受け止める」はチャンピオンの一撃。辛うじてノイトの武器の方が硬かったため耐えているが、普通の剣であれば刃毀れしていたかもしれない。
「[斜体][大文字]どうした!そんなものか?[/大文字][/斜体]」
「はい。」
観客席からの歓声が一瞬消えた。アクレウスは少し力が抜けたため後ろへ跳び退いてノイトに確認をする。
「え?だって魔神と戦ったって...。」
「はい。それはそうですけど、エスミルト騎士団と剣士とレイクさんが一緒に居たので...僕の実力は大したものじゃありません。」
「冷静だな...。」
観客席でノイトとチャンピオンの戦いを見ていたリーリャは戦闘の様子を見ている。
「私、すごく余計なこと言っちゃってたのかな...?」
アクレウスはノイトにこう話しかける。
「それなら、魔法はどうだ?魔法は使えるんだろ?それで戦えば良い。観客たちを楽しませないとボスが...あっ。」
(おい...陰謀論来たな...。面倒だし、この人から剣術盗んだらさっさとこの街、出ていこう。)
アクレウスは咳払いをしてから続ける。
「とにかく、戦いを途中で放棄することは許さない。最後まで戦い抜くのが男ってものだ!」
(アイアム草食系...、そこまで執着してない...まぁいいや。)
ノイトは魔具に魔力を込め始める。やがて水が生まれ、それが剣の形になっていく。
[中央寄せ][[漢字][太字]水製長剣[/太字][/漢字][ふりがな]ネロ・スパタ[/ふりがな]][/中央寄せ]
水で出来た[漢字]長剣[/漢字][ふりがな]スパタ[/ふりがな]を手に取ってノイトは構える。
「それは...水の剣か?水で、いいのか...?」
「えぇ、これで(適当にいなすのには)十分です。」
アクレウスは再び剣を構えて跳んでくる。
[大文字][斜体]「覚悟!」[/斜体][/大文字]


「ハァ...面倒だな。」


[大文字][太字][斜体]ピシンッ[/斜体][/太字][/大文字]

チャンピオンの剣は、水の剣に受け流された。先程の音は剣の横から水の剣が高速で当たったから鳴ったのだろう。
「たかが水ごときで...?この剣が?チャンピオンの剣だぞ?」
ノイトはじっとアクレウスを見つめる。しばらくの間沈黙が続き、やがてノイトは口を開いた。
「あなた、この街のヒーローなんでしょ?本気出さないと意味ないんじゃない?」
アクレウスはノイトの言葉を聞いて再び固まるが、剣の構え方を変えて話し始めた。
「遊びはここまでか...」
「厨二病?」
「本気、出せば良いんだろ?」
「その考え方でよくヒーローとかなれましたね。」
「なら、ここからは本気で行かせてもらおう。俺はチャンピオン、アクレウス・サマリンダだ!」
「確かに自己紹介はまだでした、ね?」
ノイトの視界からアクレウスが消えた。ノイトは反射的に【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を腹部に引き寄せる。その直後、

[大文字][斜体][太字][水平線]ガキンッ[/太字][/斜体][/大文字]

アクレウスの攻撃が飛んできた。咄嗟に守っていなければ肋が砕けていたかもしれない。
(速...確かにここまで速いと観客の目に止まらなくて見世物にならないもんな...。)

[大文字][斜体][太字][水平線]ガキンッ[/太字][/斜体][/大文字]

(重い...けど、もう遅い。)
ノイトは2発目でアクレウスの動きを見切った。つまり、次以降は、攻撃に出ることが出来るということだ。

[太字][斜体][大文字]「どうした!そんなものか?」[/大文字][/斜体][/太字]

「いいえ。違いますよ。」


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はリーリャの余計なセリフのせいでノイトがチャンピオンと戦う羽目になっていますが、アクレウスも伊達に優勝しているわけではないので剣術を盗むには丁度いいです。ちなみにアクレウスはまだ本気を出していません。
次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/09 12:13

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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