世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[中央寄せ]エリア〚凱旋都市・コロフェリス〛[/中央寄せ]
ノイトとリーリャが江戸茶色のレンガで出来た巨大な壁門をくぐると、その先には古代から中世にかけてのローマのような、はたまたアラブのような街並みが広がっていた。路上には絨毯を敷いて何やら商売をしている男や、荷物を乗せたラクダを引いている商人は何かが入った白い袋を手に持っている。
「わぁ...ノイト、ここがコロフェリス?」
「そうみたいだね。賑やかな町だな...。」
「あ!ねぇあれ見て!」
どうやらリーリャは街の中心にある大きな建造物を見つけたらしい。リーリャは目を輝かせて指を指す。
「あそこ!行ってみたい!」
「あれは...闘技場かな?ロズウェルさんが言ってた闘技大会に関係ありそうだし、行ってみるか。」
「レッツゴー!」
リーリャはノイトの手を引いて人混みの中へと進んでいった。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
「おぉ〜、近くで見るともっと大きいね!」
2人は闘技場の入口まで辿り着いた。中から歓声が聞こえる。見た目は前世のコロッセオそっくりだが、崩壊している部分がない分、前世のものよりも大きく見えた。ノイトは入口の近くに居た、板金鎧に身を包んだ兵士に声をかける。
「あの...すみません。中から歓声が聞こえてくるんですけど、見学とかって出来ませんかね?」
「もしかして君もチャンピオンの試合を観に来たのか?」
「チャンピオン...?」
「なんだ知らないのか?年に2回開催される闘技大会で5年連続優勝し続けている、この街のヒーローだよ。まぁ見たほうが早いだろうし、中に入ると良い。こっちだ。」
ノイトとリーリャは闘技場の通路内を進む兵士の後ろに着いていく。恐らく通路の真上が観客席なのだろう、歓声が頭上から響いてくる。外からの光が漏れ出した通路を抜けて階段を上がると、観客席に到着した。観客席は階段のようになっていて、大勢の人たちがそこに座って闘技場の中心を見ている。
「うわぁ...すごい...!」
「ほら、あそこで[漢字]長剣[/漢字][ふりがな]スパタ[/ふりがな]を持って戦っているのがチャンピオンこと、アクレウス・サマリンダだ。」
2人を案内してくれた兵士が、闘技場の中心で斧を盛った大柄な男と戦っている男性を指さした。赤いマントが着いた肩装備を付け、[漢字]長剣[/漢字][ふりがな]スパタ[/ふりがな]1本で戦っている。体系はやや筋肉質だが、さほど厳つくもない。
(魔力を使わずに戦っているな...純粋な剣術だけでチャンピオンにまで至ったのかな?)
兵士がアクレウスをじっと見つめているノイトを見て声をかけた。
「君もチャンピオンみたいになりたいのか?もしそうならまずは剣術を極めることを勧めるぞ。」
「いえ、別に憧れてるわけじゃないんですけど、まぁそうですね。剣術は覚えておいて損は無いでしょう。(あくまでも魔法剣のスキルを底上げするためだけど。)」
リーリャはノイトの言葉を聞いて少し首を傾げる。リーリャの目に映る限り、ノイトは十分に剣で魔神とも戦えていたのだ。しかし実際、ノイトは魔力で剣を強化して我武者羅に剣を振るっていただけなのだ。そんなことも知らないリーリャはノイトに向かって励ましと尊敬のつもりで語りかけた。
「ノイトも剣で色んな魔獣や魔物、ましてや魔神とも戦えてたじゃん!ノイトの剣術ならもう既にすごいと思うよ!」
その言葉を聞いた兵士と周りにいた観客は目を丸くしてノイトの方を見る。
「はぁ...余計なことを...。」
「え?何?私、今何か変なこと言っちゃってた?」
リーリャは状況が上手く理解出来ていないようだ。ノイトはまたため息をついてリーリャに説明する。
「あのね、みんなチャンピオンが強いからこの場所に見に来てるんだよ?もちろんそんなチャンピオンに挑戦したがる人もいる。そしてその挑戦者とチャンピオンの戦いの末の勝利も...。それを見に来ている人たちの前で僕が強いだとかすごいだとか言ったら観客たちはどうしたくなると思う?」
ノイトの説明を聞いて少し考えたリーリャは気が付いた。
「あ、ノイトをチャンピオンと戦わせたくなる!」
「そういうことだよ...。」
ノイトは顔を俯かせるが、そんな様子に目もくれず、観客たちがチャンピオンに向かって大声で話しかける。
[大文字]「おーいチャンピオン!」[右寄せ]「それに勝ったらこの子と戦ってみてくれ!」[/右寄せ]
「すごいぞ、こいつ!魔神と戦ったことあるんだってよ!」[/大文字]
チャンピオンは大声に気が付いて西の観客席の方を見る。彼の目と、額を抑えてやや俯いている少年の目が偶然合ってしまった。
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ノイトとリーリャが江戸茶色のレンガで出来た巨大な壁門をくぐると、その先には古代から中世にかけてのローマのような、はたまたアラブのような街並みが広がっていた。路上には絨毯を敷いて何やら商売をしている男や、荷物を乗せたラクダを引いている商人は何かが入った白い袋を手に持っている。
「わぁ...ノイト、ここがコロフェリス?」
「そうみたいだね。賑やかな町だな...。」
「あ!ねぇあれ見て!」
どうやらリーリャは街の中心にある大きな建造物を見つけたらしい。リーリャは目を輝かせて指を指す。
「あそこ!行ってみたい!」
「あれは...闘技場かな?ロズウェルさんが言ってた闘技大会に関係ありそうだし、行ってみるか。」
「レッツゴー!」
リーリャはノイトの手を引いて人混みの中へと進んでいった。
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「おぉ〜、近くで見るともっと大きいね!」
2人は闘技場の入口まで辿り着いた。中から歓声が聞こえる。見た目は前世のコロッセオそっくりだが、崩壊している部分がない分、前世のものよりも大きく見えた。ノイトは入口の近くに居た、板金鎧に身を包んだ兵士に声をかける。
「あの...すみません。中から歓声が聞こえてくるんですけど、見学とかって出来ませんかね?」
「もしかして君もチャンピオンの試合を観に来たのか?」
「チャンピオン...?」
「なんだ知らないのか?年に2回開催される闘技大会で5年連続優勝し続けている、この街のヒーローだよ。まぁ見たほうが早いだろうし、中に入ると良い。こっちだ。」
ノイトとリーリャは闘技場の通路内を進む兵士の後ろに着いていく。恐らく通路の真上が観客席なのだろう、歓声が頭上から響いてくる。外からの光が漏れ出した通路を抜けて階段を上がると、観客席に到着した。観客席は階段のようになっていて、大勢の人たちがそこに座って闘技場の中心を見ている。
「うわぁ...すごい...!」
「ほら、あそこで[漢字]長剣[/漢字][ふりがな]スパタ[/ふりがな]を持って戦っているのがチャンピオンこと、アクレウス・サマリンダだ。」
2人を案内してくれた兵士が、闘技場の中心で斧を盛った大柄な男と戦っている男性を指さした。赤いマントが着いた肩装備を付け、[漢字]長剣[/漢字][ふりがな]スパタ[/ふりがな]1本で戦っている。体系はやや筋肉質だが、さほど厳つくもない。
(魔力を使わずに戦っているな...純粋な剣術だけでチャンピオンにまで至ったのかな?)
兵士がアクレウスをじっと見つめているノイトを見て声をかけた。
「君もチャンピオンみたいになりたいのか?もしそうならまずは剣術を極めることを勧めるぞ。」
「いえ、別に憧れてるわけじゃないんですけど、まぁそうですね。剣術は覚えておいて損は無いでしょう。(あくまでも魔法剣のスキルを底上げするためだけど。)」
リーリャはノイトの言葉を聞いて少し首を傾げる。リーリャの目に映る限り、ノイトは十分に剣で魔神とも戦えていたのだ。しかし実際、ノイトは魔力で剣を強化して我武者羅に剣を振るっていただけなのだ。そんなことも知らないリーリャはノイトに向かって励ましと尊敬のつもりで語りかけた。
「ノイトも剣で色んな魔獣や魔物、ましてや魔神とも戦えてたじゃん!ノイトの剣術ならもう既にすごいと思うよ!」
その言葉を聞いた兵士と周りにいた観客は目を丸くしてノイトの方を見る。
「はぁ...余計なことを...。」
「え?何?私、今何か変なこと言っちゃってた?」
リーリャは状況が上手く理解出来ていないようだ。ノイトはまたため息をついてリーリャに説明する。
「あのね、みんなチャンピオンが強いからこの場所に見に来てるんだよ?もちろんそんなチャンピオンに挑戦したがる人もいる。そしてその挑戦者とチャンピオンの戦いの末の勝利も...。それを見に来ている人たちの前で僕が強いだとかすごいだとか言ったら観客たちはどうしたくなると思う?」
ノイトの説明を聞いて少し考えたリーリャは気が付いた。
「あ、ノイトをチャンピオンと戦わせたくなる!」
「そういうことだよ...。」
ノイトは顔を俯かせるが、そんな様子に目もくれず、観客たちがチャンピオンに向かって大声で話しかける。
[大文字]「おーいチャンピオン!」[右寄せ]「それに勝ったらこの子と戦ってみてくれ!」[/右寄せ]
「すごいぞ、こいつ!魔神と戦ったことあるんだってよ!」[/大文字]
チャンピオンは大声に気が付いて西の観客席の方を見る。彼の目と、額を抑えてやや俯いている少年の目が偶然合ってしまった。