世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
巨大な黒いクレーターの中心部。そこには膨大な魔力を纏っている魔神が立っていた。その近くには魔力で出来た黒色のピアノを演奏している少女や、緑色の兵士服身を包んだ騎士たち。さらに年季の入った編み笠を目深に被った老人と日の光を反射する、銀色の金属で出来た剣と盾を合体させたような武器を持っている少年がいる。真っ黒く焦げた強烈な匂いから魔神の魔力量の膨大さを感じる。
[大文字]「ふむ...これは面倒だ。」[/大文字]
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
(“終焉の魔神”...まだどこかに余裕があるのか...?これだけ攻撃を加えても怯んだ様子もないな...。)
ノイトは空中から落下してしまい、エスミルト騎士団のモルディーに受け止めてもらった。モルディーのお陰で地面に激突せずに済んだが、魔力を使い果たしてしまったためその場に座り込んでしまっていた。しかし、目の前に立っている男の後ろ姿はどこか頼もしくて、安心する。ノイトは辺りを見回し、リーリャがピアノを弾いていることを確認した。
(取り敢えず今はこの人に任せよう。リーリャは...大丈夫そうだな、よし。)
ノイトはモルディーに支えられながら近くに落ちていた[漢字]大切なもの[/漢字][ふりがな]オルゴール[/ふりがな]を拾い、同じく落ちていた自分のマジックバッグにそれをしまう。どこかふらついているように見えるノイトを見て、モルディーが声をかけた。
「ノイト...大丈夫なのか?」
「えぇ...まぁなんとか。モルディーさんもリーリャの援護にまわってください。僕はもう大丈夫です...。」
「本当に大丈夫か、それ...?」
ノイトは脚に力を込めて地面にしっかりと立ってみせた。マジックバッグの中に【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】をしまう代わりに、緑色の瓶に入った[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]と【[漢字]閃光の剣[/漢字][ふりがな]スピード[/ふりがな]】を取り出す。素早く瓶の中身を喉の奥へ流し込み、空き瓶はちゃんとマジックバッグへと入れる。まだすっきりしない頭を無理やり働かせて魔神を倒すために動いた。
「ふぅ...。...あぁ、忘れてた。[漢字]魔具[/漢字][ふりがな]これ[/ふりがな]も必要か。集中集中...っと!!」
ノイトはカバンから革の手袋の魔具を取り出し、それを手にはめる。
[中央寄せ][[漢字][太字]岩壁[/太字][/漢字][ふりがな]ウォール[/ふりがな]][/中央寄せ]
ノイトは足元の地面に手をついて魔力を流し込み、あるタイミングを狙いながら魔神の方を見た。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
魔神の指が少し動いた。それに気が付いたレイク、ロズウェル、イグの3人は咄嗟に魔神から距離を取って武器を構え直す。
「ベルリス、お前もリーリャの近くまで下がっていろ。」
「了解!!」
魔神がゆっくりと体勢を立て直し、再び剣を構えた。
[大文字][太字][明朝体]「貴様ら...よくも[漢字]我が[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]玉体に[漢字]痕[/漢字][ふりがな]きず[/ふりがな]を付けてくれたな...。その罪は重いぞ?死を持って[漢字]贖[/漢字][ふりがな]あがな[/ふりがな]うが良い。」[/明朝体][/太字][/大文字]
[大文字](う〜む。この魔神、一人称が変わったな...。別人格か...?)[/大文字]
レイクは魔神の細やかな変化に気が付いてさらに警戒をする。剣に魔力を込めていき、その次の瞬間に飛んできた魔神の斬撃にもギリギリで対応した。
[大文字]「[斜体]んっ!![/斜体]」[/大文字]
[大文字][中央寄せ][斜体]ガキンッ[/斜体][/中央寄せ][/大文字]
続けて魔神の攻撃が止む間もなく畳み掛けられる。
[大文字][斜体]ガキンッ[/斜体][/大文字]
[大文字][右寄せ][斜体]ガキンッ[/斜体][/右寄せ][/大文字]
[大文字][中央寄せ][斜体][明朝体]ガキンッ[/明朝体][/斜体][/中央寄せ][/大文字]
[大文字]([斜体]ぐっ...!?なんて速度だ!!捌ききれんっ!![/斜体])[/大文字]
「[斜体]はぁっ!![/斜体]」
途中でロズウェルが魔神の斬撃を弾いた。1発。2発。3発。ロズウェルの剣は魔力で補強していながらも刃毀れしてしまっていったが、それでもまだ魔神の攻撃を防ぐことを止めない。
[大文字][太字][明朝体]「その程度の刃で我が御剣を防ぐだとォ...?ふざけるな!!
我こそは、“終焉の魔神”マズロイn[/明朝体][/太字][/大文字]
[中央寄せ][大文字][太字][斜体][明朝体]\ガキイィン!!/[/明朝体][/斜体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
魔神の顎を地面から真っすぐと伸びた岩の柱が突き上げた。その柱を作り出したのはノイトである。
「いや〜...悪いね。いや、悪いとも思っていないんだけど...まぁいいや。ちょっとした出来心でね。元々強いのにさらにかっこつけようとするヤツを見るとちょっと邪魔したくなっちゃうんだよねぇ...マ[漢字]グ[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]ロインさん?」
[大文字][太字][明朝体]「マ[漢字]ズ[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]ロインだぁ!!」[/明朝体][/太字][/大文字]
ノイトは魔神の逆鱗に触れた。が、それと同時に魔神の気を逸らすことにも精巧したのだ。ノイトの方を見ている魔神を真っ直ぐと見据えながらロズウェルは剣に全魔力を込める。
(出し惜しみはしない...俺はいち騎士隊の隊長だ。その責務を最後まで...!!)
魔神は怒りに駆られ、ノイトを真っ直ぐと睨みつけているせいでロズウェルが攻撃を仕掛けようとしていることに気が付いていない。
(ただでさえ魔力が少ないんだ...。身体全身から捻り出せ!!半端に済ませたらこの大陸が終わるかもしれないんだ!!)
――視界が狭窄してきた。魔力を捻り出したせいだ、きっと。この魔神以外のものが感じられない。...いや、他の何かも...音。音だ、これは。一体何の...?
ロズウェルの魔力は青白い魔力を帯びて輝き始めた。ロズウェルが全力で魔神に向かって剣を振るう。魔神はようやくロズウェルの攻撃に気づき、振り向いた。ロズウェルの剣は目と鼻の先にまで迫ってきている。やがてその剣は青い竜を彷彿とさせる魔力と共鳴した。
[中央寄せ][大文字][太字][[漢字][明朝体]青龍御剣[/明朝体][/漢字][ふりがな]セイリュウミケン[/ふりがな]]!![/太字][/大文字]
[/中央寄せ]
巨大な黒いクレーターの中心部。そこには膨大な魔力を纏っている魔神が立っていた。その近くには魔力で出来た黒色のピアノを演奏している少女や、緑色の兵士服身を包んだ騎士たち。さらに年季の入った編み笠を目深に被った老人と日の光を反射する、銀色の金属で出来た剣と盾を合体させたような武器を持っている少年がいる。真っ黒く焦げた強烈な匂いから魔神の魔力量の膨大さを感じる。
[大文字]「ふむ...これは面倒だ。」[/大文字]
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
(“終焉の魔神”...まだどこかに余裕があるのか...?これだけ攻撃を加えても怯んだ様子もないな...。)
ノイトは空中から落下してしまい、エスミルト騎士団のモルディーに受け止めてもらった。モルディーのお陰で地面に激突せずに済んだが、魔力を使い果たしてしまったためその場に座り込んでしまっていた。しかし、目の前に立っている男の後ろ姿はどこか頼もしくて、安心する。ノイトは辺りを見回し、リーリャがピアノを弾いていることを確認した。
(取り敢えず今はこの人に任せよう。リーリャは...大丈夫そうだな、よし。)
ノイトはモルディーに支えられながら近くに落ちていた[漢字]大切なもの[/漢字][ふりがな]オルゴール[/ふりがな]を拾い、同じく落ちていた自分のマジックバッグにそれをしまう。どこかふらついているように見えるノイトを見て、モルディーが声をかけた。
「ノイト...大丈夫なのか?」
「えぇ...まぁなんとか。モルディーさんもリーリャの援護にまわってください。僕はもう大丈夫です...。」
「本当に大丈夫か、それ...?」
ノイトは脚に力を込めて地面にしっかりと立ってみせた。マジックバッグの中に【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】をしまう代わりに、緑色の瓶に入った[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]と【[漢字]閃光の剣[/漢字][ふりがな]スピード[/ふりがな]】を取り出す。素早く瓶の中身を喉の奥へ流し込み、空き瓶はちゃんとマジックバッグへと入れる。まだすっきりしない頭を無理やり働かせて魔神を倒すために動いた。
「ふぅ...。...あぁ、忘れてた。[漢字]魔具[/漢字][ふりがな]これ[/ふりがな]も必要か。集中集中...っと!!」
ノイトはカバンから革の手袋の魔具を取り出し、それを手にはめる。
[中央寄せ][[漢字][太字]岩壁[/太字][/漢字][ふりがな]ウォール[/ふりがな]][/中央寄せ]
ノイトは足元の地面に手をついて魔力を流し込み、あるタイミングを狙いながら魔神の方を見た。
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
魔神の指が少し動いた。それに気が付いたレイク、ロズウェル、イグの3人は咄嗟に魔神から距離を取って武器を構え直す。
「ベルリス、お前もリーリャの近くまで下がっていろ。」
「了解!!」
魔神がゆっくりと体勢を立て直し、再び剣を構えた。
[大文字][太字][明朝体]「貴様ら...よくも[漢字]我が[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]玉体に[漢字]痕[/漢字][ふりがな]きず[/ふりがな]を付けてくれたな...。その罪は重いぞ?死を持って[漢字]贖[/漢字][ふりがな]あがな[/ふりがな]うが良い。」[/明朝体][/太字][/大文字]
[大文字](う〜む。この魔神、一人称が変わったな...。別人格か...?)[/大文字]
レイクは魔神の細やかな変化に気が付いてさらに警戒をする。剣に魔力を込めていき、その次の瞬間に飛んできた魔神の斬撃にもギリギリで対応した。
[大文字]「[斜体]んっ!![/斜体]」[/大文字]
[大文字][中央寄せ][斜体]ガキンッ[/斜体][/中央寄せ][/大文字]
続けて魔神の攻撃が止む間もなく畳み掛けられる。
[大文字][斜体]ガキンッ[/斜体][/大文字]
[大文字][右寄せ][斜体]ガキンッ[/斜体][/右寄せ][/大文字]
[大文字][中央寄せ][斜体][明朝体]ガキンッ[/明朝体][/斜体][/中央寄せ][/大文字]
[大文字]([斜体]ぐっ...!?なんて速度だ!!捌ききれんっ!![/斜体])[/大文字]
「[斜体]はぁっ!![/斜体]」
途中でロズウェルが魔神の斬撃を弾いた。1発。2発。3発。ロズウェルの剣は魔力で補強していながらも刃毀れしてしまっていったが、それでもまだ魔神の攻撃を防ぐことを止めない。
[大文字][太字][明朝体]「その程度の刃で我が御剣を防ぐだとォ...?ふざけるな!!
我こそは、“終焉の魔神”マズロイn[/明朝体][/太字][/大文字]
[中央寄せ][大文字][太字][斜体][明朝体]\ガキイィン!!/[/明朝体][/斜体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
魔神の顎を地面から真っすぐと伸びた岩の柱が突き上げた。その柱を作り出したのはノイトである。
「いや〜...悪いね。いや、悪いとも思っていないんだけど...まぁいいや。ちょっとした出来心でね。元々強いのにさらにかっこつけようとするヤツを見るとちょっと邪魔したくなっちゃうんだよねぇ...マ[漢字]グ[/漢字][ふりがな][大文字]・[/大文字][/ふりがな]ロインさん?」
[大文字][太字][明朝体]「マ[漢字]ズ[/漢字][ふりがな]・[/ふりがな]ロインだぁ!!」[/明朝体][/太字][/大文字]
ノイトは魔神の逆鱗に触れた。が、それと同時に魔神の気を逸らすことにも精巧したのだ。ノイトの方を見ている魔神を真っ直ぐと見据えながらロズウェルは剣に全魔力を込める。
(出し惜しみはしない...俺はいち騎士隊の隊長だ。その責務を最後まで...!!)
魔神は怒りに駆られ、ノイトを真っ直ぐと睨みつけているせいでロズウェルが攻撃を仕掛けようとしていることに気が付いていない。
(ただでさえ魔力が少ないんだ...。身体全身から捻り出せ!!半端に済ませたらこの大陸が終わるかもしれないんだ!!)
――視界が狭窄してきた。魔力を捻り出したせいだ、きっと。この魔神以外のものが感じられない。...いや、他の何かも...音。音だ、これは。一体何の...?
ロズウェルの魔力は青白い魔力を帯びて輝き始めた。ロズウェルが全力で魔神に向かって剣を振るう。魔神はようやくロズウェルの攻撃に気づき、振り向いた。ロズウェルの剣は目と鼻の先にまで迫ってきている。やがてその剣は青い竜を彷彿とさせる魔力と共鳴した。
[中央寄せ][大文字][太字][[漢字][明朝体]青龍御剣[/明朝体][/漢字][ふりがな]セイリュウミケン[/ふりがな]]!![/太字][/大文字]
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