世界に溢れる夢
[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
翌朝リーリャが目を覚ますと外から何かの音が聞こえた。草むらがガサガサと音をたてているようだ。
(何だろう…?この世界ってモンスターとか出たりしないよね…?)
恐る恐る外に出ると何かが草むらから飛び出てきた。
「[斜体][大文字]うわっ!![/大文字][/斜体]」
「あ、おはようリーリャ!ごめん、驚かせちゃった?」
草むらから飛び出てきたのはノイトで、手には花や草、木の実が入った籠を持っている。
「おはよう…びっくりさせないでよ…。」
リーリャはほっと胸を撫でおろす。ノイトは笑いながら言った。
「リーリャはこの世界について知らないことだらけなんでしょ?色々教えて上げようと思って薬草を取りに行ってたんだよ。」
「そうだったんだ…。ありがとう。」
ノイトは革の手袋を手にはめて籠に手をかざした。
「この世界には魔法があるんだよ。見ててね…」
リーリャが驚いた表情をする。
「魔法…!?」
リーリャの横で深呼吸をしてノイトが唱える。
[中央寄せ][[漢字][太字]灯火[/太字][/漢字][ふりがな]トーチ[/ふりがな]][/中央寄せ]
籠の中の薬草が燃えた。しかも籠ごと…。
「あれぇ…?籠ごと燃えちゃった…。」
「すごい…これが魔法…。」
ノイトはゆらゆら揺れながら燃え続ける火を見つめながら考える。
(せっかくの機会だからいいとこ見せようと思ったんだけどな…。まだ上手く魔力の制御が出来ない…。)
「ねぇノイト!魔法ってどうやって使うの?!」
リーリャが目をキラキラさせて尋ねてくる。
「魔法を使うには『魔力』と『魔具』が必要だよ。」「『魔力』と『魔具』…?」
『魔力』はこの世界の人間とかモンスターが生まれながらに持つ力で、たとえ普通の人でも連発して魔力が枯渇することはほとんど無いよ。たまに魔力が少なくて、特別な魔具が無いと魔法が使えない人が生まれることがあるって聞いたことあるけど…。僕は
『魔具』はこの特別な手袋だったり魔法の杖みたいな魔力を調節する道具のこと。中にはペンダントとか指輪みたいなものをあるらしいよ。」
スラスラと話すノイトに感心を抱きながらリーリャが尋ねる。
「他にはどんな魔法があるの?」
ノイトが少し考える。
(昔色々試して失敗したものが多いけどその中のいくつかは話しておくか…。)
「魔法は大きく分けて『基礎魔法』『上級魔法』『超級魔法』『禁忌魔法』の4つがあるんだけど、僕は時計塔の管理が仕事だし普段は『基礎魔法』しか使わないかな。さっきの魔法も『基礎魔法』の1つだよ。
『上級魔法』はその応用、『超級魔法』はさらに自分に合ったカタチの表現ってイメージだと思う。
『禁忌魔法』は主に魔力の暴走とか精神の崩壊とかで起こる災害みたいなものだね。昔少し試してみたけど、発動するときは上級魔導士の付き添いが必要だったし多分その付き添いが無ければ1つ町が消えてた。」
「そんなに…?!使い方は気をつけないとだね…。」
ノイトは近くの切り株に腰掛けて空を見上げた。
(あの人は今、どこで何やってるのかな…?)
リーリャはノイトを見て何か考えている。
(魔法…。記憶を戻す魔法もあるのかな…?
もしも記憶が戻ったらやりたいこととか見つかるのかな?)
「ノイト、記憶を戻す魔法ってあるの…?」
ノイトは目を丸くしてしばらくの間黙っていたが、顎に手を当てて考え始めた。
「今まで聞いたことは無いけど、もし記憶を戻す魔法があったとしたらそれは『超級魔法』もしくは『禁忌魔法』だろうね…。」
「私にも魔法、使えると思う?」
右手を胸の前で握りしめてリーリャがノイトを見つめる。ノイトはリーリャを真っ直ぐと見据えて答えた。
「リーリャなら使えると思うよ。リーリャはピアノが弾けるでしょ?あれに魔力を込めれば『超級魔法』になるし、きっとそのうち記憶も戻ると思う。」
ノイトは立ち上がり、リーリャに尋ねる。
「リーリャ、記憶を戻す旅に行かない?」
リーリャは目を輝かせて答えた。
「うん!行きたい!行こう?!」
翌朝リーリャが目を覚ますと外から何かの音が聞こえた。草むらがガサガサと音をたてているようだ。
(何だろう…?この世界ってモンスターとか出たりしないよね…?)
恐る恐る外に出ると何かが草むらから飛び出てきた。
「[斜体][大文字]うわっ!![/大文字][/斜体]」
「あ、おはようリーリャ!ごめん、驚かせちゃった?」
草むらから飛び出てきたのはノイトで、手には花や草、木の実が入った籠を持っている。
「おはよう…びっくりさせないでよ…。」
リーリャはほっと胸を撫でおろす。ノイトは笑いながら言った。
「リーリャはこの世界について知らないことだらけなんでしょ?色々教えて上げようと思って薬草を取りに行ってたんだよ。」
「そうだったんだ…。ありがとう。」
ノイトは革の手袋を手にはめて籠に手をかざした。
「この世界には魔法があるんだよ。見ててね…」
リーリャが驚いた表情をする。
「魔法…!?」
リーリャの横で深呼吸をしてノイトが唱える。
[中央寄せ][[漢字][太字]灯火[/太字][/漢字][ふりがな]トーチ[/ふりがな]][/中央寄せ]
籠の中の薬草が燃えた。しかも籠ごと…。
「あれぇ…?籠ごと燃えちゃった…。」
「すごい…これが魔法…。」
ノイトはゆらゆら揺れながら燃え続ける火を見つめながら考える。
(せっかくの機会だからいいとこ見せようと思ったんだけどな…。まだ上手く魔力の制御が出来ない…。)
「ねぇノイト!魔法ってどうやって使うの?!」
リーリャが目をキラキラさせて尋ねてくる。
「魔法を使うには『魔力』と『魔具』が必要だよ。」「『魔力』と『魔具』…?」
『魔力』はこの世界の人間とかモンスターが生まれながらに持つ力で、たとえ普通の人でも連発して魔力が枯渇することはほとんど無いよ。たまに魔力が少なくて、特別な魔具が無いと魔法が使えない人が生まれることがあるって聞いたことあるけど…。僕は
『魔具』はこの特別な手袋だったり魔法の杖みたいな魔力を調節する道具のこと。中にはペンダントとか指輪みたいなものをあるらしいよ。」
スラスラと話すノイトに感心を抱きながらリーリャが尋ねる。
「他にはどんな魔法があるの?」
ノイトが少し考える。
(昔色々試して失敗したものが多いけどその中のいくつかは話しておくか…。)
「魔法は大きく分けて『基礎魔法』『上級魔法』『超級魔法』『禁忌魔法』の4つがあるんだけど、僕は時計塔の管理が仕事だし普段は『基礎魔法』しか使わないかな。さっきの魔法も『基礎魔法』の1つだよ。
『上級魔法』はその応用、『超級魔法』はさらに自分に合ったカタチの表現ってイメージだと思う。
『禁忌魔法』は主に魔力の暴走とか精神の崩壊とかで起こる災害みたいなものだね。昔少し試してみたけど、発動するときは上級魔導士の付き添いが必要だったし多分その付き添いが無ければ1つ町が消えてた。」
「そんなに…?!使い方は気をつけないとだね…。」
ノイトは近くの切り株に腰掛けて空を見上げた。
(あの人は今、どこで何やってるのかな…?)
リーリャはノイトを見て何か考えている。
(魔法…。記憶を戻す魔法もあるのかな…?
もしも記憶が戻ったらやりたいこととか見つかるのかな?)
「ノイト、記憶を戻す魔法ってあるの…?」
ノイトは目を丸くしてしばらくの間黙っていたが、顎に手を当てて考え始めた。
「今まで聞いたことは無いけど、もし記憶を戻す魔法があったとしたらそれは『超級魔法』もしくは『禁忌魔法』だろうね…。」
「私にも魔法、使えると思う?」
右手を胸の前で握りしめてリーリャがノイトを見つめる。ノイトはリーリャを真っ直ぐと見据えて答えた。
「リーリャなら使えると思うよ。リーリャはピアノが弾けるでしょ?あれに魔力を込めれば『超級魔法』になるし、きっとそのうち記憶も戻ると思う。」
ノイトは立ち上がり、リーリャに尋ねる。
「リーリャ、記憶を戻す旅に行かない?」
リーリャは目を輝かせて答えた。
「うん!行きたい!行こう?!」