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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

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世界に溢れる夢

#18

18.ノイトのオルゴール

 ――なんだろう、とても懐かしい気がする。
《このオルゴールは私の大切なものなんだ。大事に使うんだぞ。》
 ――この世界での、お父さん...?

[水平線]

魔神が自身の叫び声でリーリャのピアノの音をかき消そうとしたそのとき、ノイトの手にあった小箱が開かれた。中には小さな金属の部品がたくさん詰まっていて、オルゴールのようだ。しかし、ただのオルゴールではなく魔力で動くオルゴールのようだった。
そのオルゴールが曲を奏でた瞬間、他のすべての音が止まった。

[中央寄せ][大文字]超級魔法:『[太字][漢字][明朝体]幻想廻転琴[/明朝体][/漢字][ふりがな][斜体]オルゴール[/斜体][/ふりがな][/太字]』[/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]


[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]
[大文字][明朝体][太字](なんだこれは...。力が入らん...殺意が奪われ、いや、そもそもそんなものが生まれていないのか...。)
(...そんなもの?かつてこの私を封じた小賢しい魔術師どもは殺意で私の力を抑え込んでいた。だが...何故、殺意なくして私を抑え込もうと言うのだ。)[/太字][/斜体][/大文字]

魔神の動きも、リーリャのピアノを弾く手も、ノイトのオルゴールの音によって止まっていた。
やがて、オルゴールが音を奏でるのを終えた。本当にその場が静かになったとき、次の瞬間に動いたのはノイトだ。【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】の[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]に魔力が溜まっていき、[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]で出来た刃が銀白に光る。
その刃は魔神を捉え、

[中央寄せ][大文字][斜体][太字]〔[漢字][明朝体]記憶の剣先[/明朝体][/漢字][ふりがな]キオクノハリ[/ふりがな]〕[/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

魔神を[漢字]逆袈裟斬り[/漢字][ふりがな]ななめ[/ふりがな]に断った。
[大文字][太字][明朝体]「[斜体]ぐわあぁっ!! ...貴様ァァ!!!!よくもぉ...!![/斜体]」[/明朝体][/太字][/大文字]
魔神はノイトに向かって禁忌魔術を放つ。対してノイトは再び同じ技を放った。

[中央寄せ][大文字][明朝体][太字]災害級禁忌魔術:[[漢字]終焉[/漢字][ふりがな]フィナーレ[/ふりがな]][/太字][/明朝体][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ][大文字][太字]〔[斜体][漢字][明朝体]記憶の剣先[/明朝体][/漢字][ふりがな]キオクノハリ[/ふりがな][/斜体]〕[/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

リーリャはオルゴールが止まったことに気づいて再び演奏を始めていた。

[中央寄せ]超級魔法:『[太字][漢字][大文字]幻想奏楽[/大文字][/漢字][ふりがな]パフォーマンス[/ふりがな][/太字]』[/中央寄せ]

そこでリーリャはあることに気がつく。先程よりも指が軽いのだ。恐らくほんの今し方までノイトの[漢字]魔法[/漢字][ふりがな]オルゴール[/ふりがな]がなっていたためだろう。
(すごく...楽しい...!!)
リーリャが口元に笑みを浮かべた瞬間、魔神の方から激しい魔力が飛んできた。リーリャの[漢字]魔法[/漢字][ふりがな]えんそう[/ふりがな]によって再び出てきた五線譜がエスミルト騎士団とリーリャ自身を囲って魔神の攻撃を守る。激しい衝撃音が響き、五線譜の隙間から見えたものは──。

「[斜体]そんな...!![/斜体]」
リーリャは思わず立ち上がった。もともと遺跡があった場所は一面に広がる巨大なクレーターの中心となり、真っ黒く焦げた地面が強烈な匂いを放っている。恐らく最初に魔神が放ったものも、防げていなければ同じような光景を作ったのであろう。
「[斜体]ノイト...、イグさん...!![/斜体]」

[大文字]「ふむ...これは面倒だ...。」[/大文字]

リーリャの頭上から聞こえてきたのは男の声。だが、それはノイトのものでも、イグのものでも無かった。リーリャが頭上を見上げると、【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を構えたまま全身が少し魔力で焦げている状態になったノイトと、刀を構えたまま焦げた笠を被っているイグ。そしてその2人の前に武器を構えた人物がいた。その人物を見てロズウェルが目を見開く。
「...司令官...!!」
ロズウェルに司令官と呼ばれたその男は手に特殊な武器を持っている。一見ただの剣のようだが、剣の周りに魔力で出来た模様が浮いている。それに[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製のようだ。
「ロズウェルさん...あの人は一体...?」
「あぁ...あの人はノルティーク帝国 帝国騎士隊総司令官・レイク=ファザールだ。...俺がエスミルト騎士団に入るきっかけになった、尊敬している人だ。」
リーリャはロズウェルの話を聞いて、再びレイクの方を見た。ロズウェルはそのまま続けて話す。
「あの人はかつてあの魔神を封印した伝説の魔剣士直々に剣を学んできたんだ。今ではこのノルティーク大陸で最強の男だよ。」
ノイトとイグはポーションを飲んですぐに構え直す。が、レイクはそんな2人を見向きもせずに魔神の方を見据えている。

「う〜む、見たところ貴殿が"終焉の魔神・マズロイン"だな。先程の警鐘が鳴る直前に膨大な魔力を感じたのだが...これはまぁ派手にやってくれたようだ。覚悟は出来ているのであろうな?」

[大文字][太字][明朝体]「人間の分際で...貴様、そこの小僧と同じもので出来た武器を持っているな? なかなかに面倒だが貴様ら全員まとめて[/明朝体][/太字][/大文字]
[大文字]「誰が口を開いて良いと言ったんだ、魔物め。」[/大文字]


それを聞いた瞬間、魔神の魔力量が増えて辺りが揺れた。どうやら魔神の逆鱗に触れたらしい。ノイトとイグも武器を構えてはいるが、先程は魔神がまだ本気を出していなかったことを知り、流石に士気が下がっているようだった。
魔神は怒り狂っている。

[大文字][太字][明朝体][斜体]「小[漢字][大文字]賢[/大文字][小文字]し[/小文字][/漢字][ふりがな]こ[大文字]ざ[/大文字]か[/ふりがな]い[小文字]虫[/小文字]ど[大文字]もめ[/大文字]..[漢字][大文字].[/大文字]こ[小文字]の[/小文字][/漢字][ふりがな][大文字]む[/大文字][小文字]ㇱ[/小文字][/ふりがな]場で[小文字]消[/小文字]して[漢字][大文字]やろ[/大文字]う[/漢字][ふりがな]ば [大文字]け[/大文字][/ふりがな]...」[/斜体][/明朝体][/太字][/大文字]


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
いよいよ魔神が本気を出してきます。果たしてノイトたちのピンチに駆けつけた大陸最強の男は魔神とどのような戦いを繰り広げるのか...?次回もお楽しみに!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観などについての質問·考察も受付けています。本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/11/04 23:21

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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