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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

また、一部微細な暴力表現が含まれている場合があります。
これを苦手とする方は閲覧をお控えいただくことをお勧めします。

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世界に溢れる夢

#133

133.背中

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

ノイトはルミナスと“知識の魔神”の方を見つめていた。魔力循環器官を持つ魔神の肉体を持つリュミエと、魔神クラスのポテンシャルを秘める朱羅。その2人が前線に立っても尚仕留めきれていない。
「ん〜......。」
[太字][明朝体]「お兄ちゃん、どうかしましたか?」[/明朝体][/太字]
「あぁ、いや......リュミエって能力的にも戦況をひっくり返すだけの実力はあるのに、全然そうしないなーって思ってね。」
[太字][明朝体]「どういうことですか?」[/明朝体][/太字]
「リュミエは“幻惑の魔神”だったからね。“幻惑を施すこと”と“実際に起こりえる想像の具現化”がリュミエの能力。だから、“知識の魔神”に“まだ腕が残っている”とか“優勢だ”って錯覚させるさせるのは理論上可能なんだよ。」
[太字][明朝体]「そうなんですね......!だとしたらもっと積極的に動けると想いますが......。」[/明朝体][/太字]
表情は本気。力の出し惜しみも大した程ではない。ノイトはそこでリュミエの言葉を思い出した。
[水平線]

「良いの。自分の身体に関してそこまで執着してないから。ノイトくんと違って私の身体は魔神のだし。」

[水平線]
(もしかして......気がついてない?僕のことばかり考えてて......。)
「ルミナはこのままここで待機してて。」
[太字][明朝体]「お兄ちゃんは?」[/明朝体][/太字]
「リュミエに伝えておかないと!」
ノイトはそのままノルストラへと駆け出していってしまった。
[太字][明朝体]「お兄ちゃん......。」[/明朝体][/太字]

ノイトは[漢字]希璋石[/漢字][ふりがな]フィスリテル[/ふりがな]を投げて[[漢字]位置置換[/漢字][ふりがな][/ふりがな]]を発動した。最前線の少し前まで辿り着く。
「リュミ、...」
次の瞬間、街から少し離れた場所から轟音が鳴り響いてノイトは声が掻き消された。
(この気配.......フィルさんとリオールさん!ユリメラさんを見つけたのかも!!)
ノイトは先にそちらへと向かうことにし、再び[漢字]希璋石[/漢字][ふりがな]フィスリテル[/ふりがな]を投げて轟音がした方へと向かう。

「フィルさん!リオールさん!」
「ノイトさん!!」「ノイト!!」
2人の前に居たのは巨大な結晶の柱。縦に筋が通っていて綺麗である。神秘的な光を放つその柱の中にはユリメラが居た。
(魔神の核が深くまで埋め込まれているようではなさそうだし、まだ助かるかもしれない!)
「さっきの轟音は何ですか?」
「この柱を地上に引き上げた衝撃だろうな。鼓膜が敗れるかと思った。」
「ここからユリメラを救い出せば、後は“知識の魔神”を倒すだけです!......ただ、見た感じこの柱は魔神の核から直接魔力を通わされていてかなり丈夫にできているようで......手伝ってもらえませんか?」
「分かりました。割っちゃう感じで大丈夫ですかね?」
「はい!」
フィルマリーとリオールが手を翳してノイトへと魔力を集中させる。ノイトの足元に魔法陣が展開され、周囲の魔力が魔法陣を介してノイトの足元から昇っていった。その魔力は【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】の[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]へと込められていく。
「先に言っておきますけど、多分これでもヒビが入る程度です。体力もほぼ残ってないですし、精神的にも疲労が溜まってきてるんでそれ以降はお二人に任せます。」
「分かりました。」「分かった。」
ノイトが巨大な結晶の柱の一点を目掛けて突きを放った。

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]『[漢字]氷壁割撃[/漢字][ふりがな]アイス・クラック[/ふりがな]』[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

柱にヒビが入り、魔神の魔力が漏れ出した。
「んー、なかなか硬いですね......。一応[漢字]青白磁の金属[/漢字][ふりがな]サスロイカ[/ふりがな]製の武器にこの量の魔力を乗せたはずなんですけど......。」
「充分ですよ!後は私がやります!!」

[中央寄せ][太字]上級魔術:〘ᚪᚥᚪᚴᛖ〙[/太字][/中央寄せ]

フィルマリーが翳した手から放たれた光が結晶の柱を通り抜けてユリメラを包みこんだ。
「ユリメラ!目を覚ましてください!!」
ユリメラの瞼がピクリと動き、ゆっくりとその目が開かれていく。どうやらフィルマリーの声はちゃんと届いたようだ。しかし次の瞬間、魔神の核も同時に動き出して結晶の柱が粉々に砕け散った。
[斜体](この数で突っ込まれたら......!!)[/斜体]
ノイトがマジックバッグの中に手を突っ込んで何かを引っ張り出す。結晶の破片が一斉にノイトたちに向かって飛んでくると思われたそのとき、すべての破片の動きが止まって空中に静止した。そしてほんの少しの間が空いて落下する。
「ノイト......その魔具は?」
ノイトが手に持っていたのは懐中時計のような魔具。以前機械都市・カタパリアを訪れたときにノイトがハイヴが務めていた歯車喫茶で買ったものである。
「少し前に買ったやつですよ。限定的な空間の時間操作が出来るやつです。」
ノイトとリオールの会話を気にも留めず、フィルマリーは柱から解放されて崩れ落ちそうになったユリメラを支えた。
「......フィル?」
「ユリメラ!無事で良かったです!!」
「いや〜、全然無事ではないんだけどなぁ......?......ん?」
まだ魔神の核はユリメラの胸にくっついていた。それを違和感として感じ取ったのか、ユリメラがそれを取り去ろうと手を触れる。
「ゔぅ......!!」
「ダメですよユリメラ!いきなりそんな動いたら!! 私が取ります!」
フィルマリーが魔神の核に触れたが、ユリメラと同じような反応だった。リオールが上級魔術で2人がどういう状態なのかを確認する。

[中央寄せ][太字]上級魔術:〘ᚪᚾᚪᛚᚤᛋᛁᛋ〙[/太字][/中央寄せ]

リオールの右目に映る視界に映ったのは深い深淵。禍々しく蠢くその[漢字]何か[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]はこの世のものとは思えなかった。リオールですら長時間見ていては体調を崩すようなものだった。
「ノイト......これは早く引き剥がした方が良さそうだ......。」
「何が起こってるかは分かりませんけど......直接触れるとそうなるんですね!」
ノイトがマジックバッグの中から空の瓶を取り出し、リオールの方に目配せをした。頷いたリオールは上級魔術を唱える。

[中央寄せ][太字]上級魔術:〘ᛁᚾᚺᚪᛚᛖ〙[/太字][/中央寄せ]

リオールの魔力で魔神の核が包まれ、そのままリオールの魔力ごと瓶の中に吸い込まれていくように収まった。
「どのくらい持つ?」
「長くて数十秒です!」
ユリメラから魔神の核を引き剥がすことに成功したノイトはその瓶を遠くへと投げ飛ばした。さらにリオールが無詠唱で起こした風の魔術で上空へと吹き飛ばす。こうして真に解放されたユリメラを見たフィルマリーは目に涙を浮かべてユリメラに抱きついた。
「ユリメラ!! ......良かった......ホントに......!」
「フィル......ありがとう、助けに来てくれて。」
涙を浮かべたユリメラだったが、すぐにノイトに気が付いて優しげな笑みを取り戻した。
「あなたも、ありがとう。」
「いえ、僕は大事な仲間のために動いただけです。」
「ふふっ......。リオールくんも。」
「全く......しばらく行方不明だと思ったら魔神に身体を乗っ取られたなんてな......。まぁ、元気そうで何よりだよ。」
少し離れた所から誰かが走ってくる音がする。ユリムだ。
「お姉ちゃん!!」
「ユリム!」
ユリムとユリメラも抱き合い、再会に感動しているようだった。
「お姉ちゃん......私、私ね......?お姉ちゃんが、魔神になっちゃって......っ、すごく、心配してたんだから......!!」
「......心配かけてごめんね、ユリム。もう大丈夫だから。」
「......別に、ユリメラさんが魔神になったわけじゃないんですけどねぇ......?」
「「え?」」
[漢字]KY[/漢字][ふりがな]空気が読めない[/ふりがな]ノイトの言葉でユリムとユリメラは目を見開いた。状況が掴めていないようだ。そこでリオールが補足に入る。
「ユリメラは魔神の核に肉体の主導権を奪われた。それは確かに事実だが、ユリメラは魔神そのものではなくその“器”......依代にされていたんだ。」
「依代に......?」
「あぁ。ユリメラの魔力の波長が魔神の核に合っていたのか、はたまた魔力量や知識量に目をつけたのか......。まぁ、どんな理由であれユリメラは人間のまま一時的に依代にされていただけだ。多少魔神の核の影響はあるかもしれないが、先生に治療を頼めば後遺症は残らないだろう。」
「......つまり、お姉ちゃんの魔力は今はスッカラカンなの?」
ユリムの言葉でユリメラが少し自分の身体を動かしてみたが、大した問題はなさそうだった。
「多少魔力は減っているけど......全然動く分には問題ないと思う!」
そう意気込んで立ち上がろうとしたユリメラがフラついて慌ててフィルマリーが支える。
「何が多少ですか!ガッツリ減っちゃってるでしょう!!」
「ごめんごめん、あんまり心配かけたくなくて......。」
「無理しないでくださいね?」
「はーい。」
そしてフィルマリーはノイトの方を見た。
「ノイトさんもです!ノイトさん......もう魔力が残ってないじゃないですか。体力的にもいつ倒れてもおかしくはない状態なのに......。」
「まだやることが残ってますからね。」
そう言ってノイトは街の方を振り向いた。最初に見たときは少し大きめの建造物程度の大きさだった“知識の魔神”が、今では街一つを覆い隠す程の大きさになっている。恐らく先程遠くへ放り投げた魔神の核が瓶を壊して本体部分と合流したのだろう。
「......ノイトくん。」
「.......はい。なんですか?」
ユリメラはノイトの肩に触れる。
「......本当に、ありがとう。感謝してもしきれない......。」
「今はそんなことどうでも良いですよ。」
「......そんなこと?」
「はい。僕1人に構ってる暇があれば、まずはあの“知識の魔神”を倒すために出来ることをしてください。話をそれからです。」
ノイトはユリメラの返事を待たずに駆け出す。一拍遅れてリオールが続き、さらに遅れてフィルマリーとユリムがユリメラを支えながら2人の後を追った。

ノイトは残った最後の[漢字]回復薬[/漢字][ふりがな]ポーション[/ふりがな]を飲み干して本当に後に退けない状態になった。
(魔神の腕の様子がさっきまでと違う......急がないと!!)
街を壊さんばかりに暴れる腕を、リュミエとラルカとエルクスと朱羅が止めている。リュミエがワイヤーで一瞬動きを止め、それをラルカが銃で冷気に変えたり朱羅が燃やしたりエルクスが断ち切ったり。その反動で街中に腕の残骸が飛び散っている。眠っているアテルの方へと飛んできている残骸はすべてイグが弾き返していた。ノイトから見えないところでは恐らくメルクやカメリア、レイクたちが止めている。
(アテルに関しては普通に守らなくても大丈夫だと思うけど......まぁ、良いや。)
しまっていた【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】をマジックバッグから取り出し、ノイトも“知識の魔神”へと向かって飛び出した。

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]〔[漢字]魔力斬撃[/漢字][ふりがな]マギノ・スラッシュ[/ふりがな]〕[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

今のノイトに残された魔力での精一杯。それは大したダメージにはならなかったが、確かにその場に居た者たちへの合図となった。
「全員、最後の畳み掛けだ!かかれ!!」
ラルカの指示で総員が一斉に“知識の魔神”へと飛びかかる。

[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]『[漢字]灼愛射閼召[/漢字][ふりがな]ヤマナイアメ[/ふりがな]』[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]『[漢字]華燭の舞[/漢字][ふりがな]フローラ[/ふりがな]』[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]〔[漢字]終焉の爪痕[/漢字][ふりがな]アポカリプス[/ふりがな]〕[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]『[漢字]精霊巨蛇[/漢字][ふりがな]ヨルムンガンド[/ふりがな]』[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ][明朝体]居合・奥義[[斜体][漢字]凪閃[/漢字][ふりがな] なぎせん[/ふりがな][/斜体]][/明朝体][/中央寄せ]

[中央寄せ][大文字][太字][斜体]『[漢字]天光雨矢[/漢字][ふりがな]イーオケアイラ[/ふりがな]』[/斜体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]『爛舞・桜轟竜』!![/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

そして。ミストルの町にある時計塔のバルコニーから放たれた虹色の魔力を帯びた黒い五線譜の槍が“知識の魔神”を貫いた。

[水平線]

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体][大文字]超級魔法:『[漢字]幻想奏楽[/漢字][ふりがな]パフォーマンス[/ふりがな]・[漢字]一点集中[/漢字][ふりがな]スポットライト[/ふりがな]』[/大文字][/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

[水平線]

“知識の魔神”の本体が崩れ始めた。本のような“知識の魔神”の本体の残骸が街中に降り注ぐ。しかしそれを一瞬の光と共に消し去った者たちが居た。フィルマリーとリオール、そしてユリメラだ。

[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]三重詠唱/上級魔術:〘ᚠᛟᚱ ᚪ ᛈᛖᚪᚳᛖ ᛏᚺᚪᛏ ᚥᛁᛚᛚ ᚾᛟᛏ ᚳᛟᛚᛚᚪᛈᛋᛖ〙[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

魔力を使い果たしたノイトが街の建物の上になんとか着地して座り込む。
(......今のすごい近所迷惑だったかもしれない。屋根にドカッて来るのめちゃくちゃ迷惑でしょ。)
リーリャの超級魔法でバラバラになった“知識の魔神”は虹色の魔力の粒子と共に無数の星が浮かぶ夜空に舞い散っていく。
(綺麗だな......流石、僕の大事な[漢字]知音[/漢字][ふりがな]パートナー[/ふりがな]だね......すごいよ。)
この期に及んで近所迷惑に気が行き始めたノイトはゆっくりと屋根から降りて道の真ん中に着地した。そこにメルクやラルカ、フィルマリーたちが駆け寄ってきた。
「ノイトくん!」「ノイト!」「ノイトさ〜ん!」
「ハァ......全員、本当にお疲れ様。よく頑張ったね......ありがとう。」
戦いの中での緊張の糸が解れ、和やかな雰囲気が流れる。朱羅が降りてきてノイトの前に立ちはだかった。
「おいノイト!どうじゃわしの活躍は!! わしの恐ろしさを思い知ったか!!」
ノイトは優しい笑みを浮かべて答える。
「朱羅、本当にありがとう。朱羅が来てくれたお陰ですごく助かったよ。」
「[斜体][大文字][太字]だからァ(⤴︎)!![/太字][/大文字][/斜体] なんでそうなるんじゃァ!! わしは“紅き災害”!人々が恐れ慄く存在なのじゃ!だいたいわしは...」
「朱羅。」
「アァん?何じゃ!!」
「朱羅はすごく強いよ。」
「[斜体]──っ///!?[/斜体]」
ノイトに褒められて言葉に詰まった朱羅をそれを見てニコニコしているノイトの隣に満面の笑みで歩み寄ってきたメルクがノイトの肩を掴む。
「ねぇ、ノイトくん。私も頑張ったんだよぉ?褒めて褒めて。」
表情の割には感情が籠もっていない、何か圧をかけるようなメルクの様子。普段のノイトだったらその場のノリで怖がっておくものの、今のノイトはそうではなかった。
「メルもありがとう。レイクさんやカメリア様が来るまでの間、魔神の腕を1番抑え込んでくれてたのはメルだったと思う。お陰ですっごく助かった!さっき僕が“後で話そう”って言ったのはもうちょっとだけ待っててくれるかな?ちょっと疲れちゃって。」
「......分かった。ノイトくんも、お疲れ様ッ。」
朱羅に続いてメルクも堕ちた。ノイトの視界に映る誰もが笑顔だと思っていたが、ラルカだけがノイトとは別の方向を見ている。
「ラルカ?どうしたの?」
「......ノイト。アレはどうする?」
「ん〜?」
ラルカの視線の先を見ていると、“知識の魔神”の残骸と魔神の核があった。よく見ると魔力が集中していっているようだ。
「来るぞ。」
「......どうしようかねぇ?」
「ノイト!」
「ごめん、今ちょっと頭が働かなくて。」
ラルカは魔神の核に向かって発砲したが、魔神の残骸が盾となって魔神の核を庇ったため届かなかった。次の瞬間には魔神の核が集中させていた魔力が解き放たれて一筋の光がノイトたちに向かって飛んでくる。
当然メルクやカメリアなど動ける者たちは動こうとした。しかし。それを阻む事象が発生した。

[水平線]

[中央寄せ][大文字][大文字][太字]── 動くな ──[/太字][/大文字][/大文字][/中央寄せ]

[水平線]

脳内に流れ込んだその[漢字][小文字]命令[/小文字][/漢字][ふりがな][大文字]規律[/大文字][/ふりがな]がノイトたちの行動を[漢字]許されないもの[/漢字][ふりがな]・・・・・・・[/ふりがな]にした。
( ────。)

魔神の核の攻撃がノイトたちに当たる直前。

ノイトたちの目の前に防御魔術が展開された。

その速度と緻密さには無駄がない。

ノイトの前に佇むその人物がそれを展開している。

そこに居た高身長の男性は先が青みがかった黒い髪で、丸眼鏡をかけていた。ローブが風に靡き、その顔がノイトの視界に映った。
「久しぶりだね、ノイト。」

「お父さん......。」

無駄のない魔力操作と佇まいには絶対的な余裕が静かに伴っているようである。
「ノイト、今のが何かわかってる?」
「因果律の上書き?」
「正解。まぁ良いや。後は任せてよ。」
その人物はゆっくりと魔神の核の方へと歩いていった。その後ろ姿をじっと見つめているノイトにメルクが尋ねる。
「ねぇノイトくん、あの人って誰?」
「ミドネイト=ソルフォトス。この世界での、僕のお父さん。僕が絶対に追いつけない背中だよ。」
「ノイトくんの......。」
リュミエがノイトにそっと耳打ちする。
「ねぇ、大丈夫なの?カメリアとエルクスと朱羅が居るけど......。3人には言ってないんでしょ?」
「んー、まぁ勘付かれちゃったらしょうがないでしょ。うっかりボロを出した僕もアレだけど、迂闊に口外するような人たちじゃないし。」
ノイトが“この世界での”という発言をしたことを、カメリアやエルクスが聞き逃すとは思えなかった。しかし、今はそれどころではないのか、2人ともミドネイトの後ろ姿を見つめていた。
「さて、と......僕はもうしばらくここから動けそうにないし、一緒に付き合ってくれる?特等席でお父さんの魔術が見られる機会は早々ないからね〜。」
メルクもリュミエもラルカも返事をすることすら忘れて魔神の核を前にしても一切ブレないミドネイトを見守っていた。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回はユリメラの救出とミドネイトの本格登場を描きました。次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受け付けています。本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

感想・質問・考察などは
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[追記]
アテルは多分もう起きてます。

2026/07/13 23:40

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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…等

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