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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

また、一部微細な暴力表現が含まれている場合があります。
これを苦手とする方は閲覧をお控えいただくことをお勧めします。

【せかゆめ1周年!これからもよろしくお願いします!】

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世界に溢れる夢

#115

115.実力者

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

しばらくして、世界の色と魔力が戻り始めた。少しずつ暖かくなってきて、身体にも魔力を込めることが出来るようになっている。
「おぉ、戻ったね...!ノイト、お疲れ様!!」
「ハァ......まったく、なんで魔神が3体も連続で出てくるわけ?一応組織の中では十分幹部クラスだったモドーも結果的に居なくなってるわけだし...。」
「やっぱり魔力が戻ると落ち着きますね〜!」
「ノイトくんっ!お疲れ〜!!」
魔力と体力を大量に消耗したノイトは疲労困憊だったが、労いの言葉には返事をした。
「うん、お疲れ〜。やっと終わったよ...!」
[太字][明朝体]「お兄ちゃん!この後は一度ノルティーク大陸に戻りませんか?この度の活躍は我が国をあげて称えるべきです!あとは勲章もお父様にお願いします!!」[/明朝体][/太字]
[太字][明朝体]『ルミナスはノイトのことが好きなんだな。』[/明朝体][/太字]
[太字][明朝体]「はい!大好きですっ!!」[/明朝体][/太字]
ノイトは両肩を力強く掴まれてリーリャとリュミエの視線を感じる。
(う〜ん、修羅場だなぁ......。)
「ノイトさん、モテモテですねぇ〜!」
「フィルさん。余計なこと言わないでください?」
ノイトは本当に気まずくなったときは精神干渉系の魔法を使おうかと思っているところだ。
「ちょっとエルクス〜!久しぶりに妹さんに会えたからってはしゃぎすぎ!私たちのこと忘れてない?」
[太字][明朝体]『あぁ、そうだった。ノイト、僕の仲間を紹介するよ。』[/明朝体][/太字]
エルクスのパーティーメンバーが集まった。エルクスが順に名前を呼んでいく。
[太字][明朝体]『まずはシルイ。さっき見てたかもしれないけど、召喚士だ。料理や裁縫が得意でいつも助かってるんだ。』[/明朝体][/太字]
「どうも〜。」
[太字][明朝体]『次に、ザルヤ。弓矢の扱いに長けていて、とにかく勘が鋭い。普段は索敵を担当している。』[/明朝体][/太字]
「よろしくな。」
[太字][明朝体]『そして、フェノル。魔術が得意で、回復と援護を同時にやってくれるんだ。呪いのせいで話せないらしいけどね。』[/明朝体][/太字]
「......。」
フェノルはノイトへの軽く頭を下げた。ノイトも会釈で返す。
(えっと......シルイさんは良いとして、ザルヤさんはベルリスさんと同じ弓使いで、フェノルさんはフィルさんの下位互換か同レベル......。なんでだろう、スペックはかなり高いはずなのにそこまで心強さは感じない...。)
ノイトとフィルマリーが居ればそれだけでも大抵の国は滅ぼせる。それだけの戦力がただ増えただけ。そう考えると、戦力は増えているはずなのに新しさがない。
「...ノイト、どうしたの?」
リーリャは不思議そうにノイトの顔を覗き込んだ。視界の端に超近距離に居るリーリャの顔が映るが、振り向かないまま答える。
「いや、何でもない。」
[太字][明朝体]『さて、と......それじゃあ、その魔神の魔力の結晶を封印したらノルティーク帝国に戻ろうか。』[/明朝体][/太字]
ルミナスはエルクスの言葉を聞いて不思議そうに首を傾げた。
[太字][明朝体]「完全に魔力を消滅させるのではなくて封印なのですか?」[/明朝体][/太字]
[太字][明朝体]『あぁ。特定の色を帯びた魔力をこの世界は完全に消すことは難しい。それが魔神であれば尚更ね。』[/明朝体][/太字]
フィルマリーは頷いてリュミエの近くに飛んでいるゲデニスの火を見て口を開く。
「そうです。“記憶の魔神”がノイトさんとリーリャさんに討伐されたにも関わらず、リュミエさんが“記憶の魔神”の火としてそれを持っていられるのも同じなんですよ。」
「へぇ......ゲデニス、魔神で良かったね。」
[大文字][明朝体]〈貴様が言うか......。私の存在意義は記憶の補完だ。この世界が記憶の存在しない状態にでもならない限り、私の魔力はこの世界に残り続ける。〉[/明朝体][/大文字]
「なるほど......?」
[明朝体][大文字]〈そして、この世界の記憶の全てを持っているのが世界樹だ。〉[/大文字][/明朝体]
フィルマリーは頷いて話を続ける。
「その世界樹っていうのは超級魔術:〘[漢字]世界樹[/漢字][ふりがな]ユグドラシル[/ふりがな]〙という魔術で顕現させることが出来て、過去の全てと未来の予言を司っているんですよ!」
「ゲデニスもフィルさんも詳しい......。」
「当然だ。」
そこに割って入ってきたのはドメリアスだった。ドメリアスはフィルマリーを見ながらノイトにあることを伝える。
「そこに居るフィルマリーは、魔法や魔術に熱意を抱いている。それで昔俺がグレイベアルドに行った時に何度も話を聞いてきたんだ。」
「へぇ......。」
(面識あったんだ......確かに2人とも知識量ならこの世界でもトップクラスだろうな...。フィルさんに関してはハイヴさんとミエルさんが兄弟だって魔力の性質だけで気が付いてたし......!)
「だがなぁ......魔術に関する知識はフィルマリーの方が多いのにも関わらず宿屋の前まで付けてきたりして面倒な学生だったな...。」
フィルマリーは むっとして杖を握りしめた。
「だって。ドメリアスさんの方が全体の知識量は多いでしょう!魔法や魔術に関わる可能性があるものは全て紐づけておきたいんです!!」
「この[漢字]魔導狂[/漢字][ふりがな]マギノマニア[/ふりがな]め......あの時俺は仕事で行ったんだ。ガキのお守りをしに行ったんじゃない。」
「でも、色々教えてくれたじゃないですか〜!お陰で今はここまで極められました!! また色々と教えてくださいねっ!」
「断る!」
「えぇ、そんな!」
ノイトが知る限り、ここまでテンポよく続いた会話はノイトとメルク、ノイトとリーリャ、ノイトとフィルマリー、ノイトとリュミエくらいだ。
(良かった......僕だけの依存じゃなくて。でもまだ僕のことコレクションに入れようとか思ってるよね...?気を抜いたらダメだな。)
リーリャはノイトの顔を覗き込んで声をかけた。
「ノイト。何考えてるの?」
「ん、いや、何でもないよ。」
「嘘。ノイトは考え事してるとき、そういう目になるもん。」
リーリャが今まで1番近くで、1番長く側に居たからこそ分かること。どんなに少なくとも、それだけでは誰にも負けない。
「......そうかな?」
「そうだよ。...ずっと、見てたもん。[漢字]近く[/漢字][ふりがな]ここ[/ふりがな]で。」
リュミエは少し不満そうにジトッとノイトのことを睨んでいる。
「ノイトくん、なんだか楽しそう。ずるい。私じゃダメなの?」
「あぁ〜、ごめんね。僕の隣はもう決まってるんだよ。」
リュミエは流れるように振られた。ノイトのさりげない笑みが、何よりも物語っているのはリーリャへの信頼とそれ以上の何か。それでもまだリュミエは完全には引き下がれなかった。
「ふ、ふぅ〜ん...そんなこと言っちゃうんだぁ......。私とあんなことまでしたのにね〜。あんな真夜中に2人で......。」
リュミエは顔を背けたがチラッとノイトとリーリャの方を向く。ノイトは一拍置いて記憶を思い出し、リーリャに説明した。
「あれか、ケノを解放した後にリュミエだけが夜中に外出してて、ちょっと心配だったから様子を見に行ったらメルと同じ所属の人に会ってね。2人で追い詰めたんだけど逃げられちゃって...。」
それを近くで聞いていたメルクは声のトーンを落として尋ねる。
「ねぇノイトくん。そいつ、どんな見た目だった?」
「えっと......白髪で右頬にナイフで付けられたような傷があった。[漢字]不死[/漢字][ふりがな]アンデッド[/ふりがな]専用の剣を持ってたよ。」
メルクは首を傾げて呟いた。
「...じゃあ、幹部じゃないか。」
リーリャはノイトの話を聞いてまだノイトと旅に出発し始めたばかりの頃のことを思い出す。
「...え、それって最初の森とあの地下迷宮みたいな場所で会った人?」
「そう。昏迷の森ではもう1人、一緒に女性が居たけど。モスクルはゴーレムみたいな魔獣を連れ込んでたね。」
[太字][明朝体]「お兄ちゃん、そのゴーレムは大きい個体だったんですか?」[/明朝体][/太字]
「え、まぁ...そうだよ。......ん?迷宮都市、だったよね......?」
[太字][明朝体]『だとすれば、その男は只者ではなさそうだ。迷宮都市の周囲は広大な迷宮が広がっていて、さらには天井の代わりに結界魔法が張られていると聞いたことがある。巨大な魔獣が入れるわけがない。』[/明朝体][/太字]
「つまり、あの人は空間操作系の魔法か魔術が使える...?」
リュミエが小さく声を漏らした。何かを思い出したようだ。
「ノイトくん、あの時私を助けてくれたよね?」
「うん。」
「あのときにあの人、空間削除の禁忌魔法を使ってたよ...!」
[太字][明朝体]『...であれば、空間操作系の魔法が使えることは確かなようだ。残りの魔神の復活や今回のような新たな魔神の開発を防ぐためにその組織を組織的犯罪集団として手配しよう。』[/明朝体][/太字]
「あっ......それ、半分は大丈夫ですよ?」
リーリャの言葉にエルクスは黙った。リーリャは自身の言葉足らずに気が付き、すぐに説明する。
「その、全部で7体居た魔神はもう全部倒しちゃいました。ノイトが。」
「ん、僕に振ってくるの...?まぁ良いけど。......全部、だと語弊がありますね。僕が戦ったのは6体です。もう一体はあっちに居るラルカと、恐らくレイクさんとフィルさんたちが倒してくれました。」
[太字][明朝体]『レイク、ノイトの話については?』[/明朝体][/太字]
[大文字]「一切相違はございません。」[/大文字]
[太字][明朝体]『なるほど。フィルマリー...様。7体の魔神について説明していただけますか?』[/明朝体][/太字]
(次から次へとたらい回しだな...。)
ノイトが心の中で何を考えているのかも知らず、フィルマリーはただエルクスとその場に居る全員に7体の魔神のことを説明した。
「えっと...7体居る魔神ですが、それぞれに二つ名と名前があります。まず、ノイトさんとリーリャさんが1番最初に出会った“終焉の魔神”マズロイン。かつてノルティーク大陸を滅ぼしかけた魔神で、過去の文献によれば終焉そのもののようなどす黒い魔力を持っており、またの名を“禁忌の王”と言います。」
「初耳ですね。まぁ、復活直後で準備運動も朝食も取らずに戦ったら魔神もああはなります。続けてください。」
静かに頷いたフィルマリーは次の魔神について説明した。
「次は、私とレイクさんとラルカさん、それからエスミルト騎士団が対峙した“絶望の魔神”カヴローチェ。情報が少なかったことと実際の戦闘ではレイクさんが一方的に優勢だったことを考えると、そこまでの脅威だとは捉えられません。ただ、その二つ名の通り“絶望”に関する精神系の禁忌魔術が使えた可能性もあります。」
[大文字]「“終焉の魔神”の攻撃の全てを捌き切ることは難しかったが、“絶望の魔神”は比較的速度も落とされていてこちらからも攻撃を仕掛けやすかった。」[/大文字]
「トドメを刺したのはレイクさんですか?」
[大文字]「いや、ラルカ...だ。」[/大文字]
(今の間はなんだ......?ラルカは確かにノルティークの血を継いでるけど、伊豆ベラ様と不倫相手の間の子だから“様”は付けなくて大丈夫でしょ。)
丁度ラルカが近づいてきた。
「何の話をしている。」
「7体の魔神について。」
「そうか、ならば私も聞かせてもらおう。」
これでフィルマリーの説明を聞いているのは8人になった。カメリアは疲労が溜まっているせいでなかなか頭が働かず話を理解するのに時間がかかっているようだった。
「次は“記憶の魔神”ゲデニス。今は火のような状態となっていますが、一度ノイトさんとリーリャさんの手によって討伐されています。ノイトさんの話によると、他人の記憶の読み取りが出来るようです。ただ、真実を捻じ曲げて伝えることには躊躇いがあったり奇襲を仕掛けようとせず会話から始めたり、特徴としては分別ある人間に似たものだと思われます。」
[大文字][明朝体]〈私が、人間に似ているだと......?〉[/明朝体][/大文字]
ラルカは独り言を呟く。
「......[漢字]記憶[/漢字][ふりがな]ゲデヒトニス[/ふりがな]、か。」
それを聞き取ることが出来たノイトは心の中で納得した。
(あぁ...ゲデヒトニスから“ヒト”を取って......ってものすごく日本語じゃん。)
「次は“幻惑の魔神”ミルシィア......もといリュミエさん。まぁ、これは本人から聞くので良いでしょう。そして、“眩惑の魔神”ムルシィアについて。この2体はムルシィアの発言から、組織の手によって生みだされた改造人間だと言うことが分かっています。元々は人間だった少女が、今のリュミエさんのように魔神の肉体と魔神の魔力、そしてその魔神特有の能力を手に入れているようです。ムルシィアの方は姉妹だと言っていましたが、リュミエさんが違うと断言していたため、2人に血の繋がりはないものだと考えます。」
このとき、本来ならリュミエの方に目が向くはず。しかし、誰もリュミエがそこに居ることを忘れているかのようにフィルマリーの話や各々の思考に集中していた。リュミエが幻惑を施して自身の存在を感知されないようにしているのだ。ただ1人、その幻惑の能力に当てられていないのがノイトだった。ノイトは小声でリュミエに話しかけた。
「[小文字]良いの?これで。[/小文字]」
「良いの。」
リュミエの存在を一時的に忘れたままフィルマリーは次の説明に進んだ。
「次が“孤独の魔神”リトゥス。討伐に於いては1対1の戦闘での勝利が条件です。恐らく相手の人数によって元々の個体の強さが分散されるのでしょう。とにかく孤独なもので、こちらも過去の文献に情報が少ないです。」
[太字][明朝体]「あの方...少しだけ寂しそうでした。ずっと独りぼっちだったみたいです。」[/明朝体][/太字]
「...長きに渡る孤独は甘えを失くす。それは悪いことではないはずだ。」
「それはラルカ自身を肯定するための言い訳だよ。」
ラルカの批判的な意見を、即座にノイトが指摘する。善悪や正誤などの極端で分かりやすいが偏っている考え方よりも、より質が良い考えの方がノイトには納得出来るのだ。
「甘えだけじゃなくて他人を思いやる気持ちまで失くなっちゃうよ。」
「結局人間は自分のために生きる生物だ。反射などの生存本能がそうだろう。他人など二の次になる。」
「......その考え自体は僕も同じだけど......その後が違う。」
「後だと...?お前は“それはそれ”やら“そういうもの”やらで物事を片付けるようにしか見えないが。その後に何があると言うのだ?」
「大人の余裕。安心と信頼は余裕から生まれるんだよ。追い込まれてる人に頼ろうとする人はなかなか居ないだろうし。」
「......かっこつけて楽しいか?」
「楽しい。」
「恥を知れ......。」
「その喋り方でよく言えるね。」
「ぐっ......。」
やはりノイトのカウンターは切れ味が良い。ノイトの場合はカウンターを構えながら突っ込んでいくようなものではあるが。
「ノイト、論点ズレてるよ!」
「そうだった。ありがと、リーリャ。...で、そもそも“悪い”だとか“悪いことではない”だとかいう話じゃないからね。1人の方が落ち着く人も居るし、大勢の方が良いと思う人も居るでしょ。多分リトゥスは前者。ケノ程異様な執着がなかったから良かったよ。」
(ノイト......“良い”とか“悪い”とかの話じゃないんでしょ。自分で張った線に自分から引っかかってるよ。)
ここはノイトを煽る時ではない。そう思ったリーリャなりの一つの選択だった。恐らくノイトも自力で気が付いていることだろう。
「最後に“虚無の魔神”ケノ。本体は幼い少女のようで、心には深い闇を抱えています。虚無の中に引きずり込んで吸収することが目的だったと考えています。実際、ノイトさんが今までの戦闘の中でもトップクラスに苦戦したのではないでしょうか?」
「あ〜、はい。あれは僕が甘かっただけですけどね。ラルカだったらあんなヘマはしませんよ。」
「当然だ。一瞬の油断で足を滑らせることもある。過去へ戻ることは出来ないからこそ、判断を続けなければならないのだ。」
「でも、ノイトくんには私が居たからね。間に合ってよかったよ。ね?」
「メル、今更感謝しろって言いたいのかな?」
「まぁね〜。私が居なかったら今ノイト組んどころか全員がここうして生き延びてないよ。」
「それはそうかもしれないけど......。」
[太字][明朝体]『何はともあれ、7体の魔神の説明は終わった。しかし、まだ問題がある。』[/明朝体][/太字]
「はい。存在しないはずの魔神が生みだされたこと。そして、まだその魔神を生み出した組織が存在することですね。」
そこでメルクが手をあげた。
「はい、私も一応所属はそこだから拠点の位置は把握してます!」
[太字][明朝体]「でしたら、手遅れになる前に手を打っておいた方が良いかもしれませんね。メルク様は案内役として必要不可欠ですか、あとは誰が向かいますか?」[/明朝体][/太字]
そこで一歩踏み出た者が2人。ノイトとラルカである。リーリャが口を開きかけた所でゲデニスがリーリャを止めた。
[明朝体][大文字]〈待て。大勢で乗り込んでしまえば拠点に辿り着く前に勘付かれる。3人が妥当だ。〉[/大文字][/明朝体]
どうやらフィルマリーとリオールはノルストラで研究の続き、ドメリアスとイルムはノルティーク帝国に戻って報告書のまとめ、エルクスとそのパーティーメンバーはノルティーク王への遠征の報告をしなければならなかったようだ。
「リーリャとルミナとリュミエにはノルストラ行方不明になった人たちの捜索と、モドーさんの墓標を立てるのをお願いしたい。」
ノイトの視線をレイクに向ける。
「レイクさん、エスミルト騎士団の人たちには引き続き今までのような仕事をお願いするように言っておいてもらえますか?あと、可能であれば魔神の魔力の結晶の封印も。」
[大文字]「分かった。引き受けよう。」[/大文字]
[太字][明朝体]『各々すべきことははっきりした。だがノイト。君は魔神との戦闘でかなり消耗しているだろう。今日はもうノルティーク帝国に戻ってしばらく休むと良い。』[/明朝体][/太字]
「...それじゃあ、そうさせてもらいます。」
「取り敢えず、全員でノルティーク大陸に戻りましょう!」
長々としたくだりを終え、一行は音楽都市・ムズィガルドへと歩いていった。リーリャはエルゼリーデの元を訪れ、感謝と別れを告げる。
「あっ、エルゼリーデさ〜ん!」
「リーリャちゃん!大丈夫だった?さっきなんかすごい気配がしたけど...。」
リーリャは誇らしげに胸を張ってノイトの腕をぎゅっと抱きしめた。
「はい!ノイトがやっつけてくれました!!」
「リーリャ。多分そっちじゃない。」
「...?どういうこと?」
「いや、魔神じゃなくてあの世界の理みたいなやつの方だと思う。」
「あぁ......そっちか。私たちは大丈夫でしたよ!」
エルゼリーデはリーリャの言葉を聞いて安堵のため息を吐く。それから小さな手帳をポケットから取り出してリーリャに渡した。
「...これは?」
「ふふっ......私のピアノの練習メモ。もしかしたらリーリャちゃんの役に立つかもしれないから。」
「良いんですか?こんな大切なもの...。」
「良いの。私にはもう必要ないから、リーリャちゃんに持ってて欲しいの。」
「...分かりました。大事にします!」
リーリャは少し寂しそうな表情をしてエルゼリーデに何かを言おうとしたが、エルゼリーデは首を横に振った。
「分かってるよ。またいつか会えたら、そのときはまたピアノの演奏しようね!」
「...!はい、必ず!!」
2人はしっかりと握手をして別れる。しばらく歩いてからノイトがリーリャに何気なく大丈夫かどうかを尋ねた。
「...リーリャ、良かったの?ピアノ演奏するの好きだったんでしょう?」
「ん〜、多分大丈夫だよ。ノイトが居るから。」
「......そっか。」
宿への帰り道、一瞬だけリーリャの肩がノイトの肩に触れた気がした。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回は“全能の魔神”の核との決着を描きました。次回もお楽しみに!!
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

[追記]
ばにたすばにたすᓀ‸ᓂ

2026/03/19 17:21

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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