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本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

また、一部微細な暴力表現が含まれている場合があります。
これを苦手とする方は閲覧をお控えいただくことをお勧めします。

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世界に溢れる夢

#105

105.袋小路

[中央寄せ]・・・[/中央寄せ]

何か絶対的な存在を感じてから、数分が経った。しかし、ルミナスとリュミエが現場に駆けつけた時、まだノイトたちは動けないでいた。
[太字][明朝体]「お兄ちゃん!しっかりしてください!!」[/明朝体][/太字]
「ノイトくん!ボーっとしてないで、早く!!」
2人の声が聞こえてからしばらく間が空き、ようやくノイトは我に返った。
「......あっ...。...えっと、確か僕は魔神と......。」
ノイトは辺りを見渡す。リーリャやラルカ、リオール、フィルマリー、メルク、レイク、カメリア、ロズウェル...そして、目の前に居る魔神。ノイトはほんの今しがたまで彼らと同じ状態になっていたことに気が付き、呆気に取られた。
(時間停止...いや、ルミナとリュミエが動けているし、多分情報処理だ。アレについて考えちゃダメだな。)
「ルミナ、リュミエ。...他の人たちも戻すよ。魔神の方が思考速度は速いし、いつ動けるようになるか分からない。急ごう!」
3人は手分けして戦場に突っ立っていたリーリャたちの意識を戻す。
「...あ、あれ...?ノイト、私は......?」
「良かった。色々考えすぎちゃダメだよ〜?」
幸い、この場に居る者たちは実力者ばかりだった。少数精鋭だったため、かかる時間は短い。全員が意識を取り戻したところで、アレソティラスは動き始めた。
[明朝体][大文字]「我は...何を......?」[/大文字][/明朝体]
ノイトは【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を構えた。しかし、先程よりも力が入らない。
(昨日の魔神2連戦に加えてさっきこの魔神の攻撃も喰らったし、アドレナリンとドーパミンが出てたときにアレが出てきてリセット...。魔力も体力もほとんど残ってない...。どうするか...。)
ルミナスとリュミエはノイトの隣に立って構えるが、この場に居る者たちはもう既に疲労困憊状態だ。あのままであればさらに重たい脳疲労を抱えていたことだろう。戦力差は、先程よりも大きい。
(リーリャの魔法は効果がほぼない...ピアノも効くか微妙だ。メルがもう魔具が杖しかないし、フィルさんの杖も歪んでいる。魔力もあまり残ってないだろうな...。)
ノイトは最強に声をかけた。
「レイクさん、大丈夫ですか...?」
[大文字]「...あぁ、何とか。だが、先程よりも身体が重い...。私もあまり持たない。...ノイトくん、カメリア様たちを連れて離れた場所へ...」[/大文字]
「それじゃあダメですよ。レイクさん、あなた死ぬ気で何かするつもりでしょう。それが聞かなかったら、誰が[漢字]殿[/漢字][ふりがな]しんがり[/ふりがな]を務めるんですか...?命をかけるなら、その後のことも考えなきゃいけません。」
アレソティラスはゆっくりとこちらを向いて深呼吸をした。
[明朝体][大文字]「なるほど...。アレは超えられんな。...だが、お前たちを消し、アレに我の実力を認めさせる。それが我の今の目的だ。後は知らん。」[/大文字][/明朝体]
ノイトは残された魔力を振り絞って[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]に込めていく。
「大事なのはメインよりも、そのカバー...。未来がなるようになるのは、誰かが何とかしてくれるから。その“何とかしてくれる”存在まで居なくなった時どうする?」
[大文字][明朝体]「後のことは知らん。我は今の存在だ。未来など、分からないだろう。」[/明朝体][/大文字]
「分からなければ、切り捨てて良いのか...?誰かに迷惑をかけてまで自分を誰かに認めてもらおうだなんて、僕は思わない...!」
[明朝体][大文字]「何とでも言うが良い...我は我だ。嫌なら抗え。」[/大文字][/明朝体]
アレソティラスの拳がノイトへと飛び、ノイトは弾き飛ばされた。飛びそうになる意識を理性で繋ぎ止め、反撃する。

[中央寄せ][大文字][斜体][太字][明朝体]〔[漢字]魔力刺突[/漢字][ふりがな]マギノ・スタッブ[/ふりがな]〕[/明朝体][/太字][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

投げられた【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】が魔神の左肩に命中した。
[明朝体][大文字]「何のこれしき...。」[/大文字][/明朝体]
「無料でおかわりサービスだ。受け取れ!」
街の方角から光が飛んでくる。高速で放たれたその矢は、魔神の左肩に刺さっていた楔をさらに奥へと打ち込む。
[中央寄せ][大文字][斜体][明朝体][太字]〈ガキィィン〉[/太字][/明朝体][/斜体][/大文字][/中央寄せ]
矢を放ったベルリスは魔神の肩をちゃんと貫いたことを確認して息を吐く。
「ふぅ...当たったか...。」
続けてベルリスが杖を掲げて炎で火の鳥を創る。
[中央寄せ][[漢字][太字]不死鳥[/太字][/漢字][ふりがな]フェニックス[/ふりがな]][/中央寄せ]
その鳥は緋色の翼をはためかせて魔神の方へと飛んでいった。そしてそれが魔神へと纏わりつく。
[明朝体][大文字]「ぐおっ...!?」[/大文字][/明朝体]
アレソティラスはそれを無理やり引き剥がそうとするが、なかなか剥がれない。その隙にラルカがそれを冷気で固め、またもや魔神を拘束した。しかし、ノイトもフィルマリーも魔力が残っておらず、レイクも先程魔神から受けた攻撃のダメージが後から来て上手く動けない。リーリャやメルク、ラルカは攻撃力に欠ける。そこで響いた一閃──。

[中央寄せ]居合[[明朝体][漢字][太字]愛喰[/太字][/漢字][ふりがな]まなぐい[/ふりがな][/明朝体]][/中央寄せ]

イグだ。イグの居合斬りの一閃が、凍った魔神の肉体にヒビを入れる。
「イグさん!」
「うむ...間に合ったようだな。しかし、魔神というのはどうも、頑丈に出来ているらしい...。」
氷が砕かれてその場に散った。
[明朝体][大文字]「老いぼれめ......我の肉体にヒビを入れるとは何事か...。...んおっ?!」[/大文字][/明朝体]
突然、魔神が炎に包まれた。ノイトも一瞬驚愕の表情を浮かべたが、すぐに原理に気がついて【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を拾いに行く。
(不死鳥は、灰に還り、灰に生まれる...。それに、ラルカの銃弾...メタンハイドレートみたいな感じかな...。)
[漢字]魔霊晶[/漢字][ふりがな]アメジスト[/ふりがな]が炎の一部を吸収し、魔力へと変換した。そして、ノイトが魔神の背後に回って武器を振りかぶった。
「上へ参りま〜す!」

[中央寄せ][大文字][斜体][明朝体][太字]〔[漢字]記憶の剣先[/漢字][ふりがな]キオクノハリ[/ふりがな]〕[/太字][/明朝体][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

ノイトが残された魔力で再現したのは、レイクの〔[漢字]暴風神[/漢字][ふりがな]ルドラ[/ふりがな]〕。発生した竜巻が魔神を巻き上げ、それをイグが斬り飛ばした。

[中央寄せ]居合[明朝体][[漢字][太字]天断[/太字][/漢字][ふりがな]あまだち[/ふりがな]][/明朝体][/中央寄せ]

竜巻から押し出されて空中に投げ出されたアレソティラスをリュミエのワイヤーが拘束し、地面へと叩きつける。衝撃で浮き上がったアレソティラスを、レイクとカメリアが攻撃した。

[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]〔[漢字]海嘯真[/漢字][ふりがな]ポセイドン[/ふりがな]〕[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]
[中央寄せ][大文字][太字][明朝体]『[漢字]花燭の舞[/漢字][ふりがな]フローラ[/ふりがな]』[/明朝体][/太字][/大文字][/中央寄せ]

花びらが舞ったと思えば、その全てが魔神の肉体に傷を残し、魔神を海嘯が押し流す。そして、ロズウェルが[漢字]銀色の金属[/漢字][ふりがな]アセロトス[/ふりがな]製の剣で、その背中に突き刺した。
[明朝体][大文字]「ぐぅっ...!! 」[/大文字][/明朝体]
ロズウェルはモルディーとルベリアの名前を呼ぶ。
「モルディー!ルベリア!今だ!!」
[中央寄せ][[漢字][太字]剣裂[/太字][/漢字][ふりがな]ラセレイト[/ふりがな]][/中央寄せ]
[中央寄せ][[漢字][太字]鎌噛[/太字][/漢字][ふりがな]バイト[/ふりがな]][/中央寄せ]
瞬間移動していた2人の攻撃がアレソティラスの両腕を落とそうとする。しかし、魔神の腕は硬い。
[斜体]((硬っ...!!))[/斜体]
カメリアが付けた傷の回復はまだ終わっていないようだが、それでも硬かった。イグとリュミエが駆け寄って腕を落とそうとするのに加わる。イグの刀とリュミエのナイフによってさらに魔神の腕に食い込むが、それでもまだ落とすには程遠い。
[斜体]「フィルさん、リオールさん。頭です!」[/斜体]
ノイトの声が響き、フィルマリーとリオールがアレソティラスの頭を狙った。

[中央寄せ][太字]上級魔術:[大文字][明朝体]〘ᚱᛟᛏ〙[/明朝体][/大文字][/太字][/中央寄せ]
[中央寄せ][太字]上級魔術:[大文字][明朝体]〘ᛋᛈᛚᛁᛏ〙[/明朝体][/大文字][/太字][/中央寄せ]

魔神の頭にヒビが入り、溶けて腐り始めた。もっとも、魔神であるため肉体が灰となって崩壊するだけなのだが。
アレソティラスの意識は自身の脳を守ることに注がれた。当然、脳がなければ正常な判断が出来ない。そして、魔神も生物であるため、死への恐怖は存在する。意識が頭部に集中したことで腕への意識が離れ、ベルリス、モルディー、イグ、リュミエの4人によってアレソティラスの両腕が落とされた。
[明朝体][大文字]「...!!」[/大文字][/明朝体]
ノイトがすかさず間に入り、魔神の心窩部へと拳を突き出す。魔法で予め攻撃力上昇のバフはかけており、そして今は魔神の意識は東武へと集中している。そこにノイトの拳が入れば、少なからずダメージは通るはずだ。
ノイトの拳は命中し、魔神は顔を歪めて一歩後ずさった。そこでルミナスの剣が魔神の足を崩す。

[中央寄せ][大文字][斜体][明朝体][太字]〔[漢字]光の剣[/漢字][ふりがな]クラウ・ソラス[/ふりがな]〕[/太字][/明朝体][/斜体][/大文字][/中央寄せ]

重力に従順な魔神は地面へと崩れ、ラルカの銃弾によって右目が冷気となって消滅した。
[明朝体][大文字]「ハァ...なかなかどうして悪くない。だが...!」[/大文字][/明朝体]
一瞬の内に魔神の魔力で全員が吹き飛ばされ、魔神は立ち上がり、全ての傷を回復させた。
[斜体](...!? 回復が早い...フリだったのか...!)[/斜体]
魔力は残っていない。体力も残っていない。1番ダメージが少ないのはリーリャ、メルク、ルミナス、リュミエ、ラルカと、まだ街に居るエスミルト騎士団だ。
[斜体](...まだ。レイク、カメリア様、リオールさん...まだ魔力が残っていて攻撃力も高い人は残っている...!今は援護に回...)[/斜体]
駆け出そうとした体勢のノイトの真横に、巨大な黒い影。アレソティラスだ。咄嗟に【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】を引き寄せて勘で腹部へと持ってくる。直後、腹部に走った衝撃で空中へと蹴り飛ばされ、次の瞬間には地面へと叩きつけられていた。
[斜体](まずい...意識が...!!)[/斜体]
狭窄してきた視界に映る情報と僅かな魔力による魔力探知と勘で魔神の動きを読んでギリギリで防御するが、どんどん押されていくばかりだ。ノイトを助けようとメルクとカメリアが跳んできたが、アレソティラスの回し蹴りで吹き飛ばされてしまった。メルクはリュミエが、カメリアはレイクが無事に受け止めたようだ。そこで出来た隙さえも、今のノイトでは付け入ることも出来ない。ただ一瞬生き永らえただけに過ぎなかった。
[斜体](メル...カメリア様...僕のせいで...!)[/斜体]
ノイトはそのまま追い詰められていき、一瞬足が硬直した。振り下ろされる魔神の拳がゆっくりと動いて見える。どこか遠くからリーリャやメルク、ルミナスたちがノイトの名前を呼んでいるのが聞こえた。
[斜体](や、ば......。)[/斜体]
魔神の拳はそのまま真っ直ぐと振り下ろされて辺りに土煙と砕けた地面の欠片が舞う。
[斜体]「ノイト!!」[/斜体]
土煙に背を向けてアレソティラスはリーリャの方を向いた。が、その目はその向こうを見ている。
[明朝体][大文字]「また増えたか......。」[/大文字][/明朝体]
そこに居たのは、ノイトを抱えたモドーだった。
「ハァ...まったく、メルクのアホがあれだけ『すごいすごい』と言うとった癖して、こんなんなんかいな...?」
メルクはモドーの姿を見て声をあげる。
「あ〜っ!! モドー!なんでこんな所まで来てんの!!」
「やかましい、アホは黙っとき。なぁ、君がノイト君やろ?もっとしっかりしてや。魔神を何体も倒した君がここで倒れてどないすんの?」
ノイトはモドーに助けられたのだ。体力もほとんど残っていない状態でよろよろと立ち上がり、ノイトはモドーに礼を言った。
「うっ...ありがとうございます、お陰で助かりました...。あなた、メルとの会話から察するに、...組織の人間ですかね。...何で助けたんですか?僕はあなたたちの邪魔をしているはずでしょう...。」
「ほんなんどうでもええで。わしはあの連中とはちゃうさかいな、アホらしい考えに飲まれたくないなぁ。」
どうやら、メルクと同じで組織の思想には思うところがあるようだった。ノイトを助けた理由は不明だが、メルクの視線はあまり良いものではなさそうだ。中が悪いのだろうかと考えるノイトは、魔力も体力も残っていない状態でも尚、アレソティラスを睨み続ける。
「で、どないすんの?あれを倒すだけの魔力は、君にはもう残ってなさそうやけど?」
「なんか、良い作戦とかありません...?」
「ほんなんわしに言われてもな...?」
メルクはモドーの言葉を聞いてそれを批判した。
「アンタね、わざわざここまで来ておいて、何もしないわけ?大事な所だけ取って、あとは尻尾巻いて逃げるっての?」
「...ハァ......。分かった、やってやるわ。ほんで黙っといて。」
気怠そうに首を鳴らしたあと、モドーは一瞬の内にアレソティラスの向こう側に居た。
[斜体](速い...!!)[/斜体]
いくら初見だとは言っても、アレソティラスでも反応しきれなかった。直線距離であればメルクやカメリアよりも速いだろう。モドーがアレソティラスの気を引いている間にメルクはノイトへと駆け寄った。
「ノイトくん!大丈夫?アイツに触られた所、変だったりしない?」
「大丈夫。それで、あの人は...?」
「あぁ...、アイツはセブスクウィア=モドー。逃げ足だけは速いやつだよ。」
「モドーさん、ねぇ...。仲悪いの?」
「当然!とにかくウザいの、アイツ。嫌味ばっかり言ってくるし気障な所あるし...何より、自分勝手な所が嫌なの。」
メルクは相当モドーを嫌っているようだ。モドーの先程の様子からも、特にメルクに好意を寄せているわけでもなさそうだった。
(犬猿の仲...って、こういうのを言うんだろうな...。)
モドーは、疲労したレイクよりも速い。万全の状態のレイクともタメを張れる可能性さえノイトの中には生まれていた。
「あ、そうだ...メル、スティレットもグローブも壊れちゃってたよね...?どうするの?」
「あ...うん......ノイトくんに以前買ってもらった魔法の杖は壊れちゃったらやだけど、それ以外に武器がなくて......。この戦いではもうあんまり役に立てないかも。ごめんね、ノイトくん。」
「気にしなくて良いよ。魔力も体力もほとんど使い切った僕も人のことを攻めたり出来ないし。」
[太字][明朝体]「お兄ちゃん!大丈夫でしたか?」[/明朝体][/太字]
「うん、大丈夫だよ〜。ありがと。ルミナは大丈夫?怪我とかしてない?」
[太字][明朝体]「はい!大丈夫です!!」[/明朝体][/太字]
(良かった...もしルミナに何かあったらあの世でイズベラ様に合わせる顔がなくなっちゃうしね...。)
リーリャも駆けつけてノイトの手を取った。
「もう、ノイトったら無理しすぎだよ!いつも言ってるでしょ?もっと自分を大事にしてよ!!」
「...ごめん。だけど、このままってわけにも行かないでしょ。モドーさん1人でどれだけ持つか...。」
「うんうん、あれは捨て駒みたいなものだからちゃんと役立ってくれないとね〜。」
「別にそういう扱いをしてる訳じゃないんだけど...?」
メルクが不満そうな目で訴えかけてくるが、ノイトはそれを視界の端へと追いやってアレソティラスとモドーの方を見る。
(ただの追いかけっことかじゃないぞ、これ...?モドーさんが僅かに有利だし、恐らくあの速度での移動には魔力を使っていない。メルが上級魔法を使えるくらいだから、それと同じくらいと考えると結構強い...。心強いけど、まだ信用しきるわけにもいかないな......。)
アレソティラスの移動速度もモドーにつられるように段々と速くなっていっていた。丁度モドーがこちらへと走ってきたときに、魔神の足元が爆ぜる。すると、魔神が一瞬でノイトたちの前まで飛んできた。
[斜体](そうだ...モドーさんは全然魔神に攻撃してないから大して警戒されていない...!!)[/斜体]
咄嗟に最後の魔力を振り絞ったノイトがリーリャとメルクとルミナスに防御魔法をかけ、【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】で自らを護った。次の瞬間には4人が目にも止まらぬ速さで蹴り飛ばされ、魔神はゆっくりとノイトへと向かって歩いてくる。全員がダメージを受けたが、ノイトの魔法によって致命傷は避けたようだ。
[斜体]「ゲホッ...ガハッ...!!」[/斜体]
一方でノイトは魔神の攻撃を完全に防ぎ切ることは出来ていなかった。【[漢字]時憶の指針[/漢字][ふりがな]トオクノハリ[/ふりがな]】に叩き込まれた振動がノイトの腹部を揺らす。咳き込んだノイトはうずくまりながらも何とか立ち上がろうとするが、手に力が入らない。リュミエやレイク、カメリア、モドー、フィルマリー、リオール、イグ、ラルカがノイトの元へと駆け寄るが、途中で足元から無数の棘のようなものが生えてきて道を塞いだ。
「ヂィッ...!」[大文字]「...!!」[/大文字]「「ノイトくん!」」「「「ノイト!」」」
ノイトは再び狭窄してきた視界の中心に居るアレソティラスをただ眺めることしか出来ない。
[明朝体][大文字]「お前は強いのだな。仲間や味方から信頼され、大事にされ、期待される。だが、それが間違いだったのだ。他社と関われば関わるほど、相手を意識し、それに依存する。そしてどんどん1人の存在としての質が落ちていくのだ。先程我の禁忌魔術を呑んだ存在もそうだ。他が居ない、絶対の存在。だからこそ、あそこまで強大になったのではないか?」[/大文字][/明朝体]
「......どんなに強い意志があっても、誰にも頼らず生きていくのは不可能だよ。君は、生物として生まれ、ここに居る。君を生んだ者。君と戦った相手。君を成長させる存在。...居なかったら、君も今ここに居ないだろう?」
[明朝体][大文字]「......そうか、そうだな。だが、我は我の次元を生きる。人間とは違うのだ。...最後に何か言い残すことはあるか?」[/大文字][/明朝体]
アレソティラスの冷たい言葉がその場に響き、魔神の手がノイトへと伸ばされた。


作者メッセージ

 作者の御鏡 梟(みかがみ きょう)です。
今回は“全能の魔神”との戦闘でノイトたちが段々と追い詰められていく場面を描きました。果たして、この絶望的な盤面をひっくり返すことは出来るのか...?次回もお楽しみに...(とは言えません)
本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観についての質問も受け付けています。
本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2026/02/08 21:05

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
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