- 閲覧前にご確認ください -

本作は一部を除きフィクションです。
一部を除き、実在する人物、出来事、組織とは関係ありません。

文字サイズ変更

世界に溢れる夢

#1

1.時計塔の少年とピアノが弾ける少女(1)

  ――「この場所から見るこの景色はいつも変わらないように見える。だけど、この世界に変わらないモノなんてものは無いんだよ。」――

 ここは都市·ノルストラの郊外の町、ミストル。
町のはずれにある古い石レンガで造られた時計塔にあるいくつかの窓、その1つから町を見下ろしている少年がいた。
「今日も階段の掃除をしただけで夜になっちゃった…。」
彼の名前はノイト。この時計塔の管理を代々受け継いでいるソルフォトス家の後継ぎだ。
(疲れた…とはいっても、働いた後のこの時間が1番好きなんだよな…。)
濡れた雑巾をバケツに入れて伸びをする。
カーキ色のボタン付きシャツの隙間からは白いシャツが見えていて、焦げ茶色のズボンは靴と同じ色で一体感がある。
螺旋階段を上がり、4階の広間からバルコニーに出て石レンガの手すりに寄りかかりながら町を眺める。夜の闇の中に点々と明かりが灯っていて、温かみがある。
(また同じような1日を過ごしちゃったなぁ…。毎日変わらない景色、つまらないようだけど気に入ってる。)
そのとき、最上階のバルコニーからピアノの音が聴こえた。
(ん?誰かいる…誰だろう?)
広間から螺旋階段をさらに上がり、バルコニーに出る。ピアノを弾いているのは同い年くらいの少女に見える。
(この曲…「別れの曲」[小文字]※[/小文字]かな?)
この世界にはこの曲は存在しない。つまり、この曲を知ったのは前世であり、この少年と少女は転生者である。
(同じ転生者…。すごい…演奏が上手いな。)
曲が一段落ついたところで少女が手を止めてノイトの方を見てほほえむ。
「こんばんは。月がきれいな夜ですね!」
「…こんばんは。あの、さっきの曲って『別れの曲』ですよね?知ってるってことはもしかしてあなたも…」
少女は少し驚いたような表情をして
「あなたもこの曲知ってるの?!」
転生者はこの世界で才能を持つ者として周りから浮く。しかしノイトは今まで同じ転生者と出会ったことがない。
「初めて会った…僕と同じ転生者…!!僕はノイト。この時計塔の管理をしてる。よろしくね!」
「……。私のことはリーリャって呼んで。よろしくね。」
ノイトは自分以外の転生者に出会い気分が高揚していたが、あることを思い出した。
「そういえば、リーリャはどうやってここまで来たの?住んでるところは?」
リーリャは少し俯いた。
「それが…全然覚えてないの。」
「…前世のことは?」
リーリャはピアノから手を離す。
「かろうじてピアノの弾き方は覚えてる。だけどそれ以外は…。」
「そっか…。でもそんなに気に病む必要は無いと思うよ?」
ノイトはバルコニーの手すりに手をおいて町を眺める。
「この場所から見るこの景色はいつも変わらないように見える。だけど、この世界に変わらないモノなんてものは無いんだよ。」
ノイトはリーリャの方を見て話し続ける。
「本当に必要な記憶ならいつか必ず思い出せるはずだよ。ただ焦ってるだけじゃ疲れちゃうでしょ?」
リーリャは目を丸くした後に笑った。
「そう…だね。うん、そうする。」
「…今日はもう遅いし、そろそろ寝よう。ついてきて。」
時計塔の螺旋階段を降りて時計塔を出る。少し離れた所にある小屋の扉を開けて中に入り、部屋のベッドの上に寝転んだ。
「そこのハンモック、リーリャが使って良いよ。」
「あ、…うん。ありがとう!」
リーリャがハンモックに乗って寝転ぶ。
「あ、そうだ。リーリャってこの世界のことどのくらい知ってる?」
「えっと…。前世とは違う雰囲気の世界みたいな感じがするってことくらいしか…。」
(なるほど。この世界に来てからの記憶もほとんど無いのか。)
「それじゃあ、詳しいことはまた明日教えるね。おやすみ。」
「ありがとう。おやすみ。」

[小文字]※[/小文字]「別れの曲」(練習曲作品10第3番)/フレデリック・フランソワ・ショパン

作者メッセージ

はじめまして、御鏡 梟(みかがみ きょう)です。小説を投稿するのは初めてなのでもしかしたら違和感が感じられる箇所があるかもしれません。おかしい点があったら遠慮なく指摘していただけると今後に繋がるので嬉しいです。本作を読んでの感想の他、キャラクターや世界観などについての質問も受付けています。本作品を読んでいただき、ありがとうございました!!

2025/02/22 17:43

御鏡 梟 ID:≫ m9kR/WFBrng.A
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 16

コメント
[1]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL