一話完結vol.1被写体
#1
[漢字] 奏斗[/漢字][ふりがな]かなと[/ふりがな]は、母と二人暮らしのうつ病患者だ。母もまた、精神病を患っており、一日中寝たきりとなっていた。
ある日、奏斗はふとおもむろに置かれた鏡を見た。
「うわ、自分の顔ひど」
それから奏斗は自分の姿を見るたび、さらに生きづらくなり、考えはますます偏っていった。笑うことはなくなってしまった。
幾日か経ったあくる日、母はいつものように眠っていた。奏斗は笑っていた。その日からだった。赤が自分に似合う色だと気づき、生きる希望が見え始めたのは。
ある日、奏斗はふとおもむろに置かれた鏡を見た。
「うわ、自分の顔ひど」
それから奏斗は自分の姿を見るたび、さらに生きづらくなり、考えはますます偏っていった。笑うことはなくなってしまった。
幾日か経ったあくる日、母はいつものように眠っていた。奏斗は笑っていた。その日からだった。赤が自分に似合う色だと気づき、生きる希望が見え始めたのは。
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