そしてまた血の雨を降らせてきた。
そして僕達を分散させる。

翔田（今アイツが3人に見えたが…それにしても何故このタイミングで…）

と思っていると相手はこちらへ向かってきた。
そして素手で攻撃をしてくる。

翔田「…何か違和感があるな…なんというか人間じゃない…まさかお前、[漢字]吸血鬼族[/漢字][ふりがな]ヴァンパイア[/ふりがな]か？」

「やっぱりどこまでも勘がいいね…その通りだ。まあバレた所でもう勝てる間合に入ってるから問題はない…」

と言い僕を掴もうとする。勿論吸血鬼なのだから人間より強く普通なら抵抗するなんて不可能なレベルだ。

翔田「悪いが、僕はこういう事態のために鍛えているんでね…」

その手を弾く。
そしてそこにできた隙にナイフを刺す。だが勿論ナイフだけでは死ななかった。
吸血鬼は日光に弱い…だがここは山の奥だし建物もそこそこあるので日光が遮られる。

「…勘がいいだけでなく異常な力まであるのか…やっぱ一筋縄ではいかなさそうだね。って思ったけど…やっはりもう勝てそうだ」

気がついたら血の鎖のようなもので手足が固定され動けなくなっていた。

そして噛みつかれる。勿論吸血鬼なので普通に痛いが殺される事はなかった。

翔田「…殺すならさっさと殺せよ…ここから逃れるなんて無理なんだからなあ…」

「やっぱ異常だな…普通ならもう死んでるはずなのに」

そう言われた途端急に目眩がした。
猛毒とかそんなもんじゃないような毒を浴びている気分だ。

「さっき噛んだ時に毒の入った血を混ぜまたいたんだ。普通ならもう原型をとどめてられないはずなのにな…」

意識が朦朧とする。

「吸血鬼族の血は人間にとって毒みたいなものなんだよね。だから噛んだ時に能力を使って血を混ぜた。それも吸血鬼族の中でも特殊な個体みたいな存在だから猛毒…最悪死ぬかもしんないってレベルなのに…なんで普通に立ってられるのかな？」

翔田「いや…もう意識はほぼ無いようなもんだ…僕でも何故たってられるのかが分からないくらいだがな…」

「ちなみに仲間はみんな同じようにやられているよ。さっき作った分身に」

もう意識もほぼ無く手足に力を入れる事もできない。
そうして意識は闇の中へと沈んでいく…


「………」

闇に沈んでいく中で何かに話しかけられるような気がする…まるで脳内に直接語りかけてくるような…

「ふぅ、これで敵は全員倒せたかな。まあ念には念を、しっかりと細切れにしとかないと…」

そうしてとどめをさそうと手を伸ばす。

「…え？」