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落ちた先はバッドエンド

#2

2


佐藤が静まり返った町を歩いていると、どこからともなくかすかな声が聞こえてきた。
 

「助けて…」「ここにいるよ…」それは、彼が地下室で出会った少女の声だった。


彼はその声を辿り、町の中心にある古い時計塔へと向かった。


時計塔に近づくにつれ、声は徐々に大きくなり、どこか懐かしさを感じさせるものだった。


彼は扉を開け、内部に入ると、そこで彼は信じられない光景を目にした。


時計塔の内部は、時間が止まったかのように、何十年も前の風景で満ちていた。


少女が夢の中で描いていた世界が、そのまま再現されていたのだ。


少女の姿を探しながら、佐藤は塔の階段を上がっていった。


途中、彼は町の人々の幻影を見た。


彼らは彼に助けを求めていたが、彼はその声を無視して進んだ。


彼は少女を救うために、再び影と戦わなければならなかった。


最上階にたどり着くと、そこには少女が立っていた。


彼女は悲しげな表情を浮かべており、彼の存在に気づくと微笑んだ。


しかし、その微笑みの裏には、彼女自身も影に囚われていることが見え隠れしていた。


「助けて…私はここから出られないの…」


少女の言葉に、佐藤は胸が痛んだ。彼は彼女を救うために、再び影と対峙することを決意する。


しかし、彼は自分が影に取り込まれたことを思い出した。


影は彼の心の中に存在し続け、恐怖を煽り続けていた。


佐藤は少女に向かって叫んだ。


「君は一人じゃない!一緒に戦おう!」


彼らは手を取り合い、影に立ち向かう決意を固めた。


影は彼らの恐怖を利用し、彼らを分断しようとしたが、二人の絆はそれを打ち破った。


影との戦いが続く中、佐藤は自分の過去の恐怖を思い出した。


失敗、孤独、そして自分を信じられない気持ち。彼はそれらを受け入れ、少女に言った。


「私たちは、共に進むことができる。


恐れずに、前に進もう!」 二人は心を一つにし、影に立ち向かった。


その瞬間、影は彼らの絆に圧倒され、崩れ去っていった。


光が差し込み、彼らは自由を得た。 


佐藤と少女は、時計塔の最上階から外に出ると、再び町の風景が広がっていた。


しかし、そこには彼らが知っていた町とは異なる、新しい世界が広がっていた。


人々の笑顔、明るい空、そして彼らの未来。


佐藤は少女に微笑みかけ、「私たちは新しい一歩を踏み出すことができる」と言った。


少女も微笑み返し、二人は手を繋いで新たな旅路へと歩き出した。


今度は、恐怖に負けることなく、共に進むことを誓ったのだった。

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作者メッセージ

 

2024/10/23 23:14

hiiro_0821 ID:≫cpnrQ/aFEqY32
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