25時、夜に堕ちて。
放課後、暁色の空、光が窓から溢れた。机や椅子などは暁色の光に照らされた。授業は全て終わり、皆が帰りだす頃。殆どの人が教室内に残る中、私は一人、席を立ち上がり、教室を後にした。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「………起きられる?」
「蝶野 様」と表示している病室に足を踏み入れた。
病室、アルコールの匂いが漂った。パーテーションで仕切られた空間、私は彼女にそう話した。
ただし、彼女はどこかを見ていて返事はなかった。
「………」
隣に置かれた物置きに花瓶を置き、買ってきた花をそっも入れた。亡くなっているわけではない、まだ。去年、植物状態になってしまった。私の目の前で車に轢かれた、そこから意識は今日まで、戻ることがなかった。名前は[漢字]蝶野 彩楽[/漢字][ふりがな]ちょうの さら[/ふりがな]、たった一人の大切な友達。保育園から中学校まで、ずっと一緒に居た。ただ、神様はそれを許してはくれなかった。
そう、医者によると、寿命はもう長くない、らしい。
「………起きてよ…」
ふと、彼女の明るく無邪気な笑顔を思い出す。
少しの涙が頬を伝った。しかし、その目が覚めることはなかった。どんなに泣き縋ろうが、彼女起きることがなかった。ただ、布団が濡れるだけ。そして、彼女の茶色の短い髪が煌めいて見えるだけ。涙を手で拭って、バッグを持って、「蝶野 様」と表示されている病室を後にした。
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「………起きられる?」
「蝶野 様」と表示している病室に足を踏み入れた。
病室、アルコールの匂いが漂った。パーテーションで仕切られた空間、私は彼女にそう話した。
ただし、彼女はどこかを見ていて返事はなかった。
「………」
隣に置かれた物置きに花瓶を置き、買ってきた花をそっも入れた。亡くなっているわけではない、まだ。去年、植物状態になってしまった。私の目の前で車に轢かれた、そこから意識は今日まで、戻ることがなかった。名前は[漢字]蝶野 彩楽[/漢字][ふりがな]ちょうの さら[/ふりがな]、たった一人の大切な友達。保育園から中学校まで、ずっと一緒に居た。ただ、神様はそれを許してはくれなかった。
そう、医者によると、寿命はもう長くない、らしい。
「………起きてよ…」
ふと、彼女の明るく無邪気な笑顔を思い出す。
少しの涙が頬を伝った。しかし、その目が覚めることはなかった。どんなに泣き縋ろうが、彼女起きることがなかった。ただ、布団が濡れるだけ。そして、彼女の茶色の短い髪が煌めいて見えるだけ。涙を手で拭って、バッグを持って、「蝶野 様」と表示されている病室を後にした。
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