桃視点
「青」だ。鍵を持っている。そして、青(偽)に近づいた。そうして青(偽)についていたイヤリングをとった。桃(心の声　そういえば、あいつイヤリングしてたな)そうした後、青はイヤリングを俺につけた。そうすると…
青にイヤリングをつけられた瞬間、視界がぐるりと回った。まるで世界の色が変わるような感覚……そして、頭の中に青の声が響いた。
「桃くん、聞こえる？」
俺は驚いた。まるで心の中に直接話しかけられているようだった。青(偽)は一歩後ずさり、じっと俺を見つめる。
青(偽)「なるほど…これで、君もこの世界に適応したわけだ。」
俺は息を整え、扉の方を見た。これなら、青と一緒にこの世界を抜け出せるかもしれない。けれど、このイヤリングにはまだ秘密があるはず……。
そう、だから俺は青(偽)がやっていたことを思い出したんだ。
…考えろ…考えろ…　　　( ﾟдﾟ )ハッ
そうだ。「誰かを引き寄せる力」がある。そう思って連れてきたのは…友達の力士だ。名もないけど俺の100倍は強いだろう。そいつを引き寄せたら、こういった。
桃「あいつを倒してくれ。そうしないと世界が終わる」
力士は重々しく一歩踏み出した。そのたびに地面が揺れ、周囲の空気が張り詰める。
青(偽)は眉をひそめ、低く呟いた。
青(偽)「なるほど…力で解決しようってわけか。」
俺は力士を見つめながら思った。
桃（心の声　こいつなら勝てる…！でも、ただ倒すだけじゃダメだ。この世界そのものが元に戻らなきゃ…）
力士が拳を固め、青(偽)に向かって構えた。その瞬間、空が不穏に揺れた——まるで世界がその衝突を恐れているかのように。
青(偽)は微笑みながら、指を一本立てた。
青(偽)「面白い。でも、この戦いで何かが壊れるとしたら、それは——」
そう言われた。そしてはっとした。偽青から告げられた言葉は、とても俺にショックを与えた。その言葉は…
偽青「…君は、もうこの世界の一部になっている。」
俺の心臓が跳ねた。
桃「…どういうことだ？」
偽青はゆっくりと歩み寄る。
偽青「最初に扉を開いたとき、君はすでにこちら側に片足を踏み入れていたんだ。だから、もしこの世界が崩れたら——君の存在も、消える。」
俺は息をのんだ。この世界の一部？それなら、どうすれば…？
力士は拳を握りしめた。
力士「倒せば終わるんじゃないのか？」
偽青は冷たく微笑んだ。
偽青「さて、それは君たち次第だ。」
桃「じゃあ、力士、お前には言っておく。お前は生き残って、俺たちの言いたかったことまで言っておいてくれ。俺から行く。　俺は、こんな短い人生だったけど楽しかった。本当にありがとう。そのおかげで俺は成長できた。上で見守っておくから、俺の幸せまでみんな楽しんでくれ。」
力士はその言葉をメモった後に泣いた。だけど俺は続けた。
桃「青はみんなに言いたいことあるか？」
青は静かに力士を見つめた。目には迷いが浮かんでいたが、それでも言葉を絞り出した。
青「……僕は、ずっと一人だった。こんな風に誰かと話すことができるなんて、夢みたいだったよ。でも桃くんが来てくれて、僕はやっと自由になれる気がした。」
青は息を吸い、少し震えながら続ける。
青「ありがとう。みんな、僕のことを忘れないでくれるなら、それで十分。」
力士は涙をぬぐいながらうなずいた。俺と青が選んだ道は、決して楽なものではなかった。けれど、彼らは今、自分たちの運命を受け入れようとしている——。