桃視点
桃「そういえば、何歳なの？俺のほうが上だったらもしかしたら出れるかも…」青「14」
桃「じゃあ俺のほうが上…16だから」
青は目を丸くした。
青「え、16歳なの？じゃあ僕より年上だ…」
俺は腕を組みながら考えた。
青「もしかして、この扉って年齢が関係してるのか？年上の人なら開けられるとか…」
青はしばらく考えてから、ゆっくりと口を開いた。
青「…実は、ここに閉じ込められた理由はまだあるんだ。でも、それを知ったら、桃くんはこの扉を開けるかどうか迷うかもしれない。」
俺はドキッとした。
桃「えっ…どういうこと？」
青「言ったほうがいい？」　
俺は一瞬迷った。もしかしたら、俺だったら開けれるのかもしれない。けれど、開けるかどうか迷う理由なんてあるか…？
桃「言ってくれない？」
青は少し戸惑ったように視線を落とし、それから小さな声で言った。
青「…この扉を開けると、僕はここから出られる。でも、それと同時に……桃はここに閉じ込められることになる。」
俺は息をのんだ。まるで呪いのような話だ。自分が助けることで、逆に閉じ込められる？そんなことがあるのか？
桃「…どうしてそんな仕組みなの？」
青は静かに首を振る。
青「わからない。ただ、ずっとそうだったんだ。誰かが僕を助けようとすると、その人が代わりに閉じ込められる。」
俺は扉を見た。このまま何もしないか、それとも……？
青視点
桃君にすべてを話した。桃君は扉を見ていた。もしかしたら、何かわかるのかもしれない。そしたら、桃君が言ったんだ。
桃「青は何年くらいここにいるの？」って。
桃視点
青は少し考えてから、静かに答えた。
青「……たぶん、百年くらい。」
俺は目を見開いた。
桃「百年！？そんなに長くここに？」
青はうなずく。
青「時間の感覚はもう曖昧なんだ。でも、昔ここに来た人が言っていたんだ。この場所は時間が止まっているみたいだって。」
俺は扉を見つめた。百年も閉じ込められているのに、青はまだ希望を持っているのだろうか？それとも、もう諦めてしまったのだろうか？
俺は考えた。100年もいるのか。それなら身も危ないな…。いろいろ考えていたが、俺は決断した。
俺は深く息を吸った。青をこのまま閉じ込めておくわけにはいかない。でも、扉を開けると、今度は自分が閉じ込められる…。
ゆっくりと扉に手を伸ばしながら、俺は決めた。
桃「青、俺が扉を開ける。でも…その前に、約束してほしい。」
青は驚いたように俺を見た。
青「約束…？」
俺は強くうなずいた。
桃「外に出たら、必ず何があったのか伝えて。誰もここに閉じ込められないようにするために。」
青は一瞬、言葉を飲み込んだ。そして、小さく微笑んだ。
青「わかった…絶対に約束する。」
俺は扉に触れた。その瞬間——。