文字サイズ変更

お嬢様は愛を一億円で買います。

#5

誕生日プレゼント

「美宇ちゃんの、お誕生日…?」
「あぁ」
お昼休み、屋上でお弁当を食べている。
最近は、立花くんがお弁当を作ってくれている。
(すごく美味しいわ…)
「今週の日曜日でさ…」
「プレゼントは、どうするの?」
「そうなんだよな~、いっつも好きに選ばせてたんだけど…」
最近、立花くんはバイトを減らしたそう。
あの契約の件もあって、家賃や食費は私持ち。
バイトが減ったから、美宇ちゃんとの時間も増えた。
「ちょっと付き合ってくんね?」
ーーーーーーー
「お待たせ」
「うわぁ…フェラーリ…」
私を送ってくれた車を見て、立花くんは驚く。
「お前車何個あんだよ…」
「いち、に…さん、し…分からないわ」
「聞かないでおく」
2人で、お店に入る。
「小学生女子の好み分かんね…愛子は、小学生のときなにもらってた?」
(…小学生…)
「父上と母上からは、クレジットカードで…親戚からはスマホとタブレットと、パソコン…」
「それはお前だけだな…」
(美宇ちゃん、なにが欲しいのかしら…)
棚にならんだ商品とにらめっこ。
ビーズ、ヘアアクセ、ワンピース、お人形…
「あ、その人形、美宇気に入ってたな」
「えぇ、前も一緒に遊んだわ」
「じゃあこれにするか」
立花くんが、座ってなにがいいかを選び始める。
「なんか、この人形、愛子に似てんな」
「えっ!?」
指差したのは、髪型が私と同じで、制服姿の女の子。
アイちゃんだそうだ。
「今持ってる人形にも、ミウとミサキって名前つけてたし…」
そうして、誕生日プレゼントはアイちゃんと、その子の服を買うことにした。
「昼メシ食おうぜ」
「えぇ、どうする?あそこのレストランか、あっちか…」
「え、んな高いとこいくのか…?」
「どのみち、私が出すわよ…」
「いや、いいから!…着いてこい」
言われたとおりに、着いていくと…
「くれーぷ……??」
「え、知らねぇ?」
「えぇ…」
薄い生地が、生クリームやフルーツをくるくる巻いている。
「どれがいい?買ってくる」
「じゃあ、いちごのやつを…」
「わかった」
数分後、立花くんがいちごクレープを買ってきてくれた。
「ありがとう…」
立花くんは、抹茶クレープだそうだ。
「いただきます…」
一口食べると…
「おいしいっ…」
「よかった。美宇が、テストで100点とったりしたら、ご褒美によく買うんだよな」
「そうなのね」
初めて、同級生と遊びにいった。
初めて、誰かの誕生日プレゼントを選んだ。
初めて、クレープを食べた。
あなたと会ってから、初めてがいっぱい。
「ありがとう、岬くん」
「おう…」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

初めて名前呼びする瞬間っていいですよね。

2024/11/02 10:45

みこと ID:≫kpJo3MY4lNspo
小説を編集
/ 13

コメント
[16]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL