お嬢様は愛を一億円で買います。
「愛子お嬢様、どちらへ行かれていたのですか?」
家に帰ると、メイドからの質問。
「…友達の家よ」
「そうでございますか。今日は、パーティーですよ、お父様もいらっしゃいますし…」
(…お父様…)
「今日は、出たくないわ」
「どうしてですか?お父様、ようやく帰国されたのに…」
(もう、嫌なのよ。あんなほったらかしの人…父親なんて思ってないわ)
「おい、愛子。すぐに準備しなさい。それに、帰りが遅いじゃないか」
久しぶりに見た。
無表情…氷のようだ。
「今日は、参加したくありません。帰りが遅いのは、友達の家に行ってたからです。」
(本物の愛に近づけた日に、父上の側にはいたくないわ)
「友達?だれだ、まさか彼氏だなんていわないよな」
「…そうですが」
「だめだ、私の娘が質の悪い奴と絡んでるなんて…」
「…」
あなたの娘だからって、どうしてそこまで縛られなきゃいけないの?
「私の好きな人を、質が悪いだなんて言わないで!…パーティーは出ます、だから、二度と言わないでください」
「…まぁ、いい」
「メイド、ドレスを準備してちょうだい」
「あ、はい…」
結局、パーティーに出ることになってしまった。
(まぁ、立花くんが悪く言われるのに比べたら…)
新しいドレスを着る。
「ドレスじゃなくて、お金じゃなくて、愛がほしいのに…」
パーティーでは、笑って無くちゃいけない。
「伊集院さんの娘さんの…」
「愛子といいます。あなたは、浦上株式会社の社長さんですよね?」
「あぁ、はい。浦上和彦といいます」
名刺を渡される。
(何回目よ、このやり取り…)
特に接点もない大人と、名刺交換。
門限も早い、GPSだってつけられてる。
(もう、嫌だわ…)
「すみません、少し外の空気を吸ってきます」
会場から逃げ出して、ベランダに行く。
(少し、肌寒いわね…)
そう思っていたとき、スマホが震えた。
(立花くん、から…?)
〔立花岬:寝言。〕
動画が送られてきた。
音量を上げて、再生する。
すると、寝息を立てて笑顔で寝る美宇ちゃんが写った。
「んぅ…愛子ちゃん~…もっと遊ぼぉ…」
「っはは…」
立花くんの笑い声が入って、動画が終わった。
「なにこれ…力抜けちゃったわ…」
美宇ちゃん、すごく良い子だ。
立花くんが頑張ってることに、気付いていた。
(立花くんは、気付かれてること分かってるのかしら…?)
「…あと1時間、頑張りましょう」
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家に帰ると、メイドからの質問。
「…友達の家よ」
「そうでございますか。今日は、パーティーですよ、お父様もいらっしゃいますし…」
(…お父様…)
「今日は、出たくないわ」
「どうしてですか?お父様、ようやく帰国されたのに…」
(もう、嫌なのよ。あんなほったらかしの人…父親なんて思ってないわ)
「おい、愛子。すぐに準備しなさい。それに、帰りが遅いじゃないか」
久しぶりに見た。
無表情…氷のようだ。
「今日は、参加したくありません。帰りが遅いのは、友達の家に行ってたからです。」
(本物の愛に近づけた日に、父上の側にはいたくないわ)
「友達?だれだ、まさか彼氏だなんていわないよな」
「…そうですが」
「だめだ、私の娘が質の悪い奴と絡んでるなんて…」
「…」
あなたの娘だからって、どうしてそこまで縛られなきゃいけないの?
「私の好きな人を、質が悪いだなんて言わないで!…パーティーは出ます、だから、二度と言わないでください」
「…まぁ、いい」
「メイド、ドレスを準備してちょうだい」
「あ、はい…」
結局、パーティーに出ることになってしまった。
(まぁ、立花くんが悪く言われるのに比べたら…)
新しいドレスを着る。
「ドレスじゃなくて、お金じゃなくて、愛がほしいのに…」
パーティーでは、笑って無くちゃいけない。
「伊集院さんの娘さんの…」
「愛子といいます。あなたは、浦上株式会社の社長さんですよね?」
「あぁ、はい。浦上和彦といいます」
名刺を渡される。
(何回目よ、このやり取り…)
特に接点もない大人と、名刺交換。
門限も早い、GPSだってつけられてる。
(もう、嫌だわ…)
「すみません、少し外の空気を吸ってきます」
会場から逃げ出して、ベランダに行く。
(少し、肌寒いわね…)
そう思っていたとき、スマホが震えた。
(立花くん、から…?)
〔立花岬:寝言。〕
動画が送られてきた。
音量を上げて、再生する。
すると、寝息を立てて笑顔で寝る美宇ちゃんが写った。
「んぅ…愛子ちゃん~…もっと遊ぼぉ…」
「っはは…」
立花くんの笑い声が入って、動画が終わった。
「なにこれ…力抜けちゃったわ…」
美宇ちゃん、すごく良い子だ。
立花くんが頑張ってることに、気付いていた。
(立花くんは、気付かれてること分かってるのかしら…?)
「…あと1時間、頑張りましょう」
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