お嬢様は愛を一億円で買います。
「愛子っ、順位!」
岬くんが、テスト返却のあと見たことも無いような焦り具合で、順位表を見せてきた。
(国語78位、数学96位、理科46位、社会47位、英語76位…総合56位…)
「すごいじゃないっ!全部平均点超えてるわ!」
「愛子のおかげだ!ありがとなっ!」
お砂糖みたいに、甘い笑顔。
(…すごく、嬉しそう)
頭に、美宇ちゃんの笑顔が浮かぶ。
(やっぱり、兄妹なのね)
「よかったわね。」
「愛子はどうだったんだ?あ、俺のせいで順位下がったりは…」
「大丈夫よ。」
国語1位、数学2位、理科1位、社会1位、英語1位、総合1位
「すっげぇ…こんなことあるんだな…」
岬くんは、私の順位のことも気にしてたみたい。
勉強会してるときも…
「愛子、ずっと俺に教えてくれてるけど自分のは大丈夫なのか?俺のせいでおろそかになってたら…」
「大丈夫よ、人に教えてることも勉強になるわ」
岬くんが罪悪感を背負わないように、家に帰っても頑張った。
(それと…もうひとつ…)
「今日は来るか?」
「ごめんなさい。今日は父上がいるから…」
「そか。家まで送るよ」
ーーーーーーーーーーー
「総合1位か…この調子で頑張れ」
「はい。お父様…」
氷みたいな、冷ややかな視線。
家族なのに、喋るだけでビクビクする。
(岬くんの、隣が居心地がよかったから、いつもより怖い…)
岬くんは、あくまで契約上の彼氏。
あっちは、もう友達くらいにしか思ってないかもしれない。
でも、どっちでも偽りの愛はあると感じた。
(岬くんの隣にいきたい…)
「もういい。」
「…失礼しました」
父上の部屋から逃げるように出る。
スマホを取り出す。
(疲れた…もう嫌…)
『ん。どうした?なんかあったか?』
「えっ!?なんで…っ」
『なに言ってんだよ、自分から掛けといて…』
(私が、掛けたの…?無意識で……?)
「ごめんなさいっ…今大丈夫だった?」
『おぉ、飯作ってるとこ』
「…ごめんなさい…」
『声疲れてる。飯食いに来る?』
「行きたいわ。いい?」
『おう。迎えにいけねぇけど…』
「大丈夫」
電話を切って、準備する。
寒いから、コートとマフラー。
「お嬢様。どこに行かれるのですか」
「…友達の家よ」
「もう遅いですよ。お父様もいらっしゃいますし」
「出掛けるくらい好きにさせて。父上と食事したって会話もないでしょう」
「…行ってらっしゃいませ」
(もう、いや…早く会いたいっ…)
早歩きで、岬くんの家に向かう。
早く、1秒でも早く、貴女に会いたい。
暖かい、貴女の手を掴みたい。
「あ、愛子」
「岬くんっ…」
気付いたら、抱きついて涙が溢れてた。
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岬くんが、テスト返却のあと見たことも無いような焦り具合で、順位表を見せてきた。
(国語78位、数学96位、理科46位、社会47位、英語76位…総合56位…)
「すごいじゃないっ!全部平均点超えてるわ!」
「愛子のおかげだ!ありがとなっ!」
お砂糖みたいに、甘い笑顔。
(…すごく、嬉しそう)
頭に、美宇ちゃんの笑顔が浮かぶ。
(やっぱり、兄妹なのね)
「よかったわね。」
「愛子はどうだったんだ?あ、俺のせいで順位下がったりは…」
「大丈夫よ。」
国語1位、数学2位、理科1位、社会1位、英語1位、総合1位
「すっげぇ…こんなことあるんだな…」
岬くんは、私の順位のことも気にしてたみたい。
勉強会してるときも…
「愛子、ずっと俺に教えてくれてるけど自分のは大丈夫なのか?俺のせいでおろそかになってたら…」
「大丈夫よ、人に教えてることも勉強になるわ」
岬くんが罪悪感を背負わないように、家に帰っても頑張った。
(それと…もうひとつ…)
「今日は来るか?」
「ごめんなさい。今日は父上がいるから…」
「そか。家まで送るよ」
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「総合1位か…この調子で頑張れ」
「はい。お父様…」
氷みたいな、冷ややかな視線。
家族なのに、喋るだけでビクビクする。
(岬くんの、隣が居心地がよかったから、いつもより怖い…)
岬くんは、あくまで契約上の彼氏。
あっちは、もう友達くらいにしか思ってないかもしれない。
でも、どっちでも偽りの愛はあると感じた。
(岬くんの隣にいきたい…)
「もういい。」
「…失礼しました」
父上の部屋から逃げるように出る。
スマホを取り出す。
(疲れた…もう嫌…)
『ん。どうした?なんかあったか?』
「えっ!?なんで…っ」
『なに言ってんだよ、自分から掛けといて…』
(私が、掛けたの…?無意識で……?)
「ごめんなさいっ…今大丈夫だった?」
『おぉ、飯作ってるとこ』
「…ごめんなさい…」
『声疲れてる。飯食いに来る?』
「行きたいわ。いい?」
『おう。迎えにいけねぇけど…』
「大丈夫」
電話を切って、準備する。
寒いから、コートとマフラー。
「お嬢様。どこに行かれるのですか」
「…友達の家よ」
「もう遅いですよ。お父様もいらっしゃいますし」
「出掛けるくらい好きにさせて。父上と食事したって会話もないでしょう」
「…行ってらっしゃいませ」
(もう、いや…早く会いたいっ…)
早歩きで、岬くんの家に向かう。
早く、1秒でも早く、貴女に会いたい。
暖かい、貴女の手を掴みたい。
「あ、愛子」
「岬くんっ…」
気付いたら、抱きついて涙が溢れてた。
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