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お嬢様は愛を一億円で買います。

#1

お嬢様

「伊集院さん、一緒にお昼食べない?私たち、ずっと仲良くなりたかったんだ~」
「せっかく同じクラスになったしさ~」
話しかけてきてくれる人たち。
たくさんいるけれど、みんな私のお金目当て。
私、伊集院愛子の父は、ホテル王。
自慢に聞こえるかもだけど、一言で言えばお金持ちだ。
(でも、父上も母上もずっと家にいないし…普通の家に生まれたかった…)
そんなことを知らずに、話しかけてくるクラスメイトたち。
「ごめんなさい。お昼は1人で食べるわ」
「そっか~、ごめんねっ…」
離れていった。
[小文字]「ねぇ、お金持ちだからって調子乗ってない?」[/小文字]
そんな言葉が聞こえた。
これでいい。
私は、友達なんかいらない。
父上と母上にほったらかしにされて、全部メイド任せ。
(ずっと1人だったんだから、これくらい…)
~「ねぇ、父上っ…私も、動物園行きたい!」
 「私は忙しいんだ。メイドと行きなさい。」
 「いやだ!父上と、母上と行きたいっ!」
 「お嬢様っ…」~
父上と母上と出かけたことなんて、パーティーくらい。
誕生日プレゼントも、なにもない。
(もらえたのは、クレジットカードとスマホ…)
お金ならいくらでも使っていい。
(愛は、お金じゃ買えないのよ…)
お弁当なんてない。私はいつもお昼を購買で買う。
「…コーヒーと、メロンパンください」
「はい」
(そうだ、クレジットカード使えないんだった…)
「これで」
朝、万札を崩して手に入れた小銭を出す。
(どこで食べようかしら…)
人の少ない、屋上に上がる。
今日は天気もいいし、丁度良い。
(ふぅ…)
「あれ、えっと…伊集院さん、だっけ?」
「貴女は…誰かしら…」
人がいた。
ぼさぼさの髪。
目の下には、クマもある。
「ひっでぇ…俺は、隣の席の立花岬。ま、お嬢様に認知してもらえるほどじゃねぇしな…」
「ごめんなさい。クラスメイトと絡まないもので」
「ふぅん」
[太字]グゥゥゥゥ…[/太字]
「わるい。2日食ってないから…」
「はい。」
さっき買ったばっかりのコーヒーとメロンパンを渡す。
正直、そんなにお腹も空いてないし…
「いいのか?」
「えぇ、別にいいわ。倒れるほうが嫌。」
「サンキュ」
美味しそうに、メロンパンを頬張る。
「どうして、ご飯を食べないの?」
「お嬢様には分かんねぇよ…」
「ふぅん…メロンパンとコーヒー…」
「だぁ!!分かったよ…」
「俺んち、貧乏だからさ。父親は、病気で死んだ。母親は男作って蒸発。小学生の妹に不自由ない生活させるには、俺がバイトしなきゃな…」
「貴女は、食べてないの?」
「まぁ、妹にいろいろ買ってあげたりしてたら、俺の食費もねぇよ」
(この人は、どこまでお人好しなんだろう…)
「じゃあ、提案があるのだけれど…」
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このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

新シリーズです!
もしかしたら途中で消すかもです!怒らないでください!

2024/10/28 18:17

みこと ID:≫kpJo3MY4lNspo
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