ーイントロー

私あなたに振り向いてほしくて
少しだけ背伸びをしたの
むず痒いこのスカートも
頑張って履いて踊っているから

私あなたに振り向いてほしくて
少しだけリップを塗ったの
難しいメイクも簡単にこなす
そんな子があなたは好きだろうから

本当の自分に蓋をして
私女の子になるの
感情や自我は閉じましょう

あいつみたいに器用に踊れれば
どれほど良かったか
そんな戯言はベッドの近くの
ゴミ箱に消える
正直者がバカを見る世界で
バカは正直には生きられない
内緒のズボンを切り裂いて
ドールのドレスを着飾った

ー間奏ー

私あなたに振り向いてほしくて
スマートな所作を勉強したの
むずむずするけど我慢をしてね
胡坐なんてかかないわ

私あなたに振り向いてほしくて
どうしようもなく恋愛したいの
だから今日だってかわいいを求めてる
傷は知らないふりをしておくわ

あいつみたいに器用に踊れれば
どれほどよかったか
そんな机上の空論はもう要らないの
ゴミ箱に捨てて
正直者がバカを見る世界で
正直者はバカを見ない
男と「女」の啼く夜は
ちっぽけな心に傷をつけた

内緒話ここだけでしよう
私はかわいくはないの
本当はあの
蝶々みたく飛んでみたい

内緒話ここだけでしよう
私はかわいいは嫌だけど
「それでも貴方が好きだから、どうしようもないの」

あいつみたいに器用に踊れれば
どれほど楽だった？
そんな空想ばかり浸った夜の
布団は暖かくて

あいつみたいに器用に踊れない
僕はもう無理だ！
そんな叫びは枕に落としてそれから
「私」になるの
正直者がバカを見る世界は
今日もバカで溢れた一過性で
タンスのズボンを切り裂いて
ドールのドレスにキスをした

内緒の僕を切り殺して
鏡の私にウィンクした