ーイントロー

ただ、簡単に。
されど、散々に、
あなたはそれを諦めた

見つかったノートには
ちらばった証たちが
列を作って
ひしめき合っていた

ひどく飽和して
重なり合った欲望が
火の輪を潜るの
我楽多な大玉を引っ搔いて
夢の奥に沈んだ
ひどく飽き飽きな
重なり合った羨望が
猛獣と化すのよ
ちっぽけな存在と名を知ったけれど
あまりにも短いおまじない。

ー間奏ー

見つかった証拠には
知らなかったあの子が
火花を散らして
がんばっていた

自分のことしか考えられなかった
僕とは違って

それはあまりにも無謀なトラピーズだったり
ひとつだけの純粋な愛情だったり
いくつもの間違った純愛が過ぎていくよ
どうしようもなくなっちゃった

ひどく飽和して
重なり合った欲望は
みんなを笑わせる
天国への階段も
命綱の輪っかも
見えないふりをして

ひどく飽和して
重なり合った欲望が
宙返りしたの
我楽多なピエロに今成り下がって
夢の奥からもう戻らない
ひどく飽き飽きな
春夏秋冬の理論が
エアリアルタクトで美しくなる
ちっぽけな存在と僕は分かっていたけれど
それはあまりにも
あまりにも静かな雑技でした。